土葬の村

土葬の村

1,045円 (税込)

5pt

これは恐らく、現存する最後といっていい土葬の村の記録である。
村人は、なぜ今も「土葬」を選ぶのか?

日本の伝統的な葬式である「土葬・野辺送り」が姿を消したのは、昭和の終わり頃とされている。
入れ替わるように火葬が増え、現在、日本の火葬普及率は九九・九%を超える。
土葬は、日本の風土から完全に消滅してしまったのだろうか。

筆者は「土葬・野辺送り」の聞き取り調査を三十年にわたって続け、平成、令和になっても、ある地域に集中して残っていることを突き止めた。
それは大和朝廷のあった奈良盆地の東側、茶畑が美しい山間にある。
剣豪、柳生十兵衛ゆかりの柳生の里を含む、複数の集落にまたがるエリアだ。

日本人の精神生活を豊かにしてきた千年の弔い文化を、まだ奇跡的に残る土葬の村の「古老の証言」を手がかりに、詳らかにする。

【本書の内容】
はじめに
第一章 今も残る土葬の村
第二章 野焼き火葬の村の証言
第三章 風葬 聖なる放置屍体
第四章 土葬、野辺送りの怪談・奇譚
おわりに

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土葬の村 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    京都府の南山城村で行われた土葬の事例をきっかけに、全国各地の(現代の習俗から言えば)風変わりな葬儀に関する風習を集めた本。わが故郷も平成初期まで土葬が残る土地であったので、父母の言い伝えと重なる部分も数多くあり大変興味深く読むことができた。

    0
    2025年08月09日

    Posted by ブクログ

    消えゆく土葬・風葬習俗の当事者の声を集めることにとどまらず、民俗学の体系の中でその位置付けと意味を考察する。死者を葬送するための儀式に遺族や村落共同体の生者が実務的、あるいは情緒的にどのような関わり方をしたのかがよくわかる。さまざまな意味でバランスがとれた良書。

    頭北面西のエピソードからは、宗教的

    0
    2025年04月26日

    Posted by ブクログ

    よくぞ書いてくださった。
    とても貴重な歴史的、民族的資料です。
    奈良県出身者としてお礼が言いたいです。

    祖父母は明治生まれ、昭和30年代の初め頃まで土葬は一般的だったように聞いていました。埋葬地不足で、なくなったのだと思ってました。確かに儀式に要する手間というのは、大変なものでしょう。

    それでな

    0
    2022年10月24日

    Posted by ブクログ

    人は死んだら焼かれて骨になります。

    当たり前と思われていますが、それは最近
    のことです。日本でも20世紀までは、土
    葬が一般的でした。

    現在では火葬率は99.9%だそうです。つま
    り100%ではないのです。

    土葬が行われているところがあるのです。

    この本はそのようなわずかに残る伝承と言
    って

    0
    2022年03月22日

    Posted by ブクログ

    「死んだら故郷の土に還りたい、それだけや」

    火葬以外に弔いの選択肢があるということ、またそれを選ぶこともできるということ。風葬や土葬は海外の文化だと思っていた。日本でもそういう弔いを選べるんだなあと。
    そういう選択肢を残そう・広げようとしている「土葬の会」もいい活動だなあと思う。
    死者の死後の幸福

    0
    2022年02月06日

    Posted by ブクログ

    本書が発売される以前、WEBで公開されていた著者の記事がとても印象的で、書籍化されたと知ったときは嬉しかったです。この記事をきっかけに、知人の実家で土葬が行われていたことや、土葬の村ならではのお墓参りのエピソードを聞くことができました。日本の、しかもとても身近なところで土葬の風習が残っていたとは想像

    0
    2021年05月10日

    Posted by ブクログ

    一章では奈良などに残る土葬の風習について、2章はほぼ消滅した野焼きの風習について、3章では風葬など沖縄諸島における葬送の風習について、最後の4章は土葬や野焼きにまつわる怪談や奇談をまとめたもの。
    まず、現代、しかも近畿地方に土葬の風習が残っていたことに驚く(とはいえ風前の灯火という感じみたいだが)。

    0
    2021年04月30日

    Posted by ブクログ

    現代の葬送の99%は火葬。しかし、火葬が主流になったのは明治以降。もっといえば、終戦以降と、ごく最近。

    本書がテーマにしている土葬は、最近まで(といっても、半世紀ほど前まで)普通に行われていて、現在でも、ごくわずかではあるが、土葬の風習があるという。

    もちろん、憲法や法律でも、土葬は禁じられてい

    0
    2021年04月08日

    Posted by ブクログ

    ベースは民俗学だけど、終活に興味がある人が読んでも面白い。現代の視点から語られているので、単なる昔ばなしではなくどのように今にいたるのか、今、葬式や埋葬方法についてどう考えるかというヒントを投げかけているように感じた。民俗学は今をいかに生きるかという学問なんだというわかりやすい例かも。

    印象に残っ

    1
    2021年06月26日

    Posted by ブクログ

    瀬戸内の離島の祖父が亡くなったのは40年ほど前。既に土葬ではなかったが、当時は自宅で通夜葬儀を営み、座敷縁側から出棺して、野辺送りが行われたことを覚えている。
    昨今は小さなお葬式、家族葬、直葬なんて言葉が飛び交っているが、暮らし方、住まい方、人との付き合い方も変わる中、弔いの儀式はどう変化するのだろ

    0
    2025年05月25日

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