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新自由主義の台頭で日本社会に格差が定着した。非正規労働者層が誕生し、人口の三割が経済的理由から家庭を持つことができないという、膨大な貧困層を形成した。人々は格差の存在をはっきりと感じ、豊かな人々は豊かさを、貧しい人々は貧しさをそれぞれに自覚しながら日々を送る。豊かさの程度によって日本はすでに分断され、「新しい階級社会」が成立しているのだ。最新の調査データが物語る、現代日本の恐るべき現実!!
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Posted by ブクログ
アンダークラスは唯一激増している階級で構想に関わることができず労働に意味を感じること、やりがいを感じること、労働を通じて自己実現可能かが難しくなっている。 自分と違う立場にたってこの社会を見つめていきたい
格差を認識しているのは主にアンダークラス(負け組)であること。 “自己責任論”はアンダークラスが自分自身をさらに追い詰めてしまうイデオロギーであること。 “新中間階級”の親に育った子どもが“新中間階級”になれず、強い敗北感を感じていること。 女性は、結婚相手の階級に依存せざるを得ないこと。 書かれ...続きを読むていた内容が、共感できることばかりで、 そして、誰にも言えなかったことばかりで、 言えたとしても、負け組同士で愚痴り合うことしかできなかったことばかりで、 なぜ、こんなに私たちのことをわかってくださるのだろう、と。 “アンダークラスの労働も評価されるべき。” 誰も言ってくれないことを、なぜ言ってくださるのだろう、と深く感銘を受けた。
「橘玲/言ってはいけない 残酷すぎる真実」を読んだ時と同じような気分になるが、良書、ただこれだけの分析が出来た上で、今後の対策がこれなのは現状の問題の深さをより深く感じました。
各階層の分断が進んでいる現状を各階層の認識調査を用いて説明しているので、わかりやすい。分断が進んで貧困層が見えずらくなっているのがよく分かる。 ただ、格差解消に向けた提案がなされている(ベーシックインカム、資産税など導入、固定資産税増税など)が、政策に興味を示すのは貧困層の人々ではないので、支持を得...続きを読むにくく、実現困難と考える。 個人的にも支持しない。
とても丁寧な本。統計数値を一つずつ確認して日本社会に存在する格差の姿を確認していく姿勢がとても几帳面で信頼感がある。その書き方ゆえに退屈な印象だったり、面白くないと感じるかもしれないが、こういうテーマなので丁寧さは欠かせないと思う。 そういう手順で導かれたのが、 「格差是正ー平和主義ー多文化主義...続きを読むの立場と、格差容認ー軍備重視ー排外主義の立場こそが、論理整合的な左派と右派の立場だと考えられてきたといっていい。」しかし「こうした構図はかなり崩壊している」。 ということだ。 つまり、社会の底辺で格差是正を求めるアンダークラスが、軍備重視・排外主義の傾向を示している。「ファシズムの萌芽?」とも表現されている。 後者の傾向を最も示しているのが自民党であり、ゆえにアンダークラスが反自民とはならずにいる。しかし自民党こそが格差容認を進めてきたのであって、そこにねじれがある。 このことを、感覚的な話ではなくデータをもって解きほぐしたのが本書の最大の功績かと思う。
資本家階級、新中間階級、正規労働者、アンダークラス、旧中間層に区分けして、多くのデータにより日本の就業者の状況を分析している好著だ.旧中間層は戦後間もない時期に最大の割合を占めていた農民層と自営業者層だが激減してきた.問題はアンダークラス 非正規労働者だ.5つの階層は2015年前後でそれぞれ 4.1...続きを読む, 20.6, 35.1, 14.6, 12.9%だ.新中間階級は、穏健保守、自民支持のコアグループ、リベラル派に分けられ、それぞれ 38.8, 14.4, 46.8%だとの分析が面白かった.格差社会の克服には、アンダークラスと新中間階級のリベラル派を結集する新しい政治勢力の形成が必要だとの主張があったが、今の政治家にはあまり期待できない感じだ.
各種調査をもとに、日本社会を「資本家階級」「新中産階級」「正規労働者」「アンダークラス」「旧中産階級」の五つの階層にわけて分析している。 階級によって、身長や体重が変わってくるのも意外だった。 (予想どおり、アンダークラスが一番うつ傾向が高い。) 「一般的にいえば、構想に関わる労働は、自らの意思...続きを読むを実現することのできるやりがいのある労働である。これに対して実行のみにかかわる労働は、人の手足となって行う労働であり、労働それ自体に意味を感じることが難しい。マルクスはこのような労働を「阻害された労働」と呼んだ。」 第5章の「女たちの階級社会」は17階層にわけて女性を分類しており、これは分析しづらそうだ、と思う。 階層間の移動が減り、階層が固定化されているという議論は予想どおりだったけど、アンダークラスの思想傾向が予想外だった。 他の階層では「所得再分配」と「排外主義反対」がむすびついているのに対し、アンダークラスでは、「所得再分配」と「排外主義賛成」が結びついているのだった。 「追い詰められたアンダークラスの内部に、ファシズムの基盤が芽生え始めているといっては言い過ぎだろうか。」という著者の懸念は納得できる。
今自分が置かれている状況、日本の状況が数字で書かれており、ある程度理解できた。今後の洗濯をする上で自分の立ち位置を少しは意識することができるようになったと思う。
現在の日本社会に格差があるのは明らか。 それも結構細分化された階層構造になっていると思うのだが、著者は客観的なデータをもとに検証し、格差・自己責任論・所得再分配をどう統合していけばよいのか、あるべき国の姿を提唱する。 そも格差ひとつとっても、格差などないんだとする層も一定数存在するのが現実だ。すでに...続きを読む格差は再生産されており、このままでいいはずがない。
所得格差に触れる本はたくさんあるが、これは世帯所得に対して男女による分析行うなど詳細なデータがあり説得力があった。今日の日本の問題である累進課税や消費税に関する問題による階級の継続性の考察は他の本とあまり差はないが、政治的思想の分析は興味深かった。自己責任論と格差拡大の認識、この2つは重要なキーワー...続きを読むドとなる。確かに自分も自己責任論は支持する傾向にあったが、格差拡大の認識でその意識も変わった。これを政治的に反映できる政党があれば。。。
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新・日本の階級社会
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橋本健二
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