あらすじ
学問の「型」を理解すれば、勉強はもっと楽しくなる。
社会人にも役立つ、大学の双方向授業をもとにした「論文入門」の決定版!
「この型式に沿って書かないと、評価されません。」
学生の興味・関心を的確に導く。
圧倒的な筆力を持つ社会学者・小熊英二による論文作法。
「人間は不完全だから進歩するし、努力する。
そして、人間が一人でやれることには限界がある。
だから書いて、公表し、他人と対話する。
そのように、私は考えています。」(本文より)
◆アリストテレス『弁論術』に学ぶ説得の技法
◆「結論を先に言え」は古代からあった
◆人文・社会科学はなぜ「科学」なのか
◆「霊魂」「意志」「社会」という不確かな前提
◆「主題」と「対象」を混同しない
◆画期的な研究を行うためのヒント
◆論文における「よい文章」とは?
◆方法論は「料理のレシピ」
◆「パラグラフ・ライティング」のコツ ……ほか
【本書の構成】
はじめに
第1章 論文とは何か
第2章 論文と科学
第3章 主題と対象
第4章 はじめての調べ方
第5章 方法論(調査設計)
第6章 先行研究と学問体系(ディシプリン)
第7章 方法(メソッド)
第8章 研究計画書とプレゼンテーション
第9章 構成と文章
第10章 注記と要約
第11章 校正と仕上げ
おわりに
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Posted by ブクログ
論文を書く技術を「説得の技法」として体系的に解説した一冊。古代ギリシャの弁論術に基づく論文の型は、主題設定から論証、再構成までが料理のレシピのように整理されている。図解はないが、しっかり理解すると科学的思考の本質に迫る内容だ。初心者には難解かもしれないが、論文を書く意味や方法論の理解に役立つ。社会人の報告書作成にも応用可能で、実務的な側面もある。論文を単なる文章ではなく、相手を説得するための対話と捉える視点が新鮮で、読後には書く力向上を期待できる良書。
欲を言えば、大学入学前に読みたかった。
Posted by ブクログ
経営学専攻の大学院1年生である。当然に修士論文を書かなければいけない。修論の提出締め切りは、2026年の1月であり、実は、あと1年ちょっとということだ。
私の所属している大学院・研究室での修士1年生のうちの修論準備のスケジュールは、おおよそ下記の通りである。
■入学前に「研究計画書」を提出し、入学に際して、筆記試験と同時に、「研究計画書」についてを中心とした面接試験がある
■4月に学期が始まって以降、ゼミ内で論文の書き方についての担当教授の説明がある
■学期が始まって2カ月後くらいに、「研究計画書」の修正版の発表を求められる
■夏休み中にゼミ合宿があり、修論の進捗状況の報告を求められる
■12月になり、再度、修論の進捗状況についての報告を求められる
■2-3月にかけて、担当教授との修論に関しての、個別面談・指導がある
■4月に、経営学研究科の修士全員による修論案の発表会がある
まだ1年生なので、これまでは少しゆったりと構えていたが、これから春までの間に、論文の骨子を固め、以降、調査・研究を行うことになる。
かなり昔に学部を卒業した際に、「卒業論文」は書いたが、今考えると、宿題レポートに毛の生えたものでしかなく、本格的な論文を書くのは、今回が初めての経験と言って良い。
書いたことがないので、当たり前であるが、書き方が分からず、「論文の書き方」的な本を何冊か読んでみた。その中では、今のところ、これがベストだと思う。
「論文を書く」と言う時の意味は、大きく2つに分かれる。
1つは、「何を」書くのかということ。どんなことをテーマに選ぶのか、研究仮説は何で、何を明らかにしようとしているのか。これについても、「テーマの育て方」「リサーチクエスチョンの設定の仕方」等に関して解説した本がかなりある。
もう1つは、「どのように」書くのかという内容。本書は、こちらに属する。これをテーマにした本も数多く出版されているが、上記の通り、私が読んだ本の中では、本書が、これまででベスト。
分かりやすい、とか、色々と本書の良いところはあるが、私がもっとも気に入ったのは、くどいくらいに、同じ内容を、別の角度から何度も説明をしてくれている点である。そうしてもらえることによって、「書き方」についての理解が立体的となる。
