左翼の逆襲 社会破壊に屈しないための経済学

左翼の逆襲 社会破壊に屈しないための経済学

1,045円 (税込)

5pt

3.7

コロナ禍が日本社会に与えた影響は計り知れない。特に経済では消費税増税と重なり大不況となっている。日本の支配エリートはコロナでもたない企業は潰れて良いと思っている現実。「高プロ」も愛国教育も、支配エリートの新「帝国主義」への布石だと喝破する松尾匡氏は日本のマルクス経済学者の白眉である。
松尾氏はこの悲惨な現実を読み解くにはマルクスの「疎外論」が重要だと説く。
本書では「生きているだけで価値がある」生身の具体的人間を主人公にして、制度や決まり事などの社会的なことが、その主人公からコントロールできなくなって一人歩きする事態を批判する。
ツールであったはずの制度や決まり事などの社会的なことが自己目的化し、生身の個人を手段化して踏みにじる、こうした事態を「疎外」と呼んで批判したのがマルクスの「疎外論」というわけです。
「支配階級」や「搾取」も「疎外論」から読み直すことを従来提唱してきた松尾氏は、生身の個々人のもとに経済のコントロールを取り戻すことが大切であり、社会全体で生身の個々人みんなの事情にマッチするように、社会全体の設備投資もコントロールする必要があると述べる。
まさにブレグジットの「コントロールを取り戻せ」です。
本書は、この考えのもと、レフト1・0、レフト2・0の思想を乗り越えレフト3・0の経済学の真髄を示す全く新しい社会変革の書である。

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左翼の逆襲 社会破壊に屈しないための経済学 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     この本は、予想以上に面白い本であった。
     現在日本では「左翼」がネトウヨ達から「パヨク」とか散々にこき下ろされており、政党支持率や選挙結果などもボロボロになっていますが、世界的にはイギリスのブレア政権、ギリシャの急進左翼連合、スペインのポデモス、アメリカのサンダース等の左翼はそれなりに支持を集めて

    0
    2021年01月10日

    Posted by ブクログ

    左翼って言葉を身の回りで聞かなくなって久しいよね。もちろん普段自分が身を置いている環境にもよるけどさ。
    今となっては右も左もなく、金儲けだけがすべての指針になっている世の中だからさ。
    「人は生きているだけで価値がある」の第1章には、「そうだそうだ」と思いながら頁を繰ったけど、「反緊縮」を訴えるあたり

    0
    2021年03月20日

    Posted by ブクログ

    わかりやすく、つながりやすく、腑に落ちるように・・と書いてあるのはよくわかるし、そもそも「生」が大事というところからの「左翼」の立場もわかるが、資本家だとか政治家とか特権階級とかいう言葉を用いてなにかを語ろうという時点で、そんなふうに普通の人の潜在心理の中にある「僻み」を増幅させて社会を転覆させよう

    0
    2021年01月19日

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