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Posted by ブクログ 2021年05月02日
あるブログで紹介されていたので購入。
「大盗賊」というインパクトあるタイトル。
朱元璋、李自成、洪秀全、毛沢東、名前は見たことあっても、実は何やった人か知らない部分だったのでおもしろかった。
割と固い内容だと思うけども、文章が親しみやすくて読みやすかった印象。
作者の方、最近亡くなられたようで、...続きを読む読むタイミングに何か縁を感じた。
Posted by ブクログ 2021年04月11日
マルクスの考えた革命というのは、資本主義が高度発達した国で、大きな企業がたくさんでき、そこで働く大量の産業労働者が生まれ、それが組織されて、資本家の権力を倒しみずからの権力を打ち立てる、というものである。革命が行われるのはもちろん、大企業・大工場の集まる大都市である。
これと毛沢東の革命とは、どこ...続きを読むからどこまで全部反対である。
毛沢東の「井岡山の道」は、、、中国の歴史上の盗賊たちの道にそっくりのままである。
Posted by ブクログ 2019年01月08日
中国にはコソ泥はいないらしい。いるのは群れをなして襲ってくる盗賊。
広大な中国の国土に、耕作に適した土地はそう広くはないのだそうだ。
だから、農村に人が余る。仕事のない人があふれる。
そうするとどうなるか。
気が弱い人たちは乞食になり(こちらも集団)、血の気の多いのは盗賊になる。
だから、いつの時代...続きを読むも中国には盗賊がどこにでもいたのだそうだ。
ちなみに盗賊は正義や悪とは無縁である。
国や地方のお金で武装しているのが官軍、民間の武装勢力が盗賊なんだって。
やってることは変わらないらしい。
だから盗賊から皇帝になった人もいる。
略奪する官軍より、金持ちから奪ったものをふるまってくれる盗賊の方が民衆の支持を得たこともままあるそうだ。
この本で紹介されている盗賊は
陳勝・劉邦(漢の高祖)
朱元璋(明の太祖)
李自成(明を滅ぼし順王朝をつくるが、40日で清に北京を追われる)
洪秀全(太平天国の乱を起こした人)
毛沢東(ご存知の)
要するに、異民族に襲われるわけではなくして王朝が変わった時、政権を奪取した人を大盗賊と呼ぶということらしい。
この本を読むまで全く知らなかったこれらのことを、するする読みながら理解できるのだから高島俊男の本は素晴らしい。
一生ついていきます。
Posted by ブクログ 2018年11月13日
目から鱗が落ちる
それも 何枚も
ときには
「あっ そうだったのだ!」
と つい声に出てしまう
高島俊男さんの
中国モノを手に取るたびに
つくづく思ってしまうことです
ずいぶん前に
「中国の大盗賊」(1989年発行版)
を 読んでいた記憶がかすかに残っていて
その時に
「あとがき」に(本書では)...続きを読むずいぶん割愛しましたよ
ということが書かれてあったのを
すっかり失念していました
それで、今一度
この「完全版」を手にしたのですが
いゃあ これが
もう 面白く 興味深く
古代の中国の歴史上に登場する
有名盗賊たちを再確認するとともに
前書では すっかり骨抜きになってしまっていた
第五章「これぞハワメツケ最後の盗賊皇帝ー毛沢東」
の章の抜群に面白いこと
その当時(1989年当時)の諸事情の編集が「物足りない状況に」させてしまったわけでしょうが…
本書のあとがきに
前書を読んだ未知の読者から
「もとの原稿を見たい」という依頼があれば
その「もとの原稿」を(資料がつまった)ダンボールごと
送られた高島さん、
そして、そのダンボールをちゃんと
送り返してこられた読者の方、それも何人もの方たち、
それらの存在が本書につながっていることを思うと
なにやら感慨深いものを感じてしまいます。
Posted by ブクログ 2016年06月29日
これまで中国の歴史に対して、思っていたことを高橋先生が見事に整理してくれたという印象。
先生の中国に対する見方は、全く同感です。特に毛沢東や周恩来に対する評価は実に的確。
中国支配層は、秦に始まり、北朝諸国・隋・唐・元・清など、ずっと異民族に支配され、異民族を同化してきた歴史なので、もし日本の大...続きを読む陸の植民地化政策に成功したら、中国が倭朝になって、今頃、日本も支配層にある代わりに、日本列島も中国の一部になっていたかもしれない。
Posted by ブクログ 2016年01月26日
