加須屋誠のレビュー一覧

  • 地獄めぐり

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    本書は地獄絵図をもとに昔の人々がどのような気持ちで地獄をイメージし、またそのイメージを鑑賞してきたのか、を楽しく解説。筆者いわく、地獄とは、

    このいわば「内なる異国」とは、暴力やエロスといった原初的な欲動であり、それらは、同じく私たちの心のうちに宿るところの自尊心とか正義感とか道徳性とかといった、いわば自己規制によって抑圧されている。

    ところだそうだ。そんなふうに考えてみると、地獄も一気に身近に感じる。
    また天保年間の水野忠邦による緊縮財政時代には、天国から仏たちが地獄に攻めてきて、地獄を征服し、地獄運営の事業仕分けを行なって仏世界に資金を調達したお話もできたとか。その時々の時勢を反映した

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    2020年06月23日
  • 地獄めぐり

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    この本、面白いなぁ。しかし、地獄は嫌や。痛いことばっかりやん。ここによく出てくる「往生要集」めちゃ、怖いやん。

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    2020年09月12日
  • 地獄めぐり

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    怖がりながらも、何故こんなにも地獄に惹かれてしまうのか。
    その答えは地獄が語られ絵姿として残されるようになった昔から映像化できるようになった今になっても、本質的には変わっていない。
    暴力とエロス、それは誰もが心の内に持っているものだから。
    無意識に暴力を振るう側に感情移入し、振るわれる側にも感情移入してしまう。
    いや、興奮してしまうと言っていいか。
    表裏一体、切り離すことが難しいのだろう。
    地獄からまさか自身の内面を見つめ直すことになろうとは、予想してなかった。
    地獄にまつわるあれこれが詰まった一冊、侮ることなかれ。
    それだけ地獄は奥深く、それでいて近い場所にあるのだから。

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    2020年02月09日
  • 地獄めぐり

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    ぱっと開くとまず目に飛び込んでくるのが、河鍋暁斎の「地獄太夫と一休」の絵である。
    怪しげな魅力はその顔貌だけではなく、着物もそうなのだが…
    10頁、「聞きしより見ておそろしき地獄かな」という句に対し、「いきくる人もおちざらめやは」と返す。
    さすが太夫だけあって、理知的で、機智にとんだ女性のようだ。
    そんな彼女は、自らの死体を打ち捨てさせ、どんな美女でも死ねばこうなると、「無常」を男たちに見せることによって、性的欲望を収めようとした、と語り継がれるが、はて。
    それはどうかな、と女の私は思うのだ。
    そんな菩薩のような思いではなく、哀れみとも、嘲りとも言える思いがあったのではないか。

    地獄には暴力

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    2020年02月08日
  • 地獄めぐり

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    taknalで出会った本。かつての人たちが地獄に対して持っていたイメージの変遷や、地獄絵の読み解き方など、興味深かった。本書のタイトル通り、地獄を順番に回る「地獄めぐり」が中盤にあり、その絵もカラーで紹介されているため、途中で体力が尽きてちょっと読書休憩したりして。
    地獄絵は「悪い人たちが行くところ」という戒めのために描かれたのではなく、私たちの内なる暴力とエロスへの衝動を投影しているという解釈、なるほどと思った。

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    2021年03月04日
  • 地獄めぐり

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    <目次>
    はじめに
    第1章   地獄の誘惑
    第2章   地獄へ旅立つ
    第3章   地獄をめぐる
    第4章   閻魔王の裁き
    第5章   地獄絵を観た人たち
    第6章   地獄からの生還者たち
    第7章   地獄の衰退と復興

    <内容>
    興味を持っていたが、授業の中で地獄の話をしたため、結局購入した本。地獄の啓蒙書というよりも、地獄を題材に授業をした記録という感じかな?興味深い点もあったが、地獄の紹介という点では、ちょっと物足りなさもあった。もうちょっと八大地獄とか紹介してほしかった。

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    2019年08月31日
  • 地獄めぐり

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    日本仏教的な地獄のありさまを、図版を用いつつ、閻魔王など住人含めてわかりやすく解説している。
    数頁に一枚必ず図版が掲載されているので、飽きにくいのが良い。

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    2019年08月23日
  • 地獄めぐり

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    地獄を扱った日本の古典文学、絵画がどのように解釈されて、受容されたか?怖いもの見たさや、己を知れ的な意味、権力者にとっては支配の範囲の確認。寺にとっては、地獄から蘇る話を流布することでご利益がある。

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    2019年07月15日