ニッポンの裁判

ニッポンの裁判

小説・文芸
1,100円 (税込)

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冤罪連発の刑事訴訟、人権無視の国策捜査、政治家や権力におもねる名誉毀損訴訟、すべては予定調和の原発訴訟、住民や国民の権利など一顧だにしない住民訴訟、嗚呼(ああ)! 日本の裁判はかくも凄まじく劣化していた・・・。ベストセラー『絶望の裁判所』の瀬木比呂志教授が、中世なみの「ニッポンの裁判」の真相と深層を徹底的に暴く衝撃作! 裁判の「表裏」を知り抜いた元エリート裁判官による前代未聞の判例解説に法曹界騒然! (講談社現代新書)

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ニッポンの裁判 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    姉妹書『絶望の裁判所』が裁判所の組織や制度、そして裁判官の人格についての本だったのに対し、こちらは裁判所が下す判決が主な検討対象。刑事、民事、行政訴訟といった各分野の具体的な判決や判例の傾向が述べられる。

    そのぶん『絶望』に比べ、直感的におかしいと感じるというよりは価値判断の結果であり、今のような在り方の肩を持とうと思えば持てる部分もある。衝撃度は前作ほどではなかったと感じた。

    もっとも、終章である第8章からはグッと引き込まれた。これまで舌鋒するどく当局批判をしてきた著者の、裁判官時代に味わった痛みが、人間性が、いっぺんに吐露される。
    キャリアシステムから法曹一元制度への転換、弁護士や弁護士会、そして市民の意識変革の必要性など、内容の重要性もさることながら、私にとって最も印象的だったのは著者の人格的魅力だった。

    「私は、すでに一生分以上の自己規制をしてきたと思っていたので、転身の際には、今後は一切それをするまいと決心していたのである。」(274P)

    こういう著者の言葉は、瀬木氏のような有識者、志ある人間に向けるには失礼な表現かもしれないが、「告発」のような感じがする。
    私は理不尽に傷つけられた、それでも私は闘った。うつ病を発症しながら33年もの間裁判官を務め、今なお裁判官時代に下した悔いの残る判決を自らの十字架としている著者の、そうせずにはいられない心の叫びであり、断じて単なる恨み節ではない。

    著者自身がたびたび記しているように、瀬木比呂志という人間はデリケートな芸術家肌の人であり、その著作もさながら思想書のように、著者の人格や背景と共に理解すべきものなのだろう。瀬木氏の他の本もまだまだ読んでみたくなった。

    0
    2026年05月18日

    Posted by ブクログ

    最高裁長官はやめればただの人であり、矢口でさえ退官後はおおきな影響力を持ち得なかったと言われる。
    千葉勝美が衆議院法務委員会で、名誉既存訴訟の賠償額高額化に言及した次の日に検討会が裁判所で開かれて高度化へ向かっていった。
    地方議会による首長に対する債権放棄議決有効判決は千葉勝美であり、反対した須藤正彦に対して意見の中で激しく論難している。
    光華寮訴訟においても、最高裁にこの件が係属してから外務省がしょっちゅう民事局長室に出入りして様々な申し入れをしていた。

    0
    2017年07月05日

    Posted by ブクログ

    絶望の裁判所も読みましたが、こちらの方が、よりインパクトがあり、問題を的確に提示していると感じました。特に、127ページで取り上げられている名誉毀損訴訟の統制については、表現の自由を擁護する立場から、私も問題意識を持ち続けてました。65ページからの冤罪問題も然り。広く読まれるべき本です。

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    2016年07月16日

    Posted by ブクログ

    日本人の法意識を読み、日本の裁判、裁判官のことがもう少し知りたくなり手に取って読んだ。
    裁判所や裁判官は、良い意味で俗世間とは掛け離れた、天上人、のような漠然としたイメージを持っていたが、見事に打ち砕かれた☺️。
    別世界にいるには違いないものの、それは狭い裁判所のヒエラルキーの元にガチガチに固められた能吏との印象を持った。
    西欧の裁判所制度と比べた記述には愕然とした。
    でも、そうした結果は、私達国民の無関心によるものであることも認めざるを得ない。
    ちょっと暗澹たる気がする。

    0
    2025年02月20日

    Posted by ブクログ

    読めば読むほど司法に対するイメージが最悪になっていく・・・
    要するに、戦後からのインフラがボロボロになってにっちもさっちもいかない困った困ったっていうのはどこでも同じで、それなりにごまかしてやれてるんだからこれからもごまかしてやればいいよね。


    だって日常生活にいっぱいいっぱいでそんなことする余裕はないよ。

    って感想かな。
    確かに色々暗雲が立ち込めて絶望するのだろうけど、著者とわいでは立ってる位相がずれてる印象も受けた。
    わいはすでに社会全般に絶望しつつある。

