加須屋誠の作品一覧
「加須屋誠」の「地獄めぐり」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「加須屋誠」の「地獄めぐり」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
本書は地獄絵図をもとに昔の人々がどのような気持ちで地獄をイメージし、またそのイメージを鑑賞してきたのか、を楽しく解説。筆者いわく、地獄とは、
このいわば「内なる異国」とは、暴力やエロスといった原初的な欲動であり、それらは、同じく私たちの心のうちに宿るところの自尊心とか正義感とか道徳性とかといった、いわば自己規制によって抑圧されている。
ところだそうだ。そんなふうに考えてみると、地獄も一気に身近に感じる。
また天保年間の水野忠邦による緊縮財政時代には、天国から仏たちが地獄に攻めてきて、地獄を征服し、地獄運営の事業仕分けを行なって仏世界に資金を調達したお話もできたとか。その時々の時勢を反映した
Posted by ブクログ
怖がりながらも、何故こんなにも地獄に惹かれてしまうのか。
その答えは地獄が語られ絵姿として残されるようになった昔から映像化できるようになった今になっても、本質的には変わっていない。
暴力とエロス、それは誰もが心の内に持っているものだから。
無意識に暴力を振るう側に感情移入し、振るわれる側にも感情移入してしまう。
いや、興奮してしまうと言っていいか。
表裏一体、切り離すことが難しいのだろう。
地獄からまさか自身の内面を見つめ直すことになろうとは、予想してなかった。
地獄にまつわるあれこれが詰まった一冊、侮ることなかれ。
それだけ地獄は奥深く、それでいて近い場所にあるのだから。
Posted by ブクログ
ぱっと開くとまず目に飛び込んでくるのが、河鍋暁斎の「地獄太夫と一休」の絵である。
怪しげな魅力はその顔貌だけではなく、着物もそうなのだが…
10頁、「聞きしより見ておそろしき地獄かな」という句に対し、「いきくる人もおちざらめやは」と返す。
さすが太夫だけあって、理知的で、機智にとんだ女性のようだ。
そんな彼女は、自らの死体を打ち捨てさせ、どんな美女でも死ねばこうなると、「無常」を男たちに見せることによって、性的欲望を収めようとした、と語り継がれるが、はて。
それはどうかな、と女の私は思うのだ。
そんな菩薩のような思いではなく、哀れみとも、嘲りとも言える思いがあったのではないか。
地獄には暴力