あらすじ
お金って何?――子どもに聞かれて、どう答える?
現金にクレジットカード、「Pay」から「仮想通貨」まで、お金のあり方が多様化する現代。2022年からは「お金のリテラシー」を子どもに身につけさせるために、中学と高校で「金融教育」が始まった。しかし、学校でお金の授業を受ける機会がなかった大人は、どれだけリテラシーを身につけているだろうか。お金はどのように誕生したのか。資本主義の暴走で生まれた「お金主義」とは。その歴史をザックリたどりながら「市場」「資本」「投資」など数々の必須知識を身につける。「お金は自由に創造できる」「上手に増やそう、は恐ろしい」……お金の本質を知ることができれば、今の常識がくつがえる。子どもに教えたくなる新しいお金の教科書。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
書店でふと知ってる先生の名前が見えて、お金のことに対しての苦手意識がそもそもあったことから即購入。さくっと読めてオススメ。
義務教育で歴史の授業でやる内容に触れつつも分かりやすく噛み砕いてお金とは何かというものを説明している。お金の起源がよくあるとされている物々交換ではなく、本当は"誰かに借りがある"という貸し借りの関係(信頼関係)に由来するという説が面白いし、お金ってすごく現実的でドライなものだと思える今の社会に対するアンチテーゼのようで私にとっては本を通してなるほどと思えることも多く共感できることも多かった。
あとは、義務教育で投機の授業がカリキュラムに組み込まれていることを初めて知ったが、自分のお金は自分で増やすということを小さい頃から叩き込まれ、どれだけ儲かるかを考える練習をさせられるって大事なこととは言え、酷な社会だよなとは思った。
「自分が応援したい企業の株を選ぶ。そういうおカネの使い方をしていけば、本来の意味の社会的な投資になります。(中略)たとえ微力であっても、単に儲けを求めるのではなく、みずからが一員である社会の一角を変えていくことが、積もり積もれば大きな何かを変えていくのです。」
↑消費においては身に馴染んでいる考え方だけど、投資においても、と思うとさらにレベルアップすることになるな、など。
Posted by ブクログ
たしかに今、いろいろなメディアで「投資をはじめるなら今!」「新NISAが始まる!」など喧伝されており、投資に対する注目度は高まっている気がします。
そのため中高生に金融教育を取り入れるのも納得できます。
ただ、この本が主張するように、中高生が学ぶ金融教育は、既存の市場に既存の競争者がいて、投資家目線で金融商品を買い、お金を増やすといういわば銀行と同じ立場で投資をしましょう!と勧めるものになっており、競争者になって市場競争でお金を増やそう!という視点での教育ができていないことに、どこかモヤッとするものがあります。