作品一覧

  • 縄文の思想

    縄文の思想

    ビジネス・実用

    4.5
    1巻1,100円 (税込)
    縄文人のリアルな思想、彼らの他界観や世界観など生き方を律した思想が、海辺や北海道、南島という日本列島の周縁に生きた人びとの、弥生時代以降の歴史に光を当てることで明らかに。縄文は単なる失われた過去ではなく、周縁の人びとの生を律する思想として、上記の人びとのなかに脈々と生き続けてきた。考古学、神話学、民俗学を綜合し、もうひとつの日本列島人の歴史を描くこれまでにない縄文論。
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

    アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻946円 (税込)
    アイヌこそが縄文人の正統な末裔であることが、最近のさまざまな研究や調査で明らかになっている。平地人となることを拒否し、北海道という山中にとどまって縄文の習俗を最後まで守り通したアイヌの人びと。その文化を見ていけば、日本列島人の原郷の思想が明らかになるにちがいない。交易、祭祀、葬制、遺跡とその遺物、言語などの多方面にわたる最新のアイヌ研究を総合し、弥生文化を選択した現代日本人にとって、ありえたかもしれないもうひとつの歴史を叙述する野心的試み。
  • アイヌ学入門

    アイヌ学入門

    ビジネス・実用

    4.1
    1巻1,320円 (税込)
    海を渡り北方世界と日本を繋ぐ大交易民族としてのアイヌ。中国王朝と戦うアイヌ。従来のステレオタイプを覆し、ダイナミックに外の世界と繋がった「海のノマド」としてのアイヌ像を様々なトピックから提示する。(講談社現代新書)
  • アイヌの歴史 海と宝のノマド

    アイヌの歴史 海と宝のノマド

    ビジネス・実用

    3.8
    1巻1,760円 (税込)
    宝を求め、サハリン・アムール川流域に進出する戦うアイヌ。激しい格差、サケ漁をめぐる内部対立、「日本」との交渉――社会の矛盾に悩むアイヌ。北の縄文から近世まで、常識を覆すダイナミックな「進化と変容」。(講談社選書メチエ)

ユーザーレビュー

  • アイヌ学入門

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これまで読んだアイヌ学(?)関連の本は、おそらくインターネット以前のものだったためか、どうしても今ひとつ情報源が少なく不明点も多かった気がする。それに対し、本書は、より新しい多くの論文や情報を丁寧に組み合わせて立体的に論を展開することに成功していると思う。

    本書は「アイヌ学入門」という、とても広いタイトルになっているが、網羅的な学術入門書になっているかと言えば疑問が残る。とはいえ、時代的にはとても広くカバーされ、研究報告はワクワクさせてくれるし、現代アイヌの章も、示唆に富んで意味深い。新しく豊富な興味深い内容だけでなく、歴史へのロマンやマイノリティー問題も感じさせてくれる私のイチ推しの書であることは間違いない。

    内容は、大胆にもアイヌと縄文文化や縄文人の関係から始まり、古い時代からアイヌの歴史のさまざまな内容を説明する。一応は時系列に説明されるが、様々な内容が、往々にして章をまたぎながら展開することにもなるので、少し戸惑う。

    大和政権以後の和人中央政権とアイヌの関わりが、思いの外深くつながり、中でもアイヌの宗教儀礼な宗教的な用語に深く和人文化・古代日本語が関係していたことに驚いた。私はアイヌがもともと東北地方からサハリンまで広く居住していた民族で、もしかすると大陸に起源があるのかもしれないとさえ思っていた。ところが、縄文人を起源としてアイヌはそもそも北海道が拠点で、北海道からサハリンに進出したことも初めて知った。東北地方のアイヌの語地名も、アイヌが北海道から南下してから生まれた地名だということも驚きだった。東北地方の日本海側から北上するアイヌと、東北地方の太平洋側から北海道東・千島へ拡大するアイヌ、というダイナミックな民族移動も初めて知った。とても興味深い。
    さらに、早くも10世紀に修験者が北海道進出していたり、さらには5世紀の古墳時代にさえ渡来人が北海道に鉱脈探索に来ていたらしいことにも驚いた。

    ただ、アイヌと大陸や北方アジアとの山丹交易、オホーツク人、トビニタイ文化については説明が少ない気がする。日本の論文・文献だけではカバーできず、また、中国やロシアでは少数民族の研究は盛んではなく、政治に左右されて公開されない情報も多いのかもしれない。
    第7章とあとがきの、アイヌと和人と金の深い関係はとても興味深く読んだ。これまであまり論じられなかったことだとのこと。著者が様々な論文・文献を駆使し、実際に現地で金を発見して考察する文章は、ロマンを感じさせてくれて実に爽快。
    第8章は、他の章が著者が積み上げてきた研究とは異なり、考えさせてくれるドキュメンタリーとして読んだ。


