小熊英二の作品一覧
「小熊英二」の「連帯の政治社会学――3.11後の反原発運動と市民社会」「生きて帰ってきた男」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ちょっと覗いただけで、まだ読んでいない。
本書よりも先に、浅羽通明氏の『「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか』(ちくま新書、2016)と小熊英二氏の『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』(講談社現代新書、2019)を読んでおくほうがよいと感じる。特に浅羽氏の『「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか』を先に読んでおきたい。
余談だが、最近、倉持麟太郎氏の『リベラルの敵はリベラルにあり』(ちくま新書、2020)という本があるのを知った。その本の宣伝コピーに<「フェイク」リベラルの語る「ハリボテ」立憲民主主義ではもう闘えない。保守をも包摂するリベラルの再生こそが、現実政治の突破口だ!>とある。「保守をも包摂するリベラル」とは面白そうである。昨今、「リベラル保守」は、「リベラル左翼」と同様、神通力を失いつつある。「保守をも包摂するリベラル」が衰退しつつある「リベラル保守」を再生してくれるから、「リベラル保守」の石破茂氏が「健全な民主主義のための努力が、ここにある」と大いに期待しているわけだ。
しかし、「保守をも包摂するリベラル」は、新しい衣装に変っても、結局、実体は旧来のカネまみれの「ムジナの保守」に収斂していくような気がする。「悪貨は良貨を駆逐する」の喩えよろしく、良質な「リベラル保守」が駆逐されることは、現在の石破茂氏が置かれている境遇を見ればわかる。
とにかく、我等がジャパンは安易・安逸・快楽を求めてひたすら漂流しているようだから、いずれ「ゆでガエルのように、気がついたら皆くたばっていた」という冗談にもならない事態が待っているような気がする。そういう妄想を癒すためにも、『リベラルの敵はリベラルにあり』は一読の価値があるかもしれないな。後は読んでからのお楽しみだ。
お終い
Posted by ブクログ
日本の雇用慣行がどのように形成されてきたのかを、アメリカやドイツと比較しながら検討した結果、「はじめに人ありき」であることが分かった。アメリカは「はじめにジョブありき」。
明治の大学卒が少数だった時代〜戦中〜高度成長までは雇入を増やしても、人不足/組織拡大で経営が維持できた。しかし高度成長が頭打ちになってからは大企業の正社員数も頭打ちになり、パートタイム労働や女子社員ないし非正規雇用を雇用のクッションとして扱い、新たな雇用の二重性が形成されてきた。
日本の社会保障制度は、会社(正社員)or地域で囲われており、どちらにも当てはまらない残余型が約1/3存在する。厚生年金で比較的厚く保護される会社型、それと比較すると保障は薄いが地域のつながりでカバーする地域型、どちらにも属せず社会制度から溢れやすい残余型という構成になっている。
社会の仕組みは合意形成の積み重ねであるため、パッチを当てることはできるが、根本的な改革は大きな痛みを伴う。加えて完璧な仕組みは存在せず一長一短である。「日本社会のしくみ」を改善するなら、「透明性を高める」ことから始めるべきだと著者は述べている。人事評価の透明性を高めることは、既に日本社会で働いている人の満足度を上げることにもなり、これからアメリカ型やドイツ型のような国からやってくる外国人を雇用する上でも有利になる。
という日本の雇用慣行を概観した。
個人的には少なくない残余型の人たちがいかに幸福に生きられるかを、社会がどう担保するかについての議論に興味がある。