作品一覧

  • ポスト新自由主義と「国家」の再生:左派が主権を取り戻すとき
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    1巻3,564円 (税込)
    Make the Left Great Again! 左派の退潮が言われて久しい。 世界中が新自由主義に覆われ、格差や貧困がクローズアップされたにもかかわらず、左派への支持は広がらなかった。いや、むしろ左派への風当たりはより強くなったと言えるかもしれない。一方、右派や極右はますます支持基盤を拡大しているように見える。 左派退潮の分岐点はどこにあったのか? 左派を再興することは果たして可能なのか? 「左派を再び偉大に」することを狙う本書は、この問いに正面から答える。 1970年代、先進資本主義国では資本の収益性が劇的に低下していた。危機感を抱いた支配層は、福祉国家下の「階級的妥協」を棚上げして露骨な階級闘争を仕掛ける。 新自由主義的な再構築で起こったことは、決して国家の「衰退」や「空洞化」ではなく、〈脱民主化〉による国家主権の権威主義化だったのだ。 「国家の死」を寿いだ左派はここを大きく見誤ってしまった。そして、40年にわたり支配層から仕掛けられた階級闘争によって周縁化され、収奪された人々は極右運動に引き寄せられていった……。ポスト新自由主義世界を見通す左派再興の処方箋。
  • 大人のためのお金学
    3.3
    お金って何?――子どもに聞かれて、どう答える?  現金にクレジットカード、「Pay」から「仮想通貨」まで、お金のあり方が多様化する現代。2022年からは「お金のリテラシー」を子どもに身につけさせるために、中学と高校で「金融教育」が始まった。しかし、学校でお金の授業を受ける機会がなかった大人は、どれだけリテラシーを身につけているだろうか。お金はどのように誕生したのか。資本主義の暴走で生まれた「お金主義」とは。その歴史をザックリたどりながら「市場」「資本」「投資」など数々の必須知識を身につける。「お金は自由に創造できる」「上手に増やそう、は恐ろしい」……お金の本質を知ることができれば、今の常識がくつがえる。子どもに教えたくなる新しいお金の教科書。
  • 貨幣の国家理論
    -
    1巻3,960円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【ケインズ、ウェバーが絶賛し、MMTの元祖ともされる幻の貨幣論】 貨幣の価値は、物々交換の為の自発的な商品貨幣という意味合いよりも、国家による法制上の創造物であることに由来する――。本書は、なぜ貨幣(お金)が今ある姿のようになっているのかを、様々な事例を交えてロジカルに説明した幻の名著。ケインズはインド論や貨幣論でクナップの理解を前提にし、マックス・ヴェーバーは貨幣論ではクナップ(とミーゼス)を一番高く評価し、本書を偉大な名作の1つと呼んだ。 そのクナップの理論が21世紀に再び脚光を浴びている。日本が膨大な財政赤字を抱えているにもかかわらず揺るがない理由を解明する理論として注目されている現代貨幣理論(MMT)では必ず言及され、日本でも大いに注目されたグレーバー『負債論』でも高く評価されている。本書は、その知られざる名著の待望の完訳。
  • 経済学の堕落を撃つ 「自由」vs「正義」の経済思想史
    4.3
    1巻1,045円 (税込)
    経済学は、なぜ人間の生から乖離し、人間の幸福にはまったく役立たなくなってしまったのか? 経済学の堕落の跡をたどると同時にその再生の可能を探る。「科学的客観性」「ヴァリューフリー」を標榜し、いつしか「人間の心」を失ってしまった経済学。19世紀後半ドイツにおいて始まった経済学「科学化」の動き。ハイエク、「ゲーム理論」、さらには「シカゴ学派」の「ゴッドファーザー」シュルツへと至る、極端な経済の自由化と「脱倫理化」の強化。そして「クズネッツ曲線」をめぐる「新自由主義」の欺瞞。その一方での、上記の流れに抗して「人間の顔をした経済学」を目指した、ポランニー、イリイチ、あるいはウォーラーステインら世界システム論者などにによる、経済学における「社会的公正」理念復権への模索。経済学の歩みを「自由」と「正義」という二つの相対立する思想の相克の歴史と捉え、21世紀の「来たるべき経済学」の可能性を探る。

ユーザーレビュー

  • 経済学の堕落を撃つ 「自由」vs「正義」の経済思想史

    Posted by ブクログ

    以下、内容についてのメモ。

    経済学の堕落 =「主流」とされる自由主義経済学の潮流が、(本来、政治とは切り離せない存在であるはずの経済学を)政治とはあたかも無縁のようなふりをして、次第に(定量的かつ還元主義的な性質をもつ)科学に服従していき、あげくもっぱら貨幣という数量的価値の辻褄を合わせようとする計算高く小賢しい優等生に堕してしまったこと。

    本来、経済学に求められるべき専門性とは、究極的には「人間や社会とは何か」をつきつめて考えることである。したがって、「人」および「生きること・暮らすこと」を中心とした議論の必要がある。
    人間の生存という観点から経済学を展開した一人にカール・ポランニーがい

    0
    2022年08月25日
  • 経済学の堕落を撃つ 「自由」vs「正義」の経済思想史

    Posted by ブクログ

    現在の経済学の在り方にはそれ菜ありの意義があるとは思うが、完璧なものではない。実際、私の見るところ実際の経済と経済学とは全くの別物だ。その認識に立って、経済学の在り方を考え続けることは非常に大切だ。その意味で、本書は貴重な試みであるといえる。

    0
    2022年07月31日
  • 大人のためのお金学

    Posted by ブクログ

    書店でふと知ってる先生の名前が見えて、お金のことに対しての苦手意識がそもそもあったことから即購入。さくっと読めてオススメ。

    義務教育で歴史の授業でやる内容に触れつつも分かりやすく噛み砕いてお金とは何かというものを説明している。お金の起源がよくあるとされている物々交換ではなく、本当は"誰かに借りがある"という貸し借りの関係(信頼関係)に由来するという説が面白いし、お金ってすごく現実的でドライなものだと思える今の社会に対するアンチテーゼのようで私にとっては本を通してなるほどと思えることも多く共感できることも多かった。

    あとは、義務教育で投機の授業がカリキュラムに組み込まれて

    0
    2024年04月22日
  • 経済学の堕落を撃つ 「自由」vs「正義」の経済思想史

    Posted by ブクログ

    経済とは経世済民の略語だった。今の経済学はそこを目指しているようには見えないけど。
    精妙な科学を目指した結果、経済学って「歯医者のような存在」になっていたんだね。もう一度「価値」の学問としての経済学に光があたって欲しいなぁ。

    0
    2021年02月21日
  • 大人のためのお金学

    Posted by ブクログ

    たしかに今、いろいろなメディアで「投資をはじめるなら今!」「新NISAが始まる!」など喧伝されており、投資に対する注目度は高まっている気がします。
    そのため中高生に金融教育を取り入れるのも納得できます。

    ただ、この本が主張するように、中高生が学ぶ金融教育は、既存の市場に既存の競争者がいて、投資家目線で金融商品を買い、お金を増やすといういわば銀行と同じ立場で投資をしましょう!と勧めるものになっており、競争者になって市場競争でお金を増やそう!という視点での教育ができていないことに、どこかモヤッとするものがあります。

    0
    2024年02月18日

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