作品一覧

  • お葬式の言葉と風習 柳田國男『葬送習俗語彙』の絵解き事典
    4.0
    かつて日本では自宅で葬式をし、野辺送りで火葬場や埋葬地に向かい、火葬や土葬をするのが普通だった。本書は柳田國男『葬送習俗語彙』(昭和12年刊)に出てくる言葉の中から約180を選び、著者自身の聞き取り調査を盛り込みながら切り絵とともに解説。各地の葬送習俗に使われる言葉は隠語が多く、何を指すのか分からない。その言葉を解き明かしながら伝統的な葬送の風習を見つめ直す。著者自身による切り絵も不思議な魅力。
  • 土葬の村
    4.1
    これは恐らく、現存する最後といっていい土葬の村の記録である。 村人は、なぜ今も「土葬」を選ぶのか? 日本の伝統的な葬式である「土葬・野辺送り」が姿を消したのは、昭和の終わり頃とされている。 入れ替わるように火葬が増え、現在、日本の火葬普及率は九九・九%を超える。 土葬は、日本の風土から完全に消滅してしまったのだろうか。 筆者は「土葬・野辺送り」の聞き取り調査を三十年にわたって続け、平成、令和になっても、ある地域に集中して残っていることを突き止めた。 それは大和朝廷のあった奈良盆地の東側、茶畑が美しい山間にある。 剣豪、柳生十兵衛ゆかりの柳生の里を含む、複数の集落にまたがるエリアだ。 日本人の精神生活を豊かにしてきた千年の弔い文化を、まだ奇跡的に残る土葬の村の「古老の証言」を手がかりに、詳らかにする。 【本書の内容】 はじめに 第一章 今も残る土葬の村 第二章 野焼き火葬の村の証言 第三章 風葬 聖なる放置屍体 第四章 土葬、野辺送りの怪談・奇譚 おわりに
  • 死出の門松<こんな葬式がしたかった>
    3.0
    「自宅マンションから旅立ちたい」「エンバーミング技術で美しい死に顔に」「夫人の亡骸と最後の晩餐を」人生の最後にあたり大切な人のために残された者ができること、してあげたいこと。葬儀を行わないという選択や近年増加する生前葬について。お寺に収めるお布施のあれこれ。身元不明者の葬儀や孤独死の送り方など、著者が葬儀屋さんに聞いた実例を元に真摯にしかし軽妙な筆致で葬儀について考える。(講談社文庫)
  • お墓は、要らない
    4.0
    墓石だけでも平均170万円かかる「○○家の墓」。一方で散骨(自然葬)、手元供養といった、お墓を作らない葬送が注目されている。“家墓”はいつ生まれ、そしてどこへ行くのか。これからの供養の形とは? 墓を通じて日本人の死生観が浮き彫りになる。

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ユーザーレビュー

  • 土葬の村

    Posted by ブクログ

    京都府の南山城村で行われた土葬の事例をきっかけに、全国各地の(現代の習俗から言えば)風変わりな葬儀に関する風習を集めた本。わが故郷も平成初期まで土葬が残る土地であったので、父母の言い伝えと重なる部分も数多くあり大変興味深く読むことができた。

    0
    2025年08月09日
  • 土葬の村

    Posted by ブクログ

    消えゆく土葬・風葬習俗の当事者の声を集めることにとどまらず、民俗学の体系の中でその位置付けと意味を考察する。死者を葬送するための儀式に遺族や村落共同体の生者が実務的、あるいは情緒的にどのような関わり方をしたのかがよくわかる。さまざまな意味でバランスがとれた良書。

    頭北面西のエピソードからは、宗教的行為からその意味が剥落して民間習俗に浸透していくダイナミズムが伝わってくる。非常に興味深い話だった。

    人や共同体の思考様式が合理化すれば消滅するであろう伝統的な土葬の風習が、その最期を迎える前にこのような記録として残ることは望ましいのことのように思う。細かな記法や、節の順序で事実と考察の部分を書き

    0
    2025年04月26日
  • 土葬の村

    Posted by ブクログ

    よくぞ書いてくださった。
    とても貴重な歴史的、民族的資料です。
    奈良県出身者としてお礼が言いたいです。

    祖父母は明治生まれ、昭和30年代の初め頃まで土葬は一般的だったように聞いていました。埋葬地不足で、なくなったのだと思ってました。確かに儀式に要する手間というのは、大変なものでしょう。

    それでなくても故郷のお弔いの儀式は、やる事が多い。これからは段々と簡略化していくことでしょうが。

    埋葬とは別の話ですが、私の親や祖父母など一族は誰も鶏肉を食べないのです。何故だか誰もわからなかったのですが、この本で氷解しました。

    0
    2022年10月24日
  • お葬式の言葉と風習 柳田國男『葬送習俗語彙』の絵解き事典

    Posted by ブクログ

    全国各地のお葬式にまつわる言葉と風習の解説。
    三津田信三さんの著作の参考文献から本書を知り購入。
    もし自分が子供の頃、ここに書かれていたような風習が身近にあったらどう感じていただろうか…。
    そう想像してみると、田舎の風習が出てくる怖い話に強く惹かれるあの気持ちになる。

    京都府南山城村のタタリの山といわれる、カンオケ山、ヨメトリ山、カカトリ山の話、これは怖い話でもお馴染みの入山すると祟られる山が、実際にあることがわかった(タタリが本当かはさておき)。ぜひ行ってみたい。

    辻ろうそく
    実際に見たら幻想的なんだろうな。その場面を想像すると、怖い話の生まれるのもわかるような気がする。

    湯灌は洗うこ

    0
    2022年07月18日
  • 土葬の村

    Posted by ブクログ

    人は死んだら焼かれて骨になります。

    当たり前と思われていますが、それは最近
    のことです。日本でも20世紀までは、土
    葬が一般的でした。

    現在では火葬率は99.9%だそうです。つま
    り100%ではないのです。

    土葬が行われているところがあるのです。

    この本はそのようなわずかに残る伝承と言
    ってもいい風習を追います。

    さらに土葬以外でも風葬や、現代の火葬と
    は異なる野焼き火葬などの、失われてしま
    った葬儀風習を伝えます。

    面白いのは日本全国の葬儀形態は千差万別
    ですが、現代まで伝わっている「縁起が悪
    いこと」は共通しているところです。

    お通夜から帰ったら玄関で塩で清める、な
    どはその

    0
    2022年03月22日

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