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「花鳥風月」に代表される日本文化の重要な十のキーワードをとりあげ、歴史・文学・科学などさまざまな角度から分析、その底流にひそむ「日本的なるもの」の姿を抉出させる。著者一流の切り口が冴えわたる、卓抜の日本文化論。
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Posted by ブクログ
正直、良く理解できなかった。もちろんこれは私めの理解力不足に起因するものではあるとは思う。 一つ一つの章はまあ難しいというわけではなく理解可能な範囲ではあるのだが、総体として何が言いたいのか。カルチャーセンターでの「イメージの誕生」という講座を元にしているとのことで、講座自体を聞いていればもう少し判...続きを読むったのかもしれないのだが。 章立てされた一つずつのコンセプトは理解できるが、それが花鳥風月ということばで表現されるモノのコンセプトとしてどうまとめ上げられているのかが理解できません。かなりこった章立て「山 道 神 風 鳥 花 仏 時 夢 月」に編集の妙があるのだと思うのですが、もうこの順番が判らない。 まあ、そういうことですがとりあえず知識は増えます。
「『花鳥風月』に代表される日本文化の重要な10のキーワードを取り上げ、歴史・文学・科学などさまざまな角度から分析、その底流にひそむ『日本的なるもの』の姿を抉出させる。」(解説より) 難しかった…。
花鳥風月は、『美しい自然の景色やそれを重んじる風流を意味する。』と ウィキペディアには書いてある。 日本の文化の 象徴的な言葉として使われる。 読み始めると、 『花鳥風月の科学』は、ミステリーのような展開となる。 女性のあわれ、無常で死ぬ。 男のアッパレ、戦場で死ぬ。 おなじことなのだとはじまる...続きを読む・・・対。 山、道、神、風、鳥、花、仏、時、夢、月 の10個のワードを 多面的にとらえていく、 それが、重層的な展開になり、 万葉の世界から、中国、インドまでまきこんで、 日本の中に流れ込んだ文脈を説明し、科学する。 山への畏怖。 道がつながり、まじわる情報が流れる。 神が音づれる。マレビトのおとづれ。 見えない風をみる。言葉は風にまう『言の葉』。 鳥を追いかける。神の使い。 花は 咲く、サキ、エネルギーのぎりぎりが。 仏、釈迦そしてダルマロード。 時は、ウツロイ。間も時をあらわす。 そして、夢で、それまでの言葉たちが、集合し、 真と片とになる。パリティの崩壊が片を求める。 そして、月を狂おしく想う。 時間と空間を駆け巡り。 花鳥風月の宇宙が広大な視野で眺めることができる。 私は、読み終わって、 また、山の上に立って、同じように繰り返して読み始める。 このループは、きわめて心地がいい。 『見わたせば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕ぐれ』 藤原定家 花が一面咲いている ピンク色に染まっている山と・・・ 紅葉で真っ赤に燃える山と・・・ 夕暮れにくれなじんで、オレンジ色に輝く山が・・ 一瞬にしてみることができる。 この感性のすばらしさに・・・ただただ、茫然とする。
多少全員に読みやすいわけじゃないので星4つ。セイゴーせんせに怒られそうではあるが。 日本文化のなんとなく知ってると思っているが説明できないようなもやもやしたものをキーワード(山、道、神、風、鳥、花、仏、時、夢、月)に分けて原初をたどりつつ意味を理解しその現代における意味を探るって云う。セイゴー入門...続きを読むとしてはやさしい の かな。我々の普段埋没している所作や土地や廃れてしまった風習やそんな中にある意味やなにかを明晰な言語で再構成してくれる本(たぶん)。ただ『再構成してあげよう』というサービス精神ではないところは注意。日本再認識、というには全体の情報量が膨大なので見返しつつ理解という感じではありますが、いろんなものの見える意味が変わって見えることは確実かな と。個人的にはまれびとの下りと『佐伯』氏の話あたりがたいそう印象に残っています。
