無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで202万冊以上配信中!
プロローグより
物理に挫折したあなたに
この本は、高校物理の挫折者や、履修はしなかったが、あらためて学び直したいという初学者を想定して書かれたものだ。
基本コンセプトは天下りにしない、ということに尽きる。高校の物理の教科書はややもすると「世界はこうなってる」という法則や公式が「どん!」と与えられて「信じる者は救われる」とばかりに話が進んでいく。疑問を提示すると「じゃあ、実験で実際にそうなっていることを確認しなさい」といなされてしまう。しかし、実際に実験で確認できたからといって納得感があるかというとそれは別問題だろう(実際のところ、高校物理の教科書の立て付けでは実験をすることが推奨されているが、現実は教育の現場で実験が多用されることは稀である)。(中略)
「こうなりました。昔の人が考えた結果です!」じゃなく、「改めて一から考えたら今の公式や法則って自然な考え方ですよね」と納得できたら、物理に対する苦手意識が払拭できるのではないだろうか。
「なぜそのように考えるか?」の「理由」を説明することができれば、よいレシピを学ぶことで自作の料理を考案できるように、目の前の現実に対して「自分で考えて答えを出す」ことができるようになるかもしれない(中略)。
教科書というよりは楽しんで読めるように、たとえ話や歴史的なエピソードを交えて、随分とかみ砕いて解説した。高校物理の教科書にお馴染みの数式や無味乾燥な記述も極力控えた。
本書が想定しているのは、高校物理の挫折者や物理に対する憧憬を捨てきれない文系物理ファン、そして高校物理の無味乾燥で天下り的な記述に違和感を覚えている読者である。数式や計算式などをがっつり盛り込んだ本格的な高校物理の解説書を期待される方には、「思っていたのと違う」となってしまうので、別の成書をご覧になることをお勧めしたい。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
高校では物理を選択していなかったので、ざっくりとした体系だけでも掴みたいと思い、この本を手に取りました。
本書は、力学編、電磁気学編、熱力学編、波動編、原子・分子編の5部構成です。
5部に分けられてはいるものの、これらが相互につながっていることを教えてもらえました。
私は物理学について前提知識のない読者ではあるものの、本書は身の回りの現象から例をたくさん引っ張ってくれるので、あたかも1つの理論体系を使って様々な前提知識を脳内でつなぎ合わせているかのような読み心地でした。
例えば熱力学編では、科学史(熱素説)をはさみながら、雲、水圧、熱機関、冷房を取り上げます。
文系人間も、空は見るし、車は乗るし、自家発電機や空調設備の発注はするので、案外、物理学の成果を避けて生活することはできません。
その都度生じては棚上げにしていた「これってどういう原理なんだろう」を、背後にある熱力学でつなぎ合わせる。読書の醍醐味ですね。
また、物理学の考え方が分かると、多少の応用も効きます。
例えば、近年の猛暑でよく耳にするフェーン現象ですが、あれの説明、前から物理法則のバグなんじゃないかと思っていました。湿った空気が山を上って下ると、山を上る前に比べて温度が上がっているなんて、「エネルギー保存則はどこにいったの」って感じがするので。
本書にはフェーン現象は出てきませんが、水蒸気が雲になる際の潜熱(液化熱)について教えてくれます。
空気中の水蒸気が雲になるとき液化熱(発熱)が発生するものの、その水が雨になって地表に落ち、気化熱(吸熱)が生じないから、山を上る前に比べて温度が上がるのであって、大気の上昇・下降による膨張・圧縮に伴う温度変化とは区別する必要があったわけです。
潜熱の考え方が頭に入った途端、今まであったバグ感がなくなり、むしろ「空調設備で使っているやつ!」になるので、認識の変化というのは楽しいものです。
酷暑はやっぱり嫌ですけど。
本書では、法則やそれを表現した数式も出てくることは出てくるのですが、文章での説明が主です。
物理学の難しさの1つは、例えば重力、質量、重力加速度みたいに単位のバラバラな変数たちを、1本の式として関係づけるところにあるように思います。
本書では計算問題を解くわけではないので、深い理解に到達することはないのですが、「ちゃんと物理学を勉強してみたい!」と思わせるには十分でした。
正月休みで仕事を頭から追い出せていたこともあって、本当に面白い読書ができました。
Posted by ブクログ
・一回通読。日常的に使う道具や出会う出来事に絡めて、ロジカルかつわかりやすく説明してくれるので、楽しく読める。数式をなるべく排除してるが、コラムや巻末で復習させて欲しかったというのが正直なところ
・忘れてたり、目から鱗だったりしたこと。電磁波はエネルギーを運ぶ。有限の温度をもつものは赤外線を発している。液化熱。湿った空気は乾燥した空気より温度が下がりにくい。夏と冬の雲の出来方の違いにも影響。熱力学的には冷却の方が加温より容易。日常生活では燃焼が簡単に起こせて吸熱は難しいので直観とズレる。燃焼が連鎖反応的であることも拍車をかける。粒子は局在化した波束であり、人も例に漏れないが、波長が極小
・この本で頭を整理した後に、教科書や良問参考書に取り掛かると、学び直しとして良さそう
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用