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30年代の「世界恐慌」。その原因や対処法をめぐりケインズとハイエクは論争を繰り返した。リーマンショック後の「世界的経済危機」の核心を探るため、経済学史に偉大な足跡を残した知の巨人の共通認識と対立点を徹底比較する。資本主義に社会主義的な計画経済を導入したケインズ、自由主義経済の擁護者ハイエク。「貨幣・価格・生産」「慣行と模倣」「便宜と法」などの論争は現代的示唆に富む。
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Posted by ブクログ
要約を好む人は多い。「一言で言うと?」というのは慣用句。しかし事実は複雑で、くだくだとしたプロセスを追わなければ概略すら理解してとは言えない(せいぜい、知ったような気になるだけで、正しくもなければ利用も出来ない)。 本書ではケインズとハイエクの数十年にわたる思考の過程を追っていく。難しいが彼らの理解...続きを読むに一歩近づけたような気になる。
偉大な経済学者であるケインズとハイエクの思想、理論を、時代背景や経済学会の動向、政治、経済、戦争などの状況と並べ、解説したもの。景気循環や政治的都合と共に、ケインズもハイエクも蘇るのだが、それは経済政策的に最適だからというだけでなく、政治の事情や国民の意識が絡んでいることがよくわかる。景気というと単...続きを読むに日経平均の指標くらいしか意識しないが、金利や失業率、財政収支、通貨供給量などにも関心を持つことで、先行きを少しは見通せるようになると思うし、仕事でもとても役立つだろう。
デフレの英国1920年~、金融対策の困難な現実に対処するケインズと、経済の景気循環説を貨幣理論により唱えるハイエク。 今の金融危機と対比して読むと面白そうです。
ぎゅっと圧縮したところと、詳しく解説しているところと、 緩急のある書き方があって飽きずに読めました。 ハイエクというと経済というより哲学の印象が強かったので、 ケインズとやりあう場面などはかなり新鮮に思えて目が覚めた。 それでも読み終えて印象に残ったのは、 経済に関する箇所ではなくて、 やっぱり...続きを読むハイエクの『自由論』のところ。
経済学は詰まるところ、あらゆる経済主体がいかに将来を期待して過ごすことが出来るかに関する学問だと思う。そのための基盤をどう構築するか。経済を各論で語る人々は、その辺りが不十分に見える。
相当ハイレベルな内容を圧縮して詰め込んだ本。 ケインズ、ハイエクそれぞれに、経済学だけでなく、哲学、歴史など多様な要素が含まれている。その分楽しめるとも言えるが、自分の知識をいかようにも試され、降参してしまう。 それにくらべて、年金制度の行き詰まり、トップダウン故につまづいている貨幣経済など、今...続きを読む日の日本経済が実に情けなくなってくる。 「ハイエクならば、貿易自由化という以上は同時に貨幣発行の民営化まで踏み込まなければならないと主張するのではないか。農業は製造業とは別の民間通貨を使うのである。」との意見は、官から民にお金の流れを変える事の大切さを考えさせられる。
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ケインズとハイエク―貨幣と市場への問い
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松原隆一郎
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