生命はデジタルでできている 情報から見た新しい生命像
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生命はデジタルでできている 情報から見た新しい生命像

1,100円 (税込)
550円 (税込) 12月18日まで

2pt

科学出版賞受賞作家の書き下ろし最新作
「全生物に読んでほしい!」人気YouTuber・ヨビノリたくみ氏絶賛

いま、生物学の分野で静かな革命が進行しつつある、と言ったら読者の皆さんは驚くだろうか? その生物学の分野とは、ゲノム科学である。ゲノム科学に関する新しい知見がネットに流れない日の方が珍しい。
「寿命を伸ばす遺伝子発見!」
「『がんゲノム医療』検査に保険適用」
なんだがすごいことがこの分野で起きているっぽい。だが、なぜ、「突然」こんなことになっているのか? その疑問に答えてくれる報道は少ない気がする。本書の目的はそれを少しでもわかりやすく説明することにある。
そのために、本書ではDIGIOMEという造語を導入した。DIGIOMEとは何か? それは、デジタル信号処理系としてゲノムを捉える考え方だ。ゲノムを構成するDNAが、ゲノム情報という意味で、われわれ生命の設計図たる情報を担っていることは、ワトソン=クリックによるDNAの二重螺旋構造の発見の頃から知られていた。だが、本書ではそこを一歩踏み込んで、ゲノム自体をデジタル情報処理装置として捉える見方を提案したい。
我々人類が、デジタル情報処理装置の恩恵を日常的に享受できるなったのは、わずかにここ数十年のことに過ぎない。だが、生命体はそのそもそもの誕生時からこの高度なディジタル情報処理系の恩恵を享受してきた。周知の様に、我々人類がデジタル情報処理装置の恩恵を享受するには、高性能ながら安価な情報処理装置(例えば、スマホ)の発明が必須だった。生命体はそのような精密な情報処理装置を持っていないにも関わらず、ゲノムをデジタル情報処理装置として機能させることに成功してきた。本書で語りたいのは、なぜ、そんな奇跡のようなことが可能だったのか、ということだ。
実際、デジタル信号処理系たるゲノムは、われわれ人類が作り上げた精緻で緻密なそれとは、にて非なる側面をもっている。ある面では我々のそれより優れているし、ある意味では劣っている。そして、いま、このタイミングでその詳細が詳らかになったのは、デジタル信号処理系としてゲノムの動作を克明に観測して記録できるだけの技術と知識を我々が手にしたことによる。いままで秘密のベールの奥に隠されていたその機構の謎が日々、その観測技術によって続々と白日のもとにさらされている。前述のゲノム科学における新発見の連鎖はその帰結に過ぎない。そして、その技術の一端にはいま流行っているAI=機械学習の進歩も大きく関わっている。この本はそんな存在、DIGIOMEを巡る冒険譚を、極力最先端の知見を用いて語ることを目的とする。この本を読み終えた時、きっとあなたは、いままで見ていた「生命」をそれまでとは随分と違う目で見ることができるに違いない、と信じる。

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生命はデジタルでできている 情報から見た新しい生命像 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    生命現象をデジタル情報処理系として見るという見方がとても面白かった。

    DNAは磁気テープ、SNP=バグ、がんのメチル化はがんによるクラッキング、誤り訂正機構もある、などなどコンピュータのアナロジーで説明されるのは新鮮。
    また、とりあえずゲノムを全部読むというのも、情報科学では当然の発想でも生物科学

    0
    2020年07月10日

    Posted by ブクログ

    セントラルドグマから始まり、タンパク質の働き、細胞の分化、エピジェネティクス等の精巧な仕組みが、進化の過程で作り上げられてきたことを考えると、驚きと奇跡としか思えない。何気なく生活している中では全く実感できない細胞内でのデジタルな営みがダイナミックに繰り返されているそれこそが生命という不思議。

    0
    2020年06月17日

    Posted by ブクログ

    遺伝情報の保存庫DNAから特定のRNAが読みだされる。RNAの核酸3文字からなるコードをアミノ酸に読み替えそのアミノ酸を順番につなぐことでプロテインができる。つながれたアミノ酸がもつ電荷などのため、できあがったプロテインは特定の3次元構造をとり立体的な構造物として生体分子として働く・・・いわゆるセン

    0
    2020年06月01日

    Posted by ブクログ

    「DIGIOME」という概念自体は、現代の生物学者であればお馴染みのものであろう。オミックスの中でも、著者の関心領域を取り上げた新書である。

    0
    2025年10月17日

    Posted by ブクログ

    いまの生命科学の到達点がわかる内容。昔、教科書で学んだ内容から著しく進歩していると感じた。
    DNA→RNA→タンパク、そして代謝をそれぞれ解説した後、これらを統合的に分析するマルチオミックス解析を紹介。この内容が5年後、10年後にどのように書き換わっていくのか今後の研究成果に期待。

    0
    2020年11月28日

    Posted by ブクログ

    面白かった。切り取られた断片から映画の全編を復元するようなもの、といった喩えはこの分野の難しさをよく表現しているように感じた。因果推論、原因を徐々に掘っていくことがこれからますます大事になっていきそうです。

    0
    2020年11月23日

    Posted by ブクログ

    生物の設計図はDNAなのだからデジタルなのは当たり前だと思っていたが、その仕組みはまだ解明されはじめたばかり。わからないことだらけだということがわかった。

    0
    2020年08月31日

    Posted by ブクログ

    DNAから連なるRNA、タンパクの生成をデジタル情報というアプローチから扱った書籍。
    デジタルとDANの類似性というのは言われてみればその通りなのだが、この書籍のタイトルを見かけるまでは発想がなかった。
    DNAの構造は二重らせんと言われるが、言ってみれば長い紐であり、そこから生成されるタンパクも紐か

    0
    2020年08月15日

    Posted by ブクログ

    「生命はデジタルでできている」、なんとセンセーショナルなタイトルだろうか。
    知覚に閾値が存在すること、DNAが記号の羅列からなること。そしてなによりアナログにものを扱うことの難しさから、処理系がデジタル(離散的、という表現のほうがよいのではと個人的には思っている)だというのはなんとなく合点がいった。

    0
    2020年07月16日

    Posted by ブクログ

    生命はデジタルでできている、って最初見たときタンパク質のアミノ酸配列は、4種類の塩基の3つの並びでコードされている→デジタルなの言うまでもないじゃんと思っていた。あと転写や複製を行うための特殊な塩基の並びもコードだよねと。

    しかしほとんどのDNAのデジタルデータはランダム或いは再初期化されていない

    0
    2020年06月13日

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