ただ、この本を1年前、大学院入学前に読んでいたとしても、ピンとは来なかったと思う。論文のことを考え、構想を練り、途中経過報告のためのレポートを書いたことにより、論文とはどういうものなのかを肌感覚で知ることが出来るようになって初めて、本書のような解説本が理解できるようになるのである。
これからも試行錯誤を続けながら、作業と並行して、本書を読み返すことにより、論文の書き方がすこしずつ上手くなっていくのだろう(と期待している)。
Posted by ブクログ
論文の書き方のみならず、その歴史的変遷や存在意義も含めて広く議論していてとても面白い。ジャーナリストの書く記事は、良し悪しはともかく出典が明記されておらず(インタビュイーの個人情報保護などのため)、読者が追試可能なようにはそもそも書かれていないことを理解する必要がある。ここを理解していないと、ジャーナリズムに対して引用が無いとか根拠が無いみたいな無意味な突っ込みどころに気を取られてしまう。相対して、論文は追検証可能性が大事ということになる。
論文の章構成としてはほぼ思考停止で、アブスト・イントロ・方法論・結果と考察・結論という風に認識していたが、それはそもそもIMRAD形式と名前が付いていて、自然科学でよく用いられるが、種々の論文スタイルの一つでしかないことを初めて知った。
著者は自然科学系を経験した社会科学者という背景のため、文理の論文スタイルを両方経験してきている。文系のより多様な論文スタイルは実際に読み込んでみたい。面白そう。
Posted by ブクログ
まだ小熊本と下記で出てくる上野本は途中までしか読めていないが、両方ともためになるしおもしろい。
ちくまから出た上野本と一緒に読み進めると、小熊本はどちらかというと論文の大まかな型を述べているのに対し、上野本はより実践的な研究の進め方を書いている印象。
どちらも書いてあることは重複する部分が多いけど、受け取る情報は違うと思う。そして両方とも違った良さがある。
Posted by ブクログ
2023/11/18 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。
2025/2/7〜2/14
論文をどのように書けば良いか、を詳細に解説した内容。論文に限らず、説得力のある文章を書く際にとても参考になる。文章が苦手な人にはぜひ読んで欲しい本だが、そういう人に限って、「本を読まない」という何とももどかしい状況もある。何とかならんかなぁ。
Posted by ブクログ
単なるマニュアル本ではなく、論文とはそもそもどのようなものか、さらには科学的思考法まで学ぶことができる。
文系・理系を問わず、すべての大学生にとって必読の本だと思う。
Posted by ブクログ
読みやすい。大学に入る前にこの本を読んでいれば……と悔やまれる。
そもそも学問における「論文」とはなんなのかを述べた上で、どんな文章で組み立てるか、を書いている。
確かに学生時代、「論文の書き方」みたいなプチ講座を受けたけど、大体、注釈の書き方とか参考文献の書き方、とかそんなことしか印象に残ってなかったので、なぜそれが必要なのか、が全く分かっていないままだった。
つまるところ、論文は「科学的思考」に基づいて書く必要がある。(お互いが共有する公理を前提にし、その上に根拠と論理を積み上げて論証し、追検証する。そして進歩していく。)主題がなんなのかをを明確にした上で、先行研究を探し、対象を絞り込み、根拠と論理を積み上げて、論証し、追検証出来るようにし、方法論を組み立て、必要な調査方法を使用する。そして、そのためにパラグラフライティングなどの技術を使用する。
随所で、理科の実験の例えや、料理の例えが出てくる事で、イメージしやすい。
あと、本書で筆者は大量の参考文献をあげているので、次に読みたい本がどんどん溜まっていく。筆者は、学問においての「プライマリ」「かかりつけ医」としての役割を学校で果たしているようだが、大学をすでに卒業した自分からしても、こんなに大量の参考文献をあげてもらえると、次にとっつくべき本がどんどん広がっていくので、まさに「プライマリ」の役割を果たしていただいた。
Posted by ブクログ
【星:♾】
いやー、読み応えがあった。論文の書き方の決定版と言ってもいいんじゃないでしょうか?
ここまで分かりやすく、基礎的なことを網羅しつつも奥深く論文の書き方を書いてくれる本はもうでないんじゃないだろうか?
論文の書き方は当然として、そもそも学問をするとはどういうことか、科学とはなんなのかということまで優しく語りかけてくれる。
さらにビジネスにも十分役立つ内容である。
本当に素晴らしい!!