    0
    2021年11月09日

    Posted by ブクログ

    日本の裁判は「中世」並みだった!
    という見出しに思わず惹かれて手にしちゃいました。元裁判官が赤裸々に語る、裁判の裏側。なるほど、こういう状況だから「冤罪」というものが生まれるのか。。。

    最高裁判所は「黒い巨塔(法服の色から)」という章も読んでいたら、もはや馬鹿らしい?恐ろしくて裁判なんてできないな。。。と思ってしまいます。しかし、いざ自分が裁判の当事者になったら、本当に正しい裁きをしてもらえるのだろうか。。。

    0
    2018年04月04日

    Posted by ブクログ

    『絶望の裁判所』の瀬木比呂志による第二弾。
    『絶望の裁判所』は裁判所と裁判官に対する分析に対し、これは実際の判例の分析。

    どちらも現行の日本の司法制度に対する絶望感と提言であるが、改めてそれを痛感した。

    0
    2017年11月04日

    Posted by ブクログ

    2014年に同じ講談社現代新書で『絶望の裁判所』を発表した、元東京地裁、最高裁の民事系の裁判官による著作。
    前著が、裁判所や裁判官制度のような制度面の問題を取り上げていたのに対し、本書では、裁判そのもののあり方について論じられている。
    本書で著者は、
    ◆裁判においては、裁判官による「判断」が先にあり、その判断の後付けによる検証、説明、正当化として「判決」が存在する。人間の一般的な思考は、まず結論があって後からその検証、理屈付けが行われるのであり、裁判の場合もその例外ではない。
    ◆法的判断は、法をその枠組みとしながらも、本質的には、裁判官の個人的な価値選択・判断であり、その全人格の反映である。即ち、裁判官の価値観により判決は大きく異なり得るのであり、裁判官が「法」を作るとさえ言える。
    ◆日本では、容易な身柄の拘束と密室における過酷な取り調べ、捜査・起訴等に関する強大な検察の権限とそれをチェックする適切な仕組みの不在、被疑者・被告人に対する一般の人々の無関心などが相俟って、冤罪が構造的に作り出されてきた。また、有罪率99.9%という実績が、裁判官に無罪判決を下すことを躊躇させている。
    ◆最高裁判所事務総局は、下級審の裁判内容をコントロールしている。原告泣かせと言われた名誉棄損損害賠償請求は、政治家の圧力によりメディア等の被告の敗訴率が高まった。原発の運転差止め訴訟については、同事務総局は極めて露骨な却下、棄却誘導工作を行っていた。
    ◆日本の裁判官の多くは「裁判を行っている官僚」であり、行政訴訟の勝訴率の低さ、憲法訴訟の扱いを見ると、裁判所は国民支配のための道具・装置であるとさえ言える。
    ◆民事裁判の有力な解決方法である和解について、日本では、欧米諸国と異なる交互面接型で行われるため、裁判官により和解を強要されるケースが少なくなく、国際標準から大きく外れている。
    などと述べ、袴田事件、恵庭OL殺人事件などの具体的な事件についても詳しく解説している。
    日頃各種報道で様々な裁判に関わる事件・事象を目にしつつも、その判決の内容や背景を深く掘り下げて考えるための材料を持たなかったが、本書により、最終的な判断を下す裁判官の思考・判断の構造と、裁判の類型毎の特性や背景を網羅的に掴むことができ、今後の報道の受け取り方の一つのベースができたと思う。
    それにしても、“法的判断は裁判官の全人格の反映である”という考えは、重みがあり、恐ろしくもある。
    人が人を裁けるのか。。。司法の持つ根源的なテーマを改めて考えてしまう。
    (2015年1月了)

    0
    2016年01月11日

    Posted by ブクログ

    読み終わった、としたが、最後まで読むのは辛いので止めたというのが本当のところ。あまりにも酷い話が続々出てきて、現行のシステムを根本から再構築しないと、正義は行なえないと思ってしまう。ナントカしなくちゃいけないね。

    0
    2015年06月09日

    Posted by ブクログ

    元裁判官が明かす、日本の司法の実態。それにしても酷すぎますね、最高裁判所事務局官僚。権力の犬、手先と化してしまっています。そら鬱病になってしまう裁判官は当然出て来るでしょう。マインドコントロールされてしまって、事なかれ主義に走り、それはそれでよしとする裁判官の絶対数は増えるばかりでしょう。日本の正義を司る最高裁判所は先進諸国からバカにされても仕方ないですが、冤罪、そして、正義の裁判を受けられない日本国民はたまったものではありません(涙)

    0
    2015年05月20日

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