「花鳥風月に遊ぶ」ということが今日では役に立たない趣味の世界の話だと思っている人にこそ読んでほしい一冊。 例えば、「景気」「経営」といった経済用語ももとをたどれば山水画用語。 日本人の行動(流儀)の裏には、実は、花・鳥・風・月といったコードが仕組まれている。そのコードの意味を知ることは、日本人と...続きを読むしての自分の行動を知ることでもある。 経営者、社員、専門職、専業主婦(夫)など・・である前に、日本人である自分のもつ能力について、気づきを与えてくれるガイド本です。
花鳥風月について科学的に考えてみるって。ちょっと百科事典ぽい。ボクたちが感じる風流だとかワビサビだとかは外国人にとって一番理解しにくい感覚である。というか説明が困難。本書はそれを説明してあげている。と思いきや。植物と人間の酷似している所。「両方とも立っている所」それはそう。もっと酷似しているのはボク...続きを読むたちの血の分子構造は中心が鉄。植物はマグネシウム。あとはまったく同じポルフィリンという構造。とか。本棚に一冊あるとなかなかいい。
日本人としての原風景の アイコンが意味するものが書かれている。 アイコンをつないで、 日本人のメンタリティの背景を 紐解こうというもの。 情報多し。 日本人として何がどうなって、 今にいたってるのか、 ワタシたちって、 そもそもどう考えたり、 どう感じるものなのかを 改めて、考えさせられます。 ...続きを読む 熟読すべし。
山・道・神・風・鳥・花・仏・時・夢・月の10のキー・ワードをとりあげ、それらの概念を中核にして著者の日本文化が語られている本です。 「編集工学」という立場を提唱する著者は、自然史ないし宇宙史を、情報の編集のプロセスとして理解する発想にもとづいて、日本文化においてどのようなしかたで情報の編集がなされ...続きを読むてきたのかということを考察しています。 「あとがき」で著者は、多くの日本文化論が日本礼讃と日本批判の両極に分かれてしまうことへの危惧を語ります。そのうえで、「いちいち“お里”を調べあうだけでは社会文化の本質は見えてはきません」と述べて、「氏」ではなく「育ち」に注目することで、あらたな日本文化論の視座を打ち出すことができるのではないかという主張を提出します。 本書では、「花鳥風月」に代表される日本文化の中核的な概念を、日本に到来するさまざまな情報を編集する方法ととらえ返すことによって、こうした日本文化論の陥ってきた隘路を打ち破り、風通しのよい議論がなされるためのフィールドを切り開いているところに、本書の大きな特徴があるように思います。
「山」「神」「風」などモチーフごとに章立てされていて、楽しく読める。絵や俳句が趣味の人にはおすすめ。
タイトルが駄目。タイトルが内容とまったくあっていない、あるいはほんの一部分しかあらわしていないのが残念。「科学」と表現する必要があるのか?という。 カルチャーセンターの講座の記録がもとだということで[p429]、全体的に思いつきのエッセイのような記述が納得。 日本文化の歴史的な起源、発祥からみる...続きを読む(「山」から「都」へ[p16]など)だけではなく、科学的なエピソードもエッセイ的に取り込みながら、「景気」を盛りあうためのコミュニケーション様式、ユーザーインターフェースである「花鳥風月」に迫る。「隠れた次元」[p58]を浮き彫りにするよう。 まさに知識人?で、一つのことに対して芋づる式に別の事柄が接続していく(「わたしはそれ[※『かげろふ日記』の作者が美人だということ]を知ったときにすぐに『五番町夕霧桜』の佐久間良子を思い浮かべた」[p370]など)。 「はか」[p368]など、ことばをとりあげる箇所の多くが煩わしく感じる。しかし、「ウツる」というのが「移る」写る」「映る」であることから「花鳥風月」は「連続的に映し写されていくイメージの切れ目のない移行性」なのだ[p318]と重要な側面がいわれる。 また、「ここ」から「むこう」(ほか)へ過ぎ去っていく時間を獲得するための容器、「器」(ウツわ)[p329]などの示唆。 カルチャーセンターの記録がもとのまとまりのなさで、弱いか。
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花鳥風月の科学
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