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Posted by ブクログ
中国にはコソ泥はいないらしい。いるのは群れをなして襲ってくる盗賊。
広大な中国の国土に、耕作に適した土地はそう広くはないのだそうだ。
だから、農村に人が余る。仕事のない人があふれる。
そうするとどうなるか。
気が弱い人たちは乞食になり(こちらも集団)、血の気の多いのは盗賊になる。
だから、いつの時代も中国には盗賊がどこにでもいたのだそうだ。
ちなみに盗賊は正義や悪とは無縁である。
国や地方のお金で武装しているのが官軍、民間の武装勢力が盗賊なんだって。
やってることは変わらないらしい。
だから盗賊から皇帝になった人もいる。
略奪する官軍より、金持ちから奪ったものをふるまってくれる盗賊の方が民衆の支持を得たこともままあるそうだ。
この本で紹介されている盗賊は
陳勝・劉邦(漢の高祖)
朱元璋(明の太祖)
李自成(明を滅ぼし順王朝をつくるが、40日で清に北京を追われる)
洪秀全(太平天国の乱を起こした人)
毛沢東(ご存知の)
要するに、異民族に襲われるわけではなくして王朝が変わった時、政権を奪取した人を大盗賊と呼ぶということらしい。
この本を読むまで全く知らなかったこれらのことを、するする読みながら理解できるのだから高島俊男の本は素晴らしい。
一生ついていきます。
Posted by ブクログ
目から鱗が落ちる
それも 何枚も
ときには
「あっ そうだったのだ!」
と つい声に出てしまう
高島俊男さんの
中国モノを手に取るたびに
つくづく思ってしまうことです
ずいぶん前に
「中国の大盗賊」(1989年発行版)
を 読んでいた記憶がかすかに残っていて
その時に
「あとがき」に(本書では)ずいぶん割愛しましたよ
ということが書かれてあったのを
すっかり失念していました
それで、今一度
この「完全版」を手にしたのですが
いゃあ これが
もう 面白く 興味深く
古代の中国の歴史上に登場する
有名盗賊たちを再確認するとともに
前書では すっかり骨抜きになってしまっていた
第五章「これぞハワメツケ最後の盗賊皇帝ー毛沢東」
の章の抜群に面白いこと
その当時(1989年当時)の諸事情の編集が「物足りない状況に」させてしまったわけでしょうが…
本書のあとがきに
前書を読んだ未知の読者から
「もとの原稿を見たい」という依頼があれば
その「もとの原稿」を(資料がつまった)ダンボールごと
送られた高島さん、
そして、そのダンボールをちゃんと
送り返してこられた読者の方、それも何人もの方たち、
それらの存在が本書につながっていることを思うと
なにやら感慨深いものを感じてしまいます。
Posted by ブクログ
中国の歴代王朝の発生起源は盗賊に遡る。王朝の創始皇帝の劉備や朱元璋、なりそこなった李自成、洪秀全等の盗賊人生が簡潔に述べられている。
一口に盗賊と言っても日本とは同じ常識で量れない。兵士も盗賊に近い種類であることや、劉邦が若いころしていた吏といわれる末端役人までほとんどやくざ者であるところなど説明がないと全く異なる理解になってしまうであろう。
まず中国を学ぶには中国常識学のようなものが必要ではないかと思った。日本人の常識で理解するから狂ったような左翼学者も多いのかもしれない。
また毛沢東や共産党も発生、成長過程において盗賊皇帝・王朝と変わらないことがわかる。とはいえスケールが大きく情報量も多いのでここのところはある程度分厚い他本を参照したいと思う。
Posted by ブクログ
昔、中国には「盗賊」なるものがいたらしい。かならず集団で、鬼平犯科帳に出てくるようなこそこそしたのではなく、ほとんど公然と蟠踞する。都市一つ占拠するほどの大勢力になったり、時には天下を取ってしまったりする。そんな盗賊とはどんなものか、なぜ生じるのかを解説したあと、歴史上代表的な盗賊を紹介します。
まずは秦帝国を揺るがす叛乱を起こし王を称した陳勝、その後、秦を滅ぼし漢を建てた劉邦。この人が最初の、天下を取ってしまった盗賊です。乞食坊主から身を起こし、明を建国した朱元璋。建国後の粛清がすさまじい。明代末、一時は帝位に登るも、清に追われ、あえない最後を遂げた李自成。その後異民族の清に長く支配されたこともあって、人気抜群とのこと。19世紀なかば、新興宗教国家、太平天国を建てた洪秀全。思想も国家体制も、ぶっとんでます。敵役の曾国藩の奮戦ぶりが、腐敗した清の状況と対照的で嘆息を誘います。
そして、現在に至る中華人民共和国を建てた毛沢東。この章が、以前の版と完全に異なる原稿らしい。天下を取ったということについてはこれまでの農民革命と異なるところはないが、共産主義革命としての何か新しいところがあったかと言えば、「人民」を幸福にするような事跡はなかった、という評価です。確かに盗賊の系譜の中に位置づけられて然るべきかも知れない。
この本なにしろテンポが良くて、読み出したら止まらない勢いがあります。
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