どの盗賊も盗賊皇帝も面白い。劉邦、朱元璋の天下取り。中でも毛沢東が一番メチャクチャやっている。インテリで盗賊で好戦的で、国民だったら迷惑すぎる。
Posted by ブクログ 2014年10月19日
中国の歴代王朝の発生起源は盗賊に遡る。王朝の創始皇帝の劉備や朱元璋、なりそこなった李自成、洪秀全等の盗賊人生が簡潔に述べられている。
一口に盗賊と言っても日本とは同じ常識で量れない。兵士も盗賊に近い種類であることや、劉邦が若いころしていた吏といわれる末端役人までほとんどやくざ者であるところなど説明が...続きを読むないと全く異なる理解になってしまうであろう。
まず中国を学ぶには中国常識学のようなものが必要ではないかと思った。日本人の常識で理解するから狂ったような左翼学者も多いのかもしれない。
また毛沢東や共産党も発生、成長過程において盗賊皇帝・王朝と変わらないことがわかる。とはいえスケールが大きく情報量も多いのでここのところはある程度分厚い他本を参照したいと思う。
Posted by ブクログ 2011年03月13日
これ、すごく面白い本です。
タイトルにある「大盗賊」とは単なる泥棒のことではなく、もう大物中の大物で、皇帝にまで成り上がった人、あと少しで皇帝だったけど惜しくも戦いに敗れた人、革命を成功させた人という、そういうレベルの「大盗賊」です。
こんな中国史のヒーローをしれっと盗賊呼ばわりしてしまう、そん...続きを読むなドライなでユニークな視点が本書の面白さです。ちなみに本当に彼らはもともと盗賊だったので(史実です)、侮辱や中傷が目的の本ではありません。
一介の盗賊が成り上がって支配者になり、そして没するまでのエピソードが、一歩引いた視点からわかりやすく語られていて、歴史に詳しくない人でも十分に楽しめます。
Posted by ブクログ 2010年12月13日
[ 内容 ]
昔、中国に「盗賊」というものがいた。
いつでもいたし、どこにでもいた。
日本のどろぼうとはちょっとちがう。
中国の「盗賊」はかならず集団である。
これが力をたのんで村や町を襲い、食料や金や女を奪う。
へんぴな田舎のほうでコソコソやっているようなのは、めんどうだから当局もほうっておく。
...続きを読むところがそのうちに大きくなって、都市を一つ占拠して居坐ったりすると、なかなか手がつけられなくなる。
さらに大きくなって、一地方、日本のいくつかの県をあわせたくらいの地域を支配したなんてのは史上いくらでも例がある。
しまいには国都を狙い、天下を狙う。
実際に天下を取ってしまったというのも、また例にとぼしくないのである。
幻の原稿150枚を完全復元。
共産党の中国とは盗賊王朝である。
劉邦から毛沢東まで伝説の完全版がよみがえる。
[ 目次 ]
序章 「盗賊」とはどういうものか
第1章 元祖盗賊皇帝―陳勝・劉邦
第2章 玉座に登った乞食坊主―朱元璋
第3章 人気は抜群われらの闖王―李自成
第4章 十字架かついだ落第書生―洪秀全
第5章 これぞキワメツケ最後の盗賊皇帝―毛沢東
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ 2011年12月27日
昔、中国には「盗賊」なるものがいたらしい。かならず集団で、鬼平犯科帳に出てくるようなこそこそしたのではなく、ほとんど公然と蟠踞する。都市一つ占拠するほどの大勢力になったり、時には天下を取ってしまったりする。そんな盗賊とはどんなものか、なぜ生じるのかを解説したあと、歴史上代表的な盗賊を紹介します。
...続きを読むまずは秦帝国を揺るがす叛乱を起こし王を称した陳勝、その後、秦を滅ぼし漢を建てた劉邦。この人が最初の、天下を取ってしまった盗賊です。乞食坊主から身を起こし、明を建国した朱元璋。建国後の粛清がすさまじい。明代末、一時は帝位に登るも、清に追われ、あえない最後を遂げた李自成。その後異民族の清に長く支配されたこともあって、人気抜群とのこと。19世紀なかば、新興宗教国家、太平天国を建てた洪秀全。思想も国家体制も、ぶっとんでます。敵役の曾国藩の奮戦ぶりが、腐敗した清の状況と対照的で嘆息を誘います。
そして、現在に至る中華人民共和国を建てた毛沢東。この章が、以前の版と完全に異なる原稿らしい。天下を取ったということについてはこれまでの農民革命と異なるところはないが、共産主義革命としての何か新しいところがあったかと言えば、「人民」を幸福にするような事跡はなかった、という評価です。確かに盗賊の系譜の中に位置づけられて然るべきかも知れない。
