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冤罪連発の刑事訴訟、人権無視の国策捜査、政治家や権力におもねる名誉毀損訴訟、すべては予定調和の原発訴訟、住民や国民の権利など一顧だにしない住民訴訟、嗚呼(ああ)! 日本の裁判はかくも凄まじく劣化していた・・・。ベストセラー『絶望の裁判所』の瀬木比呂志教授が、中世なみの「ニッポンの裁判」の真相と深層を徹底的に暴く衝撃作! 裁判の「表裏」を知り抜いた元エリート裁判官による前代未聞の判例解説に法曹界騒然! (講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
最高裁長官はやめればただの人であり、矢口でさえ退官後はおおきな影響力を持ち得なかったと言われる。 千葉勝美が衆議院法務委員会で、名誉既存訴訟の賠償額高額化に言及した次の日に検討会が裁判所で開かれて高度化へ向かっていった。 地方議会による首長に対する債権放棄議決有効判決は千葉勝美であり、反対した須藤正...続きを読む彦に対して意見の中で激しく論難している。 光華寮訴訟においても、最高裁にこの件が係属してから外務省がしょっちゅう民事局長室に出入りして様々な申し入れをしていた。
絶望の裁判所も読みましたが、こちらの方が、よりインパクトがあり、問題を的確に提示していると感じました。特に、127ページで取り上げられている名誉毀損訴訟の統制については、表現の自由を擁護する立場から、私も問題意識を持ち続けてました。65ページからの冤罪問題も然り。広く読まれるべき本です。
2014年に同じ講談社現代新書で『絶望の裁判所』を発表した、元東京地裁、最高裁の民事系の裁判官による著作。 前著が、裁判所や裁判官制度のような制度面の問題を取り上げていたのに対し、本書では、裁判そのもののあり方について論じられている。 本書で著者は、 ◆裁判においては、裁判官による「判断」が先にあり...続きを読む、その判断の後付けによる検証、説明、正当化として「判決」が存在する。人間の一般的な思考は、まず結論があって後からその検証、理屈付けが行われるのであり、裁判の場合もその例外ではない。 ◆法的判断は、法をその枠組みとしながらも、本質的には、裁判官の個人的な価値選択・判断であり、その全人格の反映である。即ち、裁判官の価値観により判決は大きく異なり得るのであり、裁判官が「法」を作るとさえ言える。 ◆日本では、容易な身柄の拘束と密室における過酷な取り調べ、捜査・起訴等に関する強大な検察の権限とそれをチェックする適切な仕組みの不在、被疑者・被告人に対する一般の人々の無関心などが相俟って、冤罪が構造的に作り出されてきた。また、有罪率99.9%という実績が、裁判官に無罪判決を下すことを躊躇させている。 ◆最高裁判所事務総局は、下級審の裁判内容をコントロールしている。原告泣かせと言われた名誉棄損損害賠償請求は、政治家の圧力によりメディア等の被告の敗訴率が高まった。原発の運転差止め訴訟については、同事務総局は極めて露骨な却下、棄却誘導工作を行っていた。 ◆日本の裁判官の多くは「裁判を行っている官僚」であり、行政訴訟の勝訴率の低さ、憲法訴訟の扱いを見ると、裁判所は国民支配のための道具・装置であるとさえ言える。 ◆民事裁判の有力な解決方法である和解について、日本では、欧米諸国と異なる交互面接型で行われるため、裁判官により和解を強要されるケースが少なくなく、国際標準から大きく外れている。 などと述べ、袴田事件、恵庭OL殺人事件などの具体的な事件についても詳しく解説している。 日頃各種報道で様々な裁判に関わる事件・事象を目にしつつも、その判決の内容や背景を深く掘り下げて考えるための材料を持たなかったが、本書により、最終的な判断を下す裁判官の思考・判断の構造と、裁判の類型毎の特性や背景を網羅的に掴むことができ、今後の報道の受け取り方の一つのベースができたと思う。 それにしても、“法的判断は裁判官の全人格の反映である”という考えは、重みがあり、恐ろしくもある。 人が人を裁けるのか。。。司法の持つ根源的なテーマを改めて考えてしまう。 (2015年1月了)
