【感想・ネタバレ】ニッポンの裁判のレビュー

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Posted by ブクログ 2017年07月05日

最高裁長官はやめればただの人であり、矢口でさえ退官後はおおきな影響力を持ち得なかったと言われる。
千葉勝美が衆議院法務委員会で、名誉既存訴訟の賠償額高額化に言及した次の日に検討会が裁判所で開かれて高度化へ向かっていった。
地方議会による首長に対する債権放棄議決有効判決は千葉勝美であり、反対した須藤正...続きを読む彦に対して意見の中で激しく論難している。
光華寮訴訟においても、最高裁にこの件が係属してから外務省がしょっちゅう民事局長室に出入りして様々な申し入れをしていた。

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Posted by ブクログ 2016年07月16日

絶望の裁判所も読みましたが、こちらの方が、よりインパクトがあり、問題を的確に提示していると感じました。特に、127ページで取り上げられている名誉毀損訴訟の統制については、表現の自由を擁護する立場から、私も問題意識を持ち続けてました。65ページからの冤罪問題も然り。広く読まれるべき本です。

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Posted by ブクログ 2016年01月11日

2014年に同じ講談社現代新書で『絶望の裁判所』を発表した、元東京地裁、最高裁の民事系の裁判官による著作。
前著が、裁判所や裁判官制度のような制度面の問題を取り上げていたのに対し、本書では、裁判そのもののあり方について論じられている。
本書で著者は、
◆裁判においては、裁判官による「判断」が先にあり...続きを読む、その判断の後付けによる検証、説明、正当化として「判決」が存在する。人間の一般的な思考は、まず結論があって後からその検証、理屈付けが行われるのであり、裁判の場合もその例外ではない。
◆法的判断は、法をその枠組みとしながらも、本質的には、裁判官の個人的な価値選択・判断であり、その全人格の反映である。即ち、裁判官の価値観により判決は大きく異なり得るのであり、裁判官が「法」を作るとさえ言える。
◆日本では、容易な身柄の拘束と密室における過酷な取り調べ、捜査・起訴等に関する強大な検察の権限とそれをチェックする適切な仕組みの不在、被疑者・被告人に対する一般の人々の無関心などが相俟って、冤罪が構造的に作り出されてきた。また、有罪率99.9%という実績が、裁判官に無罪判決を下すことを躊躇させている。
◆最高裁判所事務総局は、下級審の裁判内容をコントロールしている。原告泣かせと言われた名誉棄損損害賠償請求は、政治家の圧力によりメディア等の被告の敗訴率が高まった。原発の運転差止め訴訟については、同事務総局は極めて露骨な却下、棄却誘導工作を行っていた。
◆日本の裁判官の多くは「裁判を行っている官僚」であり、行政訴訟の勝訴率の低さ、憲法訴訟の扱いを見ると、裁判所は国民支配のための道具・装置であるとさえ言える。
◆民事裁判の有力な解決方法である和解について、日本では、欧米諸国と異なる交互面接型で行われるため、裁判官により和解を強要されるケースが少なくなく、国際標準から大きく外れている。
などと述べ、袴田事件、恵庭OL殺人事件などの具体的な事件についても詳しく解説している。
日頃各種報道で様々な裁判に関わる事件・事象を目にしつつも、その判決の内容や背景を深く掘り下げて考えるための材料を持たなかったが、本書により、最終的な判断を下す裁判官の思考・判断の構造と、裁判の類型毎の特性や背景を網羅的に掴むことができ、今後の報道の受け取り方の一つのベースができたと思う。
それにしても、“法的判断は裁判官の全人格の反映である”という考えは、重みがあり、恐ろしくもある。
人が人を裁けるのか。。。司法の持つ根源的なテーマを改めて考えてしまう。
(2015年1月了)

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Posted by ブクログ 2021年11月09日

読めば読むほど司法に対するイメージが最悪になっていく・・・
要するに、戦後からのインフラがボロボロになってにっちもさっちもいかない困った困ったっていうのはどこでも同じで、それなりにごまかしてやれてるんだからこれからもごまかしてやればいいよね。


だって日常生活にいっぱいいっぱいでそんなことする余裕...続きを読むはないよ。

って感想かな。
確かに色々暗雲が立ち込めて絶望するのだろうけど、著者とわいでは立ってる位相がずれてる印象も受けた。
わいはすでに社会全般に絶望しつつある。

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Posted by ブクログ 2018年04月04日

日本の裁判は「中世」並みだった!
という見出しに思わず惹かれて手にしちゃいました。元裁判官が赤裸々に語る、裁判の裏側。なるほど、こういう状況だから「冤罪」というものが生まれるのか。。。

最高裁判所は「黒い巨塔(法服の色から)」という章も読んでいたら、もはや馬鹿らしい?恐ろしくて裁判なんてできないな...続きを読む。。。と思ってしまいます。しかし、いざ自分が裁判の当事者になったら、本当に正しい裁きをしてもらえるのだろうか。。。

