古墳時代の歴史

古墳時代の歴史

1,155円 (税込)

5pt

4.0

古墳時代の歴史は日本列島とその周辺だけで完結するものではなく、世界史ないしは人類史の一部であることを強く意識したい。古墳時代が始まって終わる紀元後一千年紀は、古墳時代の地球規模の気候環境の変動にも影響され、(中略)人びとを束ねる枠組みとシステムとが大きく組み替えられた段階である。ユーラシア大陸の東の端の沖合に浮かぶ日本の島々に巨大な古墳が現れて、王や有力者の政治組織が台頭したのは、この世界史的組み換えの一環とみなされる。歴史の動きをグローバルにとらえるこのような視点は、近年、国際的に盛んになってきた。また、グローバルな歴史の動きを導いた一因とみられる気候変動が、ここ十年来の高精度古気候復元の研究の進展により、一年ごとの乾湿や寒暖の変化として、具体的に把握されつつある。こうした視点や成果を取り込んで、世界史の一部としての古墳時代史を叙述することを、この本の第三の目標にかかげる。社会全体や世界の動きを視野に入れ、文献史学の成果も取り込んだ、考古学による古墳時代の編年史の総合的叙述。この本でしたいことは、それである。

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古墳時代の歴史 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    弥生時代から古墳時代のどの本よりも詳しい考古学的解説書。
    松木武彦氏の研究の集大成。
    弥生時代からの各地域圏での氏族の始まりから、大王、ヤマト政権へ至る流れ。
    ヤマト政権の確立とともに徐々に畿内は古墳の縮小、消滅へとむかう。

    ・1-2世紀
    北部九州:外交と交易の先進地帯、甕棺墓がなくなる、原の辻貿

    0
    2025年11月22日

    購入済み

    丁寧な解説

    年代と出来事の関係を明らかにしてゆく資料は少ない中で、この本は実に丁寧に追いかけられているために、因果関係の追跡の手がかりとして、大変参考になりました。 

    #深い #共感する

    0
    2025年11月10日

    Posted by ブクログ

    これは面白い。
    邪馬台国と大王家という二つのくだりが今一つ説得力がないというか、粗いので★評価を一つ下げましたが、科学的に考えるとはこういうことなり。
    そう考えると、調査不可の墳墓、記紀への基本的な依拠など、大王家を奉る発想は非常に根深く、それが教科書をはじめとして教育の根幹に置かれているのだから、

    0
    2025年11月19日

    Posted by ブクログ

    松木先生の遺作。古墳時代の流れや、地域ごとの門閥が割拠しつつ、物や当時の最新技術(鉄、武具)が広い地域に行き渡った動きを経年的に整理されており、分かりやすい。加えて、世界の当時の動きや文化の成り立ちも踏まえて語られており、世界の流れにも興味を持てる。

    0
    2025年11月17日

    Posted by ブクログ

    考古学的アプローチによる古墳の解説、私の愛読するジャンルの一つであるが、未解明な部分が多すぎるが故に、それぞれの学者は一つの研究テーマについて緻密に研究を進め、発表する。読み手はその情報を読んで知識を蓄え、その充実した内容に満足するわけだ。しかし研究者による古墳へのアプローチの幅はとても広く、一冊の

    0
    2025年10月29日

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