Posted by ブクログ
2022年講談社現代新書。
理系の農学部出身から社会学に転じた学者が、そもそも論文とは何なのかというところから検討して課題の設定から参考文献の記し方まで、それこそ註を大量に記して丁寧に説く。良書だ。
Posted by ブクログ
科学的思考という土台の上に論文がある。
その思考方法と論文のスキルを丁寧にわかりやすく説明してくれている本。
人文・社会科学系の研究における定性分析(質的調査)の方法は決まりがあるわけではなく、分類も様々で、いまひとつピンと来なかったが、かなり整理できた。
論文の形式を知ることで、研究の道筋も見えてくる。
小熊英二は本気で「親切」だ。
「ネガティヴケイパビリティ」で帚木蓬生が言っていたように、現代社会において「親切」であるということは、どれだけ得難く、気高いことか。
こういう研究者がどんどん増えてほしいなあ。
Posted by ブクログ
卒論や修論を書く前に読んでほしい一冊。
論文の歴史や論文の考え方を掘り下げるので,その点では難しい,遠回りと感じることが多いかも知れないが,それらを理解しようと頭を働かせることも論文執筆トレーニングの一環。
具体的な文章構成については,パラグラフライティングを推奨しているが,パラグラフライティングのトレーニングは他の本でする方が良い。それよりも,全体として論文はどういうもので,どう書くかが腑に落ちて書くための本。
Posted by ブクログ
アイザック・ニュートンの名言として「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです。」というものがあります。どんなに偉大な発見も先人の思考の受け継ぐことによって生まれるって意味だと理解しています。学問というのは必然的に継続性の中で進んでいくものなのでしょう。一方、望月新一朗のABC予想の証明が論文掲載後も未だに議論されているという話題が、最近の数学ブーム(?)の中で取り上げられています。学問は開かれた場で徹底的に検証されるもの、ということの事例なのでしょう。学問というものが必要とされる歴史への接続性と誰も拒否しない公開性を成り立たせるツールが、本書が取り上げる「論文」という手段なのだと思いました。その「論文」作成の完全マニュアルがこの新書です。この春、仕事をリタイアした友人が大学院に入り直しているのですがなかなか研究というもののお作法に四苦八苦している、という愚痴を聞きました。なるほど、徹底的に科学的であろう、とすると守らなくてはならないルールがあるのだと推測します。しかし、その面倒くさいスタイル(本書では規律discipline」)が、スピードとか思い付きとか好き嫌いとかで、どんどんフェイク化した情報が溢れている社会の中で、ますます価値を持っているのだとも思います。なので、この本、学生のための実用書だけではなく、このフィルターバブル化していく社会で「対話」というものを成立させる必読書にも感じました。それにしても人文系科学の理系に対するコンプレックスは深いものがあるとも感じました。著者いうところの「科学ごっこ」…しかし、少子化による学生減に悩む大学は理系、文系という枠を超えた学部を新設が目立ちます。またデジタルの進捗によりデータの取り扱いが全領域に拡がっていることもきっと人文科学系の論文の書き方に大きな影響を与えていくのではないか?と思っています。この「論文の書き方」もアップデートされていくのでしょうか?
Posted by ブクログ
テクニック的なものかと思って、軽く手にしてみたが、良い意味で裏切られた。帯にも記載されているとおり、学問それも特定の領域や分野に偏らない本当の意味で普遍的な学問の型、それへの取り組み方を明確に示してくれている。長く今の仕事をやっているうちに我流の方法が身についてしまって、それでもどうにかやれてきているが、考えを改めさせられた。今から全面的に方法転換するのは難しいが、まだしばらくこういったことには取り組ませてもらえるだろうから、少しでも変えていきたい。これからも動的に変化はしていくと思うが、現時点に限定すると「研究の入門書」としてはベストな一冊であると言えるのではないだろうか。もっと早く出会ったいれば、私のキャリアも今とは違っていたかも知れない、ちょっと大袈裟だが。
Posted by ブクログ
論文技法ジャンルの新定番になりうる。これまで同分野の書籍と比較して、論理明快、非常に具体的で役に立つ上に、とてもリーダビリティだった。読むだけで頭が良くなる本で大学生から社会人まで幅広くおすすめしたい。
Posted by ブクログ
文系理系という違いだけではなく、文系でも経済学と法学、歴史学など、それぞれの分野の論文の違いが俯瞰できる貴重な1冊。理系でも、物理学と医学の違いなどにも触れている。