この本なにしろテンポが良くて、読み出したら止まらない勢いがあります。
Posted by ブクログ 2023年01月13日
中国の盗賊の代表として、陳勝・劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全、および毛沢東を紹介。ユーモラスな語り口で読みやすく、理解しやすい。
中国における盗賊とは、仕事にあぶれたならず者の武装集団のことで、中央・地方の政府が組織したものは「官軍」、そうでないものは「盗賊」とされた。頭脳としての知識人や情報網を持...続きを読むつ商人などを取り込みしだいに大きくなり、ついには天下を狙う集団も現れる。
面白いのは毛沢東で、先に紹介された陳勝・劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全を「農民の革命戦争」として定義し、正義の行いとみなしている。本来のマルクス主義は都市の工場労働者を革命の主導者としているが、共産党は農村のあぶれ者を動員しているし、詩作に秀でた毛沢東は、マルクス主義者ではなく中国の伝統的知識人であった(マルクス主義の根幹を、「造反有理(上の者をやっつけるのはいいことだ)」の一語にまとめてしまった)。中国共産党は伝統的な盗賊集団と見たほうが理解しやすい。
Posted by ブクログ 2020年02月29日
社会のはみ出しものとしての盗賊が跋扈する中国。代表的な5人を本書では取り上げる。その最後の人物は毛沢東。毛沢東を共産主義者ではなく、中国社会特有の盗賊の1人として捉える方が説明がしやすいと著者は言う。この視点は自分にとっては新鮮で面白かった。
Posted by ブクログ 2018年06月17日
面白かった。
盗賊と言っても鼠小僧ではなくて、ならず者の武装集団。
劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全から、毛沢東まで(笑
ムッチャ判る。
で、自分らの判るエリアでやっとった奴らが、全アジアから世界まで視野に入れ出したことも。
こいつら、あかんて。仲間に入れたら。
Posted by ブクログ 2017年06月06日
一介の盗賊が国を作る、こんな例が中国には、たくさんあるんですね。
「みんなが代表を選んで、その人に国を建設してもらう」
、、、民主主義の「人の選び方」とは、何もかも違います。
盗賊が国を作った、だから、、、中国はどうひっくり返っても、民主的な国家
(ほんとは、国家と言えないと思いますが、、、)にな...続きを読むることはできないと確信しました。
人民裁判は、てっきり「人民による裁判」だと思ったのですが、高島先生は、「人民の前でやる裁判」と
喝破します。これでは、、、一生、法治国家になることはできませんね。
中国の歴史を知れば知るほど、面白いのですが、日本とは、絶望的に「うまくやっていけないな」と
いうか、カノ国は、そもそも、他の国とうまくやっていくことなんて、端から思ってない!
だって、盗賊のメンタリーティーを、建国した方々は持っているのですから、、、。
Posted by ブクログ 2016年03月06日
古書店にて250円で。取り上げられている〈大盗賊〉は「燕雀いづくんぞ……」でお馴染み陳勝に漢の高祖劉邦、明の開祖朱元璋、明朝と清朝の狭間で僅か40日天下を謳歌した李自成、太平天国を築いた洪秀全、そして〈完全版〉にて当時の原稿を復元した毛沢東。同著者の本は『三国志 きらめく群像』と『水滸伝の世界』しか...続きを読む読んだことがないのだが、難解な内容になりそうな題材を平易な文章で判りやすく仕上げているのはさすがである。参考文献についても、どの本がお勧めでどれがイマイチかなどユーザビリティ第一に書かれており好感が持てる。
Posted by ブクログ 2015年05月26日
中国の歴史を作ってきたのは盗賊である。我が国の歴史との違いをまざまざと見せつけられた。毛沢東の記述が興味深い。記述も平易で親しみやすい。
いわゆる歴史認識問題について、なんとなく向こうの思考回路が垣間見えた気がする。
Posted by ブクログ 2015年05月08日
歴史上、中国を統一した皇帝には盗賊出身が多い。有名どころは、漢の創始者、劉邦。彼はもともと面倒見の良いアニキ的ヤクザ。そんな劉邦が家柄に優れた項羽との決戦に勝利し、中国を統一する。毛沢東だってガラの悪い農家の出だ。日本で比較できるのは豊臣秀吉くらいだが、彼は将軍、天皇の一歩手前止まりだった点で中国の...続きを読む皇帝には一歩劣る。
