あいちトリエンナーレ2019、日本学術会議 会員任命拒否、検察官定年延長、加計学園問題……今、起きている出来事の本質を見抜くための論考集。
「百人組手で知性を鍛え、不当性に抗う訓練になる一冊」――荻上チキ(評論家)
あらゆる「自由」が失われつつある中で、研究者・作家・芸術家・記者などが理不尽な権力の介入に対して異議申し立てを行う。少しでも声を上げやすい世の中になるようにと願って26名の論者が集い、「自由」について根源的に掘り下げる。
批判的思考を養うための書!
【本文より】
表現の範囲がどんどん狭まっている――ヤマザキマリ
批判精神に欠けた学者に囲まれた政府は、端的にいって災厄――藤原辰史
アーティストやタレントが政治的な発言をするたびに、猛バッシングを受けますが、彼らも市民の一人です。政治的発言をしてはならない理由がわかりません――上野千鶴子
私たち日本人は「自由は取扱いの難しいものだ」という実感に乏しいように思われる――内田樹
Posted by ブクログ 2021年07月28日
まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけて...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月16日
26名による日本学術会議任命拒否問題に端を発した、自由への権力の介入に関しての論考集。息苦しさの正体にはさまざまな形での!自由を禁じようとする動きがあったことに改めて気がつく。
それぞれの立場で見た自由への介入は、幅広いものがあり、私たちの生活がじょじょに狭められてきていることが分かる。
誰かの問題...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月01日
一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。
例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月01日
「知る」ことで「知らない」では感じられなかった物事が立体的に色彩を持って立ち上がってくる。
ニュースを見て感想を抱くだけといった姿勢では流れに逆らうことはできないが、思考し行動することは人を新たな場所へ連れて行ってくれる。
本書では各分野の著名人が各々の視点から考えを述べており、他人の視点、思考、背...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年03月08日
第二章 文化芸術の自由は誰のためにあるのか
から読み始めました
「芸術」の周辺にいらっしゃる
人たちの 肌感覚による発言が
そのままストレートに伝わってきます
いつの世でも
どの国でも
「弾圧」「排除」は
ピンポイントで行われる
危うい この国では
よほど意識しておかなければ
いつのまにやら ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月20日
初めて読む方の文章が新鮮で特に印象に残った。山田和樹さん、永井愛さん等。既によく読んでいる方の名前につられて本を手に取り、新しい方のご研究などに興味が広がっていくのがうれしい。
この本を読んで逆に「自由」という言葉を簡単に定義し使うことが難しくなったが。
自由を手放したくないし、奪われそうなら戦う!...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月14日
今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間...続きを読む