「わび・さび」「数寄」「まねび」……この国の<深い魅力>を解読する!
独自の方法論で日本文化の本質を見通す「松岡日本論」の集大成!
お米のこと、客神、仮名の役割、神仏習合の秘密、「すさび」や「粋」の感覚のこと、「まねび」と日本の教育……断言しますが、日本文化は廃コンテキストで、一見、わかりにくいと見える文脈や表現にこそ真骨頂があるのです。(「はじめに」より)
<本書のおもな内容>
・なぜ日本はヤマトと呼ばれるのか
・神さまをカミと呼ぶようになった理由
・日本人のコメ信仰にひそむ背景
・日本人が「都落ち」にダンディズムを感じる理由
・日本人が七五調の拍子を好むわけ
・世阿弥が必要と考えた「物学」の心
・今の時代に求められる「バサラ」と「かぶき者」
・「伊達」「粋」「通」はなぜ生まれたのか ほか
<本書の構成>
第一講:柱を立てる
第二講:和漢の境をまたぐ
第三講:イノリとミノリ
第四講:神と仏の習合
第五講:和する/荒ぶる
第六講:漂泊と辺境
第七講:型・間・拍子
第八講:小さきもの
第九講:まねび/まなび
第一〇講:或るおおもと
第一一講:かぶいて候
第一二講:市と庭
第一三講:ナリフリかまう
第一四講:ニュースとお笑い
第一五講:経世済民
第一六講:面影を編集する
Posted by ブクログ 2023年01月06日
哲学、文学、歴史、伝統芸能、舞台、音楽、漫画、アニメetc...と、この一冊を読むだけで松岡氏のカバーレンジの広さに圧倒される。
特に音楽やアニメ、漫画などは最近のものもしっかりと押さえていることに驚愕するとともに、そんな松岡氏だからこその多角的な視点から日本というものを考察した本作は、わかりやすい...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月30日
ニホンとニッポンの呼び方や侘び寂びの意味など、普段自分が何気なく使っている言葉について、語源をたどりながら解説されていて日本について少し知ることができた。
日本は同調圧力が強く単一民族だから多様性がないと思っていたけれどそうではないことを知った。
縄文時代以降、稲・鉄・漢字の登場によって、さらにそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月21日
久しぶりによむ松岡正剛さんの日本文化論。
新書なの気軽に読み始めたのだが、350ページくらいで厚めで、16の角度から日本文化に接近していて、内容的もかなりの圧縮度で、読み終えるのに数日を要した。
松岡さんの仕事をそんなにおかっけているわけではないのだが、これはちょっと日本文化論の集大成なんだろう...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月08日
日本文化を本当に伝えることができているか?
本書の掲げる問いに、ちょっと虚を突かれた思いがする。
内村鑑三、岡倉天心、西田幾多郎など、恐ろしく外国語が堪能な人々が、それでも伝えられないと思い至ったギャップとは何だったのか。
俄然そんなことが気になってくる。
それにしても。
相変わらずこの人の持つ情...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月11日
「知の巨人」と言えば立花隆氏となりますが、最近は、松岡正剛氏ではないかと思うようになりました。「千夜千冊エディション」では、膨大な書物のエッセンスを抽出し、編集工学研究所で「編集」をテーマに活躍されています。そもそも、この人の読書量は並ではない…。
「知の編集術」以来、久しぶりの新書書き下ろし版が...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月25日
日本文化、芸術、システム工学に詳しい著者が、日本文化の根幹にあるものについて述べた本。「柱」「結び」「神」「間」「家」など、カギとなる言葉について解説しながら、日本文化の核心に迫っていく手法をとっている。もちろん明確に核心が示されているわけではないが、おぼろげながら感じることができる程度の理解であろ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月10日
久しぶりに手にしたセイゴウ本は、新書とは思えない高密度。「ハイコンテキストで、一見、わかりにくいと見える文脈や表現にこそ真骨頂がある」日本文化を、自ら考案した10数種類の「ジャパン・フィルター」を手がかりに読み解こうという試み。
博覧強記、縦横無尽、硬軟自在…セイゴウ本を読むと、こんな言葉が頭に浮...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年03月22日
松岡正剛(1944年~)氏は、編集工学研究所所長、ISIS編集学校校長。2000年から続く書評サイト「千夜千冊」(最新で1736夜)は、本好きで知らぬ人はいない有名サイトである。「千夜千冊」は、2006年に求龍堂から全8巻で一括して出版されたほか、2018年より角川ソフィア文庫から「千夜千冊エディシ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月28日
今の日本のアレコレの起源から現代にいたるまでの流れを読み解くことで、日本文化の真髄に迫ろうと試みる本。
これが始まりだったのか、と目から鱗だったり納得するものが多い。
しかし後半になればなるほど、「現代にはその良さは失われている」と懐古主義的な結論になることが多く、いち若者としては首を傾げるばかりだ...続きを読む