本書は、こうした田舎の貧しい盗賊出身でありながら中国を統一してしまった6人を取り上げた成り上がり列伝。
中国でトップに登りつめるためには義とか情は邪魔。ひたすら自分より上の者を倒すのみ。家柄とか、財産とか守るべきものがあることは、逆に不利だ。そんな中国を究極のアメリカンドリーム国とみるか、そんな連中でも支配できる野蛮国とみるか。
Posted by ブクログ 2013年10月09日
最近、高島俊男さんの本にハマっています。こんな面白い人を、発見出来たことが、とても嬉しいです。まだ読んでない本が、たくさんあるので、チビチビ読んで行きたいです。
Posted by ブクログ 2017年10月09日
中国の政治史、特に複雑過ぎて理解する気も失せる現代政治史を大づかみに切り分け、「盗賊」をキーワードに
面白おかしくずぶの素人にも単純に理解できるようにまとめてくれた名著。
古来より中国は力が正義。いつの時代にも武装した民衆が集まり、実力で意見を通すそれが賊、冦、盗、匪などと呼ばれる。日本で言えば一揆...続きを読むが近いが、大きく違うのはその利己的な性格。正義を振りかざして政府に反乱もするし、同時に犯罪集団でもある。梁山泊でもあり、ISISでもある連中。
このとんでもない集団があることが、傍目には中国史を面白くさせているわけだが、困ったことに天下を取った中央政府も元はこういう連中にすぎない。しかも正規の政府になっても基本的にその性質は変わらない。これまで勘違いで美化されてきた太平天国や国民党、共産党までまったく同じ。
本書の中で一番おもしろいのは、歴史の教科書で理想化されてきた太平天国がいかにデタラメでどうしようもない組織だったのかを書いた下りかもしれない。
最後の国民党と共産党の闘争劇については、現代中国と日本の関係を理解するには必読のところで、そもそも両者は仲間同士だったのが途中で反目し、弱小勢力で国民党と正面から戦ったのでは勝ち目がなかった共産党軍が第三勢力として日本軍の価値に気づき、最終的に勝ちを治めることができたという視点は大事だろう。
Posted by ブクログ 2013年05月21日
毛沢東も盗賊皇帝。
盗賊といっても日本と違ってスケールが桁外れに大きい。ヤクザが総理大臣になるようなものだから話も面白くなる。
太平天国の乱については勉強になりました。
Posted by ブクログ 2012年02月19日
歴史を淡々と述べているのではなく、盗賊という見方や、つまりどうゆうことかとわかりやすく書いています。元にしている資料もはっきり当てにならない、中国ではこうゆう風に評価されているけど、現実は違うときっぱり書いていて読みやすかったです。この本を読んだ後では、現在の中国の「即死刑」の風潮もわかる気がするし...続きを読む、一人っ子政策もある意味「盗賊防止策」なのかなと思ってしまいます。(そうは書いていませんが)中国の歴史をサッと要点をまとめて読めると思います。
Posted by ブクログ 2011年09月04日
一通り中国歴史上の人物が頭に入っていると痛快に読める。
中国の歴史は盗賊の歴史であり、それは起こるべきして起きていた・・・ 「ああ、なるほど俺もその立場ならそうするかも」と思わせる部分が随所にあり、中国と日本の生い立ちや考え方の違いを分かり易く書いている。
総合年表と地図情報があればもっと読...続きを読むみ易かったと思うので★を一つ減点。
Posted by ブクログ 2011年06月06日
タイトルから、日本でいう石川五右衛門、フランスでいうアルセーヌ・ルパンのような大泥棒を思い浮かべがちだが、この本では劉邦や朱元璋のような国を盗った大盗賊が挙げられる。そういえば、この二人は農民出身で最初は片田舎の盗賊として挙兵した。
中国では農業からあぶれた者(閑民)が武装して盗賊となるのです...続きを読むが、それでは困るとして国が閑民を兵とすることがよくあった。しかし、この兵のほうが盗賊よりも徹底的に略奪するなどしたから厄介だった。
注目すべきは毛沢東。本書では彼も一地方勢力として旗揚げし、勢力を拡大して中国全土を支配したという点で、劉邦や朱元璋と同じような盗賊皇帝として描かれている。
毛沢東は勢力を拡大していく過程で
・共産主義(正確に言えば共産党の全面肯定)を一種の宗教のように利用した
