作品一覧 2022/05/18更新 生きて帰ってきた男 試し読み フォロー 基礎からわかる 論文の書き方 試し読み フォロー 社会を変えるには 試し読み フォロー 「自由」の危機 ――息苦しさの正体 試し読み フォロー 地域をまわって考えたこと 試し読み フォロー 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 試し読み フォロー 平成史【完全版】 試し読み フォロー 私たちの国で起きていること 朝日新聞時評集 試し読み フォロー 私たちはいまどこにいるのか 試し読み フォロー 私たちはどこへ行こうとしているのか 試し読み フォロー 1~10件目 / 10件<<<1・・・・・・・・・>>> 小熊英二の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 基礎からわかる 論文の書き方 小熊英二 論文の書き方のみならず、その歴史的変遷や存在意義も含めて広く議論していてとても面白い。ジャーナリストの書く記事は、良し悪しはともかく出典が明記されておらず(インタビュイーの個人情報保護などのため)、読者が追試可能なようにはそもそも書かれていないことを理解する必要がある。ここを理解していないと、ジャー...続きを読むナリズムに対して引用が無いとか根拠が無いみたいな無意味な突っ込みどころに気を取られてしまう。相対して、論文は追検証可能性が大事ということになる。 論文の章構成としてはほぼ思考停止で、アブスト・イントロ・方法論・結果と考察・結論という風に認識していたが、それはそもそもIMRAD形式と名前が付いていて、自然科学でよく用いられるが、種々の論文スタイルの一つでしかないことを初めて知った。 著者は自然科学系を経験した社会科学者という背景のため、文理の論文スタイルを両方経験してきている。文系のより多様な論文スタイルは実際に読み込んでみたい。面白そう。 Posted by ブクログ 基礎からわかる 論文の書き方 小熊英二 まだ小熊本と下記で出てくる上野本は途中までしか読めていないが、両方ともためになるしおもしろい。 ちくまから出た上野本と一緒に読み進めると、小熊本はどちらかというと論文の大まかな型を述べているのに対し、上野本はより実践的な研究の進め方を書いている印象。 どちらも書いてあることは重複する部分が多いけ...続きを読むど、受け取る情報は違うと思う。そして両方とも違った良さがある。 Posted by ブクログ 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後 小熊英二 古本屋で何気なく手にして読み始めた。 小熊英二が社会学の英知を傾けて描いた父親の『自分史』である。社会状況や経験した事実を丹念に聴き取り丁寧に書いている、視点や文調が独特で新鮮だ。 戦争に明け暮れた昭和の混乱期、逆境を這いながら地道に生きた父親の人生を口承で辿った一人息子の計らいに共感を持って読むこ...続きを読むとができた。 小熊謙二の自分史であると同時に、日本が太平洋戦争に向かう時期から、敗戦、戦後の高度成長へ、そして現在までの推移を、一国民の目を通して語り表現した『社会史』でもある。 彼は敗色濃い満州に徴兵され、敗戦になり捕虜でシベリアに抑留され、帰国して結核で隔離病棟生活を経てスポーツ用品店の経営者となり、結婚し四人家族の長男に死なれ、残った一人息子の英二を育てる。 貧困と不運が重なり、人に迷惑をかけず補償など国には頼らず、波乱のなかを実直に生きた父の生涯を感情を抑えて冷静に描写している。 あの時代を生きた生活者への讃歌である。 小林秀雄賞の受賞は宜なるかなであり、自分も星五つの評価をした。 読みながら、地方の没落家系に育ち大企業の技術者から出征後零細事業者になり、妻や祖母と貧困に苦労し一人の娘を失い、事業税を払い続け軍人恩給の受給を拒み、子供たちを大学まで出した自分の父の切実な人生を思い胸を締め付けられた。 Posted by ブクログ 生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後 小熊英二 戦前・戦中・戦後を生きた一人の国民の人生を、それぞれの時代の社会背景を交えながら綴った歴史書であると言える。 記述の対象は、小熊英二先生の父親である小熊謙二氏。 先の戦争に学徒兵として徴兵され、満州にて終戦を迎える。その後、ソ連軍の捕虜となってシベリアに3年間抑留された。 帰国後もなかなか安定した...続きを読む生活基盤を築くことができず、「死の病」と言われた結核にかかるなど、不運は続く。 サナトリウムからの退所後、職を転々とする中でスポーツ用品の販売会社に就職し、サラリーマン生活を送る。 結婚し子をもうけ、「一億総中流」の日本社会の一員として戦後日本を生きることになる。 こう要約してみるとなかなか分かりにくいが、興味深く戦後史を学ぶことができる良書だと思います。 分量が多く、読み応えあり。 Posted by ブクログ 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 小熊英二 読み返してみたら、ジョブ型や同一労働同一賃金の議論につながる歴史的背景が解説されてた。雇用慣行は、長年の積み重ねがあり、新しい制度を導入するには、時間がかかるのが分かる。でも、雇用慣行への挑戦は、必ずパラダイムシフトが起こすだろう。という希望につながる一冊だった。 Posted by ブクログ 小熊英二のレビューをもっと見る