日本人の法意識を読み、日本の裁判、裁判官のことがもう少し知りたくなり手に取って読んだ。 裁判所や裁判官は、良い意味で俗世間とは掛け離れた、天上人、のような漠然としたイメージを持っていたが、見事に打ち砕かれた☺️。 別世界にいるには違いないものの、それは狭い裁判所のヒエラルキーの元にガチガチに固められ...続きを読むた能吏との印象を持った。 西欧の裁判所制度と比べた記述には愕然とした。 でも、そうした結果は、私達国民の無関心によるものであることも認めざるを得ない。 ちょっと暗澹たる気がする。
読めば読むほど司法に対するイメージが最悪になっていく・・・ 要するに、戦後からのインフラがボロボロになってにっちもさっちもいかない困った困ったっていうのはどこでも同じで、それなりにごまかしてやれてるんだからこれからもごまかしてやればいいよね。 だって日常生活にいっぱいいっぱいでそんなことする余裕...続きを読むはないよ。 って感想かな。 確かに色々暗雲が立ち込めて絶望するのだろうけど、著者とわいでは立ってる位相がずれてる印象も受けた。 わいはすでに社会全般に絶望しつつある。
日本の裁判は「中世」並みだった! という見出しに思わず惹かれて手にしちゃいました。元裁判官が赤裸々に語る、裁判の裏側。なるほど、こういう状況だから「冤罪」というものが生まれるのか。。。 最高裁判所は「黒い巨塔(法服の色から)」という章も読んでいたら、もはや馬鹿らしい?恐ろしくて裁判なんてできないな...続きを読む。。。と思ってしまいます。しかし、いざ自分が裁判の当事者になったら、本当に正しい裁きをしてもらえるのだろうか。。。
『絶望の裁判所』の瀬木比呂志による第二弾。 『絶望の裁判所』は裁判所と裁判官に対する分析に対し、これは実際の判例の分析。 どちらも現行の日本の司法制度に対する絶望感と提言であるが、改めてそれを痛感した。
読み終わった、としたが、最後まで読むのは辛いので止めたというのが本当のところ。あまりにも酷い話が続々出てきて、現行のシステムを根本から再構築しないと、正義は行なえないと思ってしまう。ナントカしなくちゃいけないね。
元裁判官が明かす、日本の司法の実態。それにしても酷すぎますね、最高裁判所事務局官僚。権力の犬、手先と化してしまっています。そら鬱病になってしまう裁判官は当然出て来るでしょう。マインドコントロールされてしまって、事なかれ主義に走り、それはそれでよしとする裁判官の絶対数は増えるばかりでしょう。日本の正義...続きを読むを司る最高裁判所は先進諸国からバカにされても仕方ないですが、冤罪、そして、正義の裁判を受けられない日本国民はたまったものではありません(涙)
以前、「原子力ムラ」と言う言葉がメディアで話題になっていた。それと同様に「司法ムラ」と言うのがあるようだ。それは、裁判官の判決の下し方、最初から和解ありきのナンチャッテ裁判と言った具合に、裁判を受ける側を向いておらず、周りと上を気にした裁判で判決を下すことが多い。 以前、日本の刑事司法は中世並...続きを読むと言う批判を2013年5月にジュネーブの国際拷問禁止委員会で指摘された。それに対して「日本は刑事司法の分野で最も先進的な国の1つだ」と述べて、苦笑いされると「笑うな。シャラップ」と言って会場を氷つかせてあの雪の女王アナ真っ青の発言をした日本の人権人道担当大使がいた。あの一発芸で一世を風靡した「シャラップ上田こと上田秀明氏。日本の司法の意識を図らずも浮き彫りにした出来事だった。中世どころか古代と言ってもいい。 一度有罪にしたらなかなか間違っていて本当は無罪であってもなかなか誤りを認めない。認めると将来の出世に影響することを気にしているのか、組織の看板に傷がつくことを恐れているのかどうなのか。 えん罪に関して、著者はあるジャーナリストから恐ろしいことを聞いたと書いている。それは、「電車内で女性を含む怪しい集団に取り囲まれそうになったら、すぐに逃げないとだめです」と忠告されたそうだ。ホンマでっかTVで軍事評論家のテレンス・リーが同様のことを言っていたのを思い出す。こうやって都合の悪い人間をホワイトニングして社会から抹殺するのか。 裁判官が和解を勧めるのは、「和をもって貴し」と言う精神にのっとっているからではなく、自分たちの都合でやっているのが読んで見て浮き彫りになる。 内部にいた方でないとなかなか表に出ることのないことが書かれていてびっくりした。それと同時に背筋がぞっとした。やはり司法の世界は中世で時間が止まっているようだ。
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