学術論文に少しでも触れている人におすすめ。こういった本は意外となかった。
本書を読んだあとに、最終頁の講談社現代新書の言葉を読むと感慨深い。
Posted by ブクログ
良書 論文とは何か、どういう構成で、どう考えて、どう描くかが丁寧にかかれています。
論文の構成、記述だけでなく、人を説得する技法として、テーマの選び方から、調査、そして、その記述までが平素な言葉でつづられています。
気になった点は以下。
・論文は①主題提起、②論証、③主題の再構成という構成が古代ギリシャから唱えられていた。
・古代ギリシャの構成が原型となっていて、現代アメリカでは、①序論・②本論・③結論というエッセイが教えられている。
・論文とは「人を説得する技法」である
・論文は、自然科学と人文科学とでは、若干構成がことなる。自然科学では、序文、対象と方法、結果、考察の四部構成となる。
・論文には、実験の結果だけでなく、過程も記録して保存し、公開する。他の人が同じ実験を繰り返して追試することが可能です。そのことを、再現性の確保という。
・人文科学の論文では、結果にあたる部分が長い。過去の資料を記述し、分析や検討をしていく過程が自然科学や工学系より長くなるためです。
・論文は、「実験/調査型」「試料分析型」「理論型」「複合型」
・資料について、自分が調べたものを「一次資料」、他人が調べたものを「二次資料」という
・問題となるのは、その論文にて問いたい「主題」は何なのか、調査する「対象」はなにかのかをはっきりすることです。
・主題と対象を設定するなら、調査の方法もある程度きまってきます。
・いまの大学で教えられている学問の主流は、経験的に観測できる対象から、観測できない主題を追求する学問です。
・主題設定は、「問い」の形で立ててみるとよい。
・主題は、抽象的な問い、対象は具体的に調査できるもの。
・先行研究を探すには、漠然とした関心でよいので、それに関係した「研究」を何か一つさがしましょう。
・主題や対象がある程度固まってきたら、手に入れた研究書や論文が言及している先行研究を、どんどん集めましょう。そして、集まった研究書や論文が言及している先行研究をまたどんどん集めましょう。
・少なくとも、論文で、Wikipediaを典拠に使うことは不適切とされています。
・方法を組み合わせて、調査全体を設計していくことを、方法論、もしくは、サーチ・デザインという
・見えたり聞こえたりした事象から、見えたり聞こえたりしない因果関係を推論することを、「因果推論」という
・調査設計する方法は、仮説検証型と、仮説生成型とがある。
・調査設計は、①探索、②記述、③比較、④因果の大きく四段階に分かれています。
・パラグラフライティングには、記述パラグラフ、比較パラグラフ、因果パラグラフがある。
・調査には、文献の先行調査による「事前研究」か、実際に調査を行う「サーベイ」がある
・「学」とは、ある前提をもとに、論理的な認識を行うこと。前提が変わると学問体系が変わる。これを「パラダイム転換」という。
・前提が異なる「学問」同志で議論することはむずかしい。学問体系が違うと使う理論も、方法論も違うことが多い。
・調査には、量的(定量)調査と、質的(定性)調査がある。
・認識論に対して、客観的に認識できるという実証主義と、主観的解釈を重視すべきとする解釈主義とがある。
・質的調査の方法 ①インタビュー、②オーラルヒストリー、③会話分析・言語分析・ナラティブ分析、④フィールドワーク・エスノグラフィ、⑤アクションリサーチがある。
・論文を作成にするにあたって、研究計画書を作る。
・パラグラフと同様、文章も、「一文一内容」にした方がわかりやすい
・複雑な論文を書くときは、構成表を書いてから、それから書き始めるのがよい。そして、カードに書いて、何度も並べ替えるのもよい。
・論文のレファレンスや注釈の方法は統一されていない。シカゴスタイルや、オクスフォード、ハーバードなどのやり方がある。
・構成がきちんとしていれば、そのまま要約を作れる
・論文の審査も校正も流れはいっしょ
①主題・対象、方法が設定されており、お互いに整合しているか
②既存の先行研究や学問体系との関係が十分に検討されているか
③明確な論拠と、明確な論理によって、論証がなされているか
④設定された主題に即した結論に導かれているか
⑤検討された先行研究の学問体系に対する貢献を明らかにしているか
⑥論文の文書として基本的な質が保たれているか。
目次は次の通り
はじめに
第1章 論文とは何か
第2章 科学と論文
第3章 主題と対象
第4章 はじめての調べ方
第5章 方法論(調査設計)
第6章 先行研究と学問体系(ディシプリン)
第7章 方法(メソッド)
第8章 研究計画書とプレゼンテーション
第9章 構成と文章
第10章 注記と要約
第11章 校正と仕上げ
おわりに
参考文献
Posted by ブクログ