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Posted by ブクログ 2017年11月04日

『絶望の裁判所』の瀬木比呂志による第二弾。
『絶望の裁判所』は裁判所と裁判官に対する分析に対し、これは実際の判例の分析。

どちらも現行の日本の司法制度に対する絶望感と提言であるが、改めてそれを痛感した。

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Posted by ブクログ 2015年06月09日

読み終わった、としたが、最後まで読むのは辛いので止めたというのが本当のところ。あまりにも酷い話が続々出てきて、現行のシステムを根本から再構築しないと、正義は行なえないと思ってしまう。ナントカしなくちゃいけないね。

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Posted by ブクログ 2015年05月20日

元裁判官が明かす、日本の司法の実態。それにしても酷すぎますね、最高裁判所事務局官僚。権力の犬、手先と化してしまっています。そら鬱病になってしまう裁判官は当然出て来るでしょう。マインドコントロールされてしまって、事なかれ主義に走り、それはそれでよしとする裁判官の絶対数は増えるばかりでしょう。日本の正義...続きを読むを司る最高裁判所は先進諸国からバカにされても仕方ないですが、冤罪、そして、正義の裁判を受けられない日本国民はたまったものではありません(涙)

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Posted by ブクログ 2015年03月12日

 以前、「原子力ムラ」と言う言葉がメディアで話題になっていた。それと同様に「司法ムラ」と言うのがあるようだ。それは、裁判官の判決の下し方、最初から和解ありきのナンチャッテ裁判と言った具合に、裁判を受ける側を向いておらず、周りと上を気にした裁判で判決を下すことが多い。

 以前、日本の刑事司法は中世並...続きを読むと言う批判を2013年5月にジュネーブの国際拷問禁止委員会で指摘された。それに対して「日本は刑事司法の分野で最も先進的な国の1つだ」と述べて、苦笑いされると「笑うな。シャラップ」と言って会場を氷つかせてあの雪の女王アナ真っ青の発言をした日本の人権人道担当大使がいた。あの一発芸で一世を風靡した「シャラップ上田こと上田秀明氏。日本の司法の意識を図らずも浮き彫りにした出来事だった。中世どころか古代と言ってもいい。

 一度有罪にしたらなかなか間違っていて本当は無罪であってもなかなか誤りを認めない。認めると将来の出世に影響することを気にしているのか、組織の看板に傷がつくことを恐れているのかどうなのか。

 えん罪に関して、著者はあるジャーナリストから恐ろしいことを聞いたと書いている。それは、「電車内で女性を含む怪しい集団に取り囲まれそうになったら、すぐに逃げないとだめです」と忠告されたそうだ。ホンマでっかTVで軍事評論家のテレンス・リーが同様のことを言っていたのを思い出す。こうやって都合の悪い人間をホワイトニングして社会から抹殺するのか。

 裁判官が和解を勧めるのは、「和をもって貴し」と言う精神にのっとっているからではなく、自分たちの都合でやっているのが読んで見て浮き彫りになる。

 内部にいた方でないとなかなか表に出ることのないことが書かれていてびっくりした。それと同時に背筋がぞっとした。やはり司法の世界は中世で時間が止まっているようだ。

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Posted by ブクログ 2015年03月09日

この国の組織はほっておくとどんどん役所化していくのだろう。

体制側としては役所化した裁判所は何ら問題ないはず。

マスコミも役所化しているし。
変革するには我が国が最も苦手とする草の根運動しかないのか。

かの隣国の人治主義を嘲笑っている場合ではない。

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Posted by ブクログ 2015年02月23日

裁判所に対する見方として非常に参考になりました。判決などでなるほどと思えることがあるからです。変えていくことの難しさも感じていますが、自由にものを言える環境が何よりも必要です。そのために、果たすべき役割があることを再認識しました。

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Posted by ブクログ 2015年06月28日

「絶望の-」とは違い、個別の判例を中心に批判を展開している。こっちの方が受けそうだが、タイトルのインパクトが落ちてしまった。

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Posted by ブクログ 2015年04月08日

昨年話題になった「絶望の裁判所」の姉妹書。
その「絶望ー」は読んでいないのですが、本書でも語られるニッポンの裁判の現実は、かなり「絶望」的に感じられます。
以前から酷いのは漠然とはわかっていたが、改めて事細かに示されると、少々げんなりします。
いったいどうすればいいのだろう?
とりあえず、そのうち「...続きを読む絶望ー」も読んでみます。

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Posted by ブクログ 2015年08月29日

構造的に事なかれ主義・先例や権威追随志向の日本の裁判。高裁・最高裁とヒエラルキーが上がるにつれて、統治者としての仲間意識・権力擁護者・調停人の要素が強くなる。法と正義の番人ではなく、権力の番人、擁護者、忠犬。

株式会社「ジャスティス」のたとえ話が、わかりやすかったです。より良い司法が、より良い国で...続きを読むあるために必要であることが再認識できました。

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