・共産党の幹部階級が贅沢な生活を送り、農民は共産党から土地や耕具を与えられ、謂わば共産党の農奴としてその土地を耕すという支配と被支配の関係が成立した
・「共産党は数億の人民に衣食を与えることに成功した」などの嘘が罷り通した(つまり国家による言論や情報の統制)
ことから、中華人民共和国も、実は清以前の王朝時代と根本は変わらない(あえて言うなら共産党帝国)のかもしれない。
Posted by ブクログ 2011年09月09日
高島先生の中国の歴史学者たちに対する言葉が辛辣。「盗賊」という言葉の響きが、とっても悪いので、えっみんな盗賊だったの?といいたくなるが、でかい中国のことだから、盗賊もスケールが違うし、盗賊も正義に変化して、国を治めちゃうのです。すごいね。
Posted by ブクログ 2011年04月24日
盗賊ってなんだろう?というところから始まり中国の大盗賊を紹介しています。勝てば官軍とか後付神格化とかの裏をみたら実は盗賊でしたとか、ヒーローと悪人ってとても紙一重なのねと。物語ではかっこよく書かれていても実際はこれかと思うとちょっと萎えますが、面白い本でした。
Posted by ブクログ 2011年04月03日
易姓革命などソレらしいことをいうが、言ったもん勝ちの後付の説明みたいなもんで、実際は、権謀術数と疑心暗鬼と大虐殺が満載の大盗賊たちの権力闘争。人間らしいっちゃぁ、実に人間らしい。
筆者は、史上最強の大盗賊は毛沢東だとして、こんなふうにバッサリと片付ける。
「つまり毛沢東の伝記の面白さは、共産党が人...続きを読む民を解放したの民衆が立ちあがったのというヨタを聞くのがおもしろいのではさらさらなくて、こいつの前では朱元璋も李自成もケチなコソ泥ぐらいに見えてくるという大盗賊が、中国をムチャクチャに引っかきまわすという、一般中国人にとっては迷惑千万の歴史が面白いのである。」(p259)
常にひどい目に合わされる庶民はたまったもんじゃないが、その分、中国人民がしたたかでアナーキーになるのも当然のことだろうと思った。
Posted by ブクログ 2010年12月06日
中国という国がどういう権力争いで今まで続き、そしてそれぞれの時代の王となったかを分かりやすく、史実を調べて書かれており、中国という国を理解するのには実に有用な本だと思った。
これを読めば、日本と本当に考え方や行動の仕方が違うのがこの国だからこそああなるんだという事に気がつく。
ヒョッとしたらまだ...続きを読むまだ中国は新しい王朝が現れて今と違う国がまた出来るのではないだろうかと思ってしまう(^_^;)
Posted by ブクログ 2012年02月03日
中国歴代王朝の殆どは盗賊による創業だ、
というユニークな視点から迫る中国王朝史。
漢の高祖劉邦から現中国共産革命の祖毛沢東までを
大盗賊だと宣うのだから痛快な書ではある。
先ず、著者は盗賊の発生する要件を
氏族社会と近代資本主義社会との中間段階にある農業社会とする。
農村の過剰人口が盗賊の発生母体...続きを読むだ。
農村地域に、働き場のない、あるいは働いても食えない人間が、不断に、また大量に発生する。彼らは流れ歩く閑民となり、盗賊となる。
中国には、大昔から20世紀の今日に至るまで、常に盗賊がいた。
その彼らが権力争いの表舞台へと勇躍登場しては歴史を作ってきたのだ。と。
彼らへの呼称は、単に「盗」といい、また「賊」ともいい、また「寇」ともいう。
清代以後には「匪」とも。
曰く、山賊、海賊、水賊、馬賊、妖賊、教匪、流賊または流寇、土賊、などなど、
活動場所や行動様式によって呼称が異なる。
漢の高祖、劉邦
明の太祖、朱元璋
清王朝の、李自成
太平天国の、洪秀全
そして共産革命の、毛沢東
これら建国の祖はなべて盗賊から出て王朝の開祖となったのだ、という訳で、
各々、章を設けてその経緯をたどる。
1927年に毛沢東が作った中国共産党の軍隊は、中国歴史上の、盗賊の流れに位置づけられるべきもので、
それは、マルクス主義を信仰し、不平知識人が指導し、貧しい農民の味方を標榜する、一大盗賊団なのだ、と。
実際、毛沢東らが政権を取るまでは、「共匪」「紅匪」「毛匪」と呼ばれていたことからも、時の権力や一般の民からは、中国古来からの盗賊扱いの位置づけだったことがわかる、と。
中国独特の「革命」思想にも触れえて、成程そうかと肯かせる。
著者は中国文学のれっきとした学者であり、故なき論を展開しているのではなく、歴史の事実を踏まえたものだけに説得力はある。
まあ、肩の凝らない書ではある。