本当に読んでよかった。というか、もっと早く読みたかった。論文とは何か、学問とは何かから、研究をするとはどのようなことなのかということが丁寧に解説されている。研究に取り組む大学生、特に人文社会科学の研究をする大学生は必読だと思う。
Posted by ブクログ
・IMRAD(72)
①導入 Introduction
②資料(対象)と方法 Materials & Methods
③結果 Result
④考察 Discussion
※素材を実験・調査した経緯や結果を書くのに適した形式(79)
・主題の設定(136)
①答えの出る問いを立てる(主題を問いのかたちで立てる)
②手に負える問いを立てる(具体的に調べられる対象から問いを探究する)
③データアクセスのある対象を選ぶ(自分が調査可能な対象を設定する)
・論文の審査ポイント(431)
①主題、対象、方法が設定されており、お互いに整合しているか。
②既存の先行研究や学問体系との関係が十分に検討されているか。
③明確な論拠と、明確な論理によって、論証がなされているか。
④設定された主題に即した結論が導かれているか。
⑤検討された先行研究の学問体系に対する貢献を明らかにしているか。
⑥論文の文章として基本的な質が保たれているか。
・提出前のチェックポイント(437)
①構成/論理の流れ
②注記漏れ/引用ミス/事実関係
③文章の乱れ/誤字脱字
・「論文を書くこと」は「不完全さに気づくこと」(457)
Posted by ブクログ
不完全だから勉強する、それが面白い。SFCの過去問を見たのをきっかけに読んでみた。異常な勉強量、ニュートラルな立ち位置、何を取っても感銘を受けた。では、自分もこうなりたいか、いや、もっと社会の役に立つことがしたい。
Posted by ブクログ
卒論は徒手空拳で望んだ様なものだったが、その頃にこの本を読んでいたら(20年も前の話なので不可能だが)、もう少ししっかりした卒論になっていたと思う。
本書の内容は仕事にも充分生かせると思う。提案書や稟議書、報告書に反映させる事が可能。
本文には「論文を書くことは人間の不完全さに気づくこと」とある。一生涯を論文(研究)に捧げた研究者は、人間(自分)の不完全さに真正面に向き合い続けた人なのかな、と感じた。
著者の著作は注が膨大な事が1つの特徴だが、本文中の「注記と要約」を読むとそれも納得出来る。
今後の著者の本を読む上でのガイドブックともなる一冊。
ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。
Posted by ブクログ
「論文とは何か」から解き起こし、どの学問分野にも汎用性がある「論文の書き方」の基礎を解説。
450頁を超える大部だが、受講生との対話形式も交えた明快な内容で、すいすいと読み進めることができた。
学生時分などに既に触れたことのあるような情報も少なくなかったが、学問、研究とはどういうものかという根本的なことも含め、論文の書き方、いわゆるアカデミック・ライティングについて、自分の中で知識を整理することができた。
本書を読んで、やっぱり研究っていいなと感じ、また何か論文を書いてみたくなった。
Posted by ブクログ
学問とは、論文とは、が何となくわかった。
学問は共通の前提や公理を元にして論理的に積み上げたもの。現代では現実をより説明できる学問が重要視される。論文は人を説得するもの。説得力を増すために今の書き方に落ち着いている。再実験や反証は大歓迎。
自然科学と比べて人文、社会科学はコントロールできない変数が多すぎて書き上げた論文は反証の余地がありすぎると思ってしまう。そのような論文に意味はあるのだろうか。
学生が卒論のテーマ決めたり研究室を選ぶ前に読むといいと思う。
Posted by ブクログ
学生時代に読みたかった。今思えば何気なく書いた卒論も本書に記載されている構成で成り立っていると気付かされた。批判や追検証を通じてさらに論文を飛躍させることができたかもしれない。論文だけでなく、プレゼンなどでも応用可能な一冊。
Posted by ブクログ
いわゆる文系的なテーマ論文ってどう書くのか?を知りたくて読み始めました。あまりその辺は理解できなかったものの、パラグラフライティングなど参考になる所は多かったです
Posted by ブクログ
いままでの論文の書き方として475ページもある最も厚い本である。対話形式でも説明している。厚い本を読んだことがない学生にとってはきついかもしれない。しかし全く論文の書き方を知らない学生にとっては自習書として役立つであろう。ただ、ゼミの先輩がいたりした場合には、この本を読むよりも先輩の卒論を読んだ方が早いかもしれない。この本はゼミの先輩もおらず、指導教員とも疎遠で、ひとり卒論に取り組もうとする学生にとってはいい本であろう。