やっとトランプ現象がわかってきたような。。。
というか、冷戦後の世界政治が理解できなくなっていたのが、ようやくわかってきたような。。。
いやいや、80年代の新自由主義のあたりからわからなくなっていたのが、ようやくわかってきたような。。。
ともすれば、日本とか、アメリカとか、ある国で今なにが起き
...続きを読むているかという状況論的な話にちょっと歴史的な経緯を解説するというようなものになりそうなテーマなんだけど、これは、冷戦後の世界で起きていることをかなり包括的に、ロジカルにまとめたもので、相当の説得力をもった議論だ。
国によって、時代によって、その意味する内容がかなり違うにもかかわらず、戦後の世界で広く共有された理念であったリベラリズムが退潮していった理由をしっかりおさえ、なぜ権威主義的な政治が立ち上がっているのかを論じている。そして、その展開として、歴史認識の問題やテロリズム、ヘイトクライムなどについても、一貫性をもって解説していく手際はお見事。
とくに、新自由主義とナチズムの類似性の指摘は、驚きつつ、なるほどな論立てだったな〜。(まだ、納得まではしてないけど)
現実をしっかりおさえつつ、さまざまな学術研究や理論的、哲学的な議論を振り返りつつ、いわゆる「現実」の分析だけにとどまらず、社会構成主義的な視点も踏まえつつで、すごいな〜、と感動を覚える。
これだけの内容が300ページ強の新書におさめられているので、ページごとの情報の凝縮度は高い。多分、単行本、3冊くらいで扱うような内容だと思う。専門的な知識がないと読めないほどには難しくはないと思うけど、読み通すには一定のパワーがいるかも。