日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

ビジネス・実用
1,430円 (税込)

7pt

いま、日本社会は停滞の渦中にある。その原因のひとつが「労働環境の硬直化・悪化」だ。長時間労働のわりに生産性が低く、人材の流動性も低く、正社員と非正規労働者のあいだの賃金格差は拡大している。 こうした背景を受け「働き方改革」が唱えられ始めるも、日本社会が歴史的に作り上げてきた「慣習(しくみ)」が私たちを呪縛する。 新卒一括採用、定期人事異動、定年制などの特徴を持つ「社会のしくみ」=「日本型雇用」は、なぜ誕生し、いかなる経緯で他の先進国とは異なる独自のシステムとして社会に根付いたのか? 本書では、日本の雇用、教育、社会保障、政治、アイデンティティ、ライフスタイルまで規定している「社会のしくみ」を、データと歴史を駆使して解明する。【本書の構成】第1章 日本社会の「3つの生き方」第2章 日本の働き方、世界の働き方第3章 歴史のはたらき第4章 「日本型雇用」の起源第5章 慣行の形成第6章 民主化と「社員の平等」第7章 高度成長と「職能資格」第8章 「一億総中流」から「新たな二重構造」へ終章 「社会のしくみ」と「正義」のありか

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 社会学
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社現代新書
  • タイトル
    :
    日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学
  • タイトルID
    :
    631466
  • ページ数
    :
    608ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年07月17日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    20MB

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日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    維新期から現代まで通底する、雇用や働き方に関わる構造について論じており、きわめて興味深い。ただ、労使関係論や労働史の知識が十分でなく、議論が妥当かどうか判断できない。

    新書としては大部であり、図表がたくさんあるので、図表の目次があるとよかった。また、索引もほしいところ。

    0
    2026年03月01日

    Posted by ブクログ

    日本の雇用慣行がどのように形成されてきたのかを、アメリカやドイツと比較しながら検討した結果、「はじめに人ありき」であることが分かった。アメリカは「はじめにジョブありき」。
    明治の大学卒が少数だった時代〜戦中〜高度成長までは雇入を増やしても、人不足/組織拡大で経営が維持できた。しかし高度成長が頭打ちになってからは大企業の正社員数も頭打ちになり、パートタイム労働や女子社員ないし非正規雇用を雇用のクッションとして扱い、新たな雇用の二重性が形成されてきた。
    日本の社会保障制度は、会社(正社員)or地域で囲われており、どちらにも当てはまらない残余型が約1/3存在する。厚生年金で比較的厚く保護される会社型、それと比較すると保障は薄いが地域のつながりでカバーする地域型、どちらにも属せず社会制度から溢れやすい残余型という構成になっている。
    社会の仕組みは合意形成の積み重ねであるため、パッチを当てることはできるが、根本的な改革は大きな痛みを伴う。加えて完璧な仕組みは存在せず一長一短である。「日本社会のしくみ」を改善するなら、「透明性を高める」ことから始めるべきだと著者は述べている。人事評価の透明性を高めることは、既に日本社会で働いている人の満足度を上げることにもなり、これからアメリカ型やドイツ型のような国からやってくる外国人を雇用する上でも有利になる。
    という日本の雇用慣行を概観した。
    個人的には少なくない残余型の人たちがいかに幸福に生きられるかを、社会がどう担保するかについての議論に興味がある。

    0
    2025年10月10日

    Posted by ブクログ

    あとがきにあるように、『日本社会のしくみ』と言いつつ実質的には雇用慣行に限定した内容だが、逆にこのことは日本社会の構造がいかに会社というコミュニティに依存しているかの裏返しである。自分はかれこれ30年ほどこの主題を追っているが、そのきっかけは入社してすぐ導入された『目標管理制度(MBO)』に疑問を持ったからだった。こんなの絶対にうまく行く訳ないと思っていたら、案の定その後も目標管理の方法を無駄に精緻化したり、役職と報酬を一致させる役割給を導入したりして迷走を続けたものの、結局もとの職能等級制度から一歩も脱することはできなかった。
    雇用政策一つを取っても、教育、福祉政策など日本社会の構造と深く連関しており、それらと整合しないポリシーは仮に私企業のローカルな仕組みであっても機能しないということだ。著者の言う『つまみ食い』は許されない。特に今は史上初めて労働力人口が減少して、相対的に労働者のパワーが増えている。日本は言語バリアが非常に高いから、他国のように外国から安い労働力を入れることも容易ではない。今までの『雇ってやる』感覚の経営者は痛い目を見るだろう。早く労働者(組合)もこの構造変化に気づいて声を上げて欲しいと思う。
    長年この問題を追ってきて得られた知見と、自身の会社員経験から得られた感覚は本書の内容と完全に合致しており特に新しい発見はなかったが、こうして網羅的にまとまった資料は頭の整理になって有益だった。

    0
    2025年08月11日

    Posted by ブクログ

    イメージで捉えられる日本社会の「しくみ」の解明に、雇用と労働の側面から挑む。
    西欧やアメリカとの比較で、「これだから日本は…それと比べて…」とよく言われますが、他社会を当て嵌めるのではなく、両者の背景や形作られる過程を分析し、両者の長短を踏まえた冷静な分析がなされます。慣習からなる「しくみ」の変革に対するおぐおぐの言葉も示唆的。

    昨今は過激な主張をする/正義を振りかざす政治勢力が台頭し、「日本は…現状は…」という安易な言説が選挙に向けて高まっていますが、誰もが組み込まれている「しくみ」を頭ごなしに否定するのではなく、合意をはかって、我々の手で社会をつくることが必要です。