    P.S.
    第8章は、ほぼ全部が1961年旭川生まれのアイヌ女性Aさんへのインタビューが一人称で語られる。Aさんは私よりはんの少し若く、年齢が近いのでより一層身近に感じられる。両親はアイヌで非常な苦労をしたけれども、旭川でこれくらいの時期に生まれた人は、いじめや差別を受けたことはあまりなかったらしいと知って少し安心した(平成23年(2011年)の調査で差別を受けたことがない人36%、自分または知人が差別を受けた人33%)。とはいえ、アイヌを恥ずかしいと思う心や、アイヌと言われることへの恐怖心は、28歳の転機(アイヌ民族文化祭)が訪れるまで持っていた。
    アイヌを恥ずかしいと思う気持ちが生まれた原因について、(差別よりも)親や大人のアイヌの態度から恥ずかしい気持ちが生まれたのだと知った。平成23年調査では、アイヌではない知人・友人に加え、教師がアイヌがいやだと感じる原因になっている。
    和人から「アイヌなのに頭がよい」と陰で言われたことに対して、「アイヌは頭がよいと感じた」と言っている言葉には、少し共感した。漢字を使い始めた日本人と比べ文字のない文化を1500年ほども経てきた民族なのだから、遺伝子に記憶力の良さが刻まれたのかもしれない。
    アイヌ語を学び出したAさんは、「お前のアイヌ語は本物ではない」「いい気になるなよ」と言われてアイヌ語の活動から距離を置くようになる。これは悲しい話。それは間違ってる!と言いたい。なんだか思い当たることもある。アカデミズムの中心にいると思い込んでいる学者とか、自分こそが正しいアイヌ語を広めなくてはならないと思い込んでいる人たち、つまり、思い上がった人たち(あなたこそいい気になるな!)が想像できてしまう。
    「人には役割があります」という言葉、これはあちらこちらで語られる有名なアイヌ語の言葉のことだと思う: カント オㇿ ワ ヤㇰ サㇰ ノ アランケㇷ゚ シネㇷ゚ カ イサㇺ(天から役目(役割)なしに降ろされたものは、ひとつもない)。とてもいい言葉じゃないですか。

    0
    2026年09月15日
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

    購入済み

    知らなかった日本史

    縄文文化の流れ、北海道からサハリン、アムール川流域、カムチャッカ半島までの広い文化圏と民族の動き、殯の風習など一冊で知ることが多く、日本史の見方が変わりました。素晴らしい力作だと思います。

    0
    2022年10月09日
  • 縄文の思想

    購入済み

    縄文びとが残したもの

    過去の民俗学や文化人類学の遺産である民話や伝承と、最新の考古学が合わさって、雄大な物語を読むように感じました。日本人の起源がアイヌと不可分であること。海民の旅のスケールが昔から非常に大きかったことなど有史以前の世界が目の前に蘇るようです。

    0
    2022年09月02日
  • アイヌ学入門

    Posted by ブクログ

    アイヌのことを知りたくて、その時の気持ちが「入門」という書名に惹かれて購入。独自の言語体系と祭祀、習俗を持つ民族でありながら、北海道に定住していたために江戸時代以降、本土からの移民に謂れなき差別を受けた。しかし、樺太や千島列島への民族的な広がりと、青森を含め本土とも交易や文化交流の史料が残り、アイヌ研究の面白さを感じた。今度はアイヌ語に特化した入門書が読みたくなった。

    0
    2021年12月04日
  • アイヌ学入門

    Posted by ブクログ

    アイヌは、我々が忘れ去った縄文文化の記憶を深くとどめている。しかし、それは、アイヌ文化が進化しなかった、ということでは決してない。
    アイヌは、和人や他の民族と密接に交流し、自らの文化や世界観を変化させた。和人や他の民族からたくさんの文化を吸収し、また、和人や他の民族の文化にも多くの影響を与えてきた。そのダイナミックさは、我々の想像を超える。
    アイヌは文字を持たなかったゆえに、その歴史は未解明なところが多い。だが、我々が縄文から脈々と続く真の歴史に迫るためには、さらに深くアイヌを知らなければならないのである。

    0
    2020年05月28日

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