    0
    2025年06月19日

    Posted by ブクログ

    ・仕事内容が違うのに、Aという部署とBという部署の給料が同じ。
    ・大卒社員と高卒社員の初任給が同じ。

    「それって変じゃない?」って、
    なんとなく違和感があるのだが、これは「社員の平等」という話。これに異議を唱えても、「まぁでも、日本は『社員の平等』だからねぇ」という話。

    「自分の学歴と現在の仕事内容が、釣り合っていないと感じる」━━こういう人が増えているという。
    つまり、「大学を出たのに、それに見合った仕事をしていない」「雑務をしている自分に納得がいっていない」と。
    しかしそれは昔からそうだったわけではない。
    「なぜそういう時代になったのか?」、本書を読めばその歴史がわかる。

    ***

    『日本社会のしくみ』というタイトルではあるが、主に、“雇用”の話が中心だと感じた。

    「新卒一括採用」「定期異動」「定年」「学歴採用」……など、労働や雇用の仕組み、その歴史について学べる。

    自営業の方よりも、いわゆる“大企業”というところに勤めている人のほうが、実感をもって理解ができるのではないかと思う。


    分厚い本で、読み応えがあり。
    「難しい」とか「読みにくい」とか、そういうのはない。

    知らないことをたくさん知ることができて、読んでよかった。
    「どのへんがよかったの?」と聞かれても、内容がたっぷりなので、抜粋するのが難しい。要約するにしても、同様。

    0
    2025年09月08日

    Posted by ブクログ

    個人的に非常に興味深い内容であった。日本社会は、明治に入り国家が強力に近代化を進めてきたことにより、民間にも「官僚制の移植」が行われたため他国と異なる雇用性質を持っているという。これは他国と比べ違いが大きかった。現在も残る多くの大企業は元々国が運営していた会社も少なくない。官僚制とは、一言で言えば「企業を超えた横断的基準の不在」といえる。米独などの諸外国では、歴史的に「官僚制の移植」は経験してきているが、職種別労働運動などによって日本よりも影響が小さくなっている。
    最後の著者の指摘がわかりやすかった。日本型雇用の慣行を打破するには、「透明性の向上」が必要不可欠であるということ。つまり、採用や昇進、人事異動や査定などは、結果だけでなく、基準や過程を明確に公表し、選考過程を少なくとも当人に通知すること。さらにこれを社内/社外の公募制と組み合わせることができれば効果的、という。こうした透明性や公開性が確保されれば、横断的な労働市場、男女の平等、大学院進学率の向上などは改善されやすくなるだろう。これまでこうした諸点が改善されにくかったのは、勤続年数や「努力」を評価対象とする賃金体系と相性が悪かったため。近年では勤続年数重視の傾向が低下しているが、それでも上記諸点が改善されないのは、採用や査定などにいまだに不透明な基準が多いことが一因である。
    著者は、このような日本型雇用の成り立ちに日本の国民性や宗教観は影響を及ぼしていないとの考えであったが、個人的には日本人にありがちなはっきり決めずもやもやにしたままにする国民性も多分に影響があるような気がしてならない。

    0
    2025年02月21日

    Posted by ブクログ

    男女雇用機会均等法1期生→3号→非正規雇用→正規雇用→定年、年金受給までの再雇用(非正規)
    自分は学士
    子どもたちは十分な?学位
    いろんなことを考え、振り返らせてくれるだけでなく、最後の問が良い。
    audible(29冊目)だったけど、紙の本でも読まなきゃだ!

    0
    2024年12月02日

    Posted by ブクログ

    読み返してみたら、ジョブ型や同一労働同一賃金の議論につながる歴史的背景が解説されてた。雇用慣行は、長年の積み重ねがあり、新しい制度を導入するには、時間がかかるのが分かる。でも、雇用慣行への挑戦は、必ずパラダイムシフトが起こすだろう。という希望につながる一冊だった。

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    2023年12月03日

    Posted by ブクログ

    某大学の社会学教授とお話しする機会があり、軽い気持ちで「まったくの素人にお薦めの社会学の本を教えてください」とお願いした。するとしばらくして、「悩みました」とメールがあり、数冊の本を紹介してくださった。これはそのうちの一冊である。

    かつて司馬遼太郎は「この国のかたち」という表現で、日本とはどういう国なのかを問い続けた。この、シンプルだが妙に頭に残るフレーズは、広く人口に膾炙して今に至る。そして、気鋭の社会学者である著者は、本書で「しくみ」という、これまた絶妙のワードを用いて日本社会を読み取ろうとするのである。

    彼が注目した(あるいはせざるを得なかった)のは近代日本の雇用・教育・福祉、なかでも雇用のあり方である。大学名重視、学位軽視、年功序列、大企業優遇、女性の不利な立場…日本はなぜこのような社会なのか、歴史をひもとき、海外との比較をし、非常に詳細なデータを並べて考察していく。日本の企業や官庁組織内は、戦前からの軍隊組織の影響が色濃く残っているという。

    著者は言う。ある社会の「しくみ」とは、定着したルールの集合知である、と。人々の合意により定着したものは、新たな合意が作られない限り、変更することは難しい。だが、難しいというだけで、変えられないものではないのだと。

    非常にエキサイティングで、付箋とマーカーだらけになってしまった。文体も平易でわかりやすい。
    ご推薦くださった先生に感謝。いつか、本書のお話を伺ってみたい。

    0
    2023年08月09日

    Posted by ブクログ

    やっと読み終わった。
    ここまで、一体的に分析した著書は、ないとのことだが、まさにその通りだと思った。

    企業を越えた横断的基準の不在が、日本型雇用の最大の特徴

    どの制度にもいい面と悪い面がある。

    0
    2022年12月04日

日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 社会学
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社現代新書
  • タイトル
    :
    日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学
  • タイトルID
    :
    631466
  • ページ数
    :
    608ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年07月17日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    20MB

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