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ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の違いって何? エルサレムはなぜ特別なの? イスラエルはどうやって建国されたの? パレスチナの少年アリとユダヤの少年ニッシム、そしてエルサレムの猫。二人と一匹が旧約聖書の時代から続く大問題をガイドする。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
タイトルに“まんが”とあるので、一般的なコマ割りしてある漫画を想像していましたが、文章よりイラストの比率多め余白多めで、とっつきやすい解説書といったところでしょうか。複雑で長い、ユダヤ人とパレスチナの地の4000年の歴史を分かりやすく説明してくれる良書です。“理解したい気持ちはあるけれど、難しいからどうしようかな”と思っている私みたいな(?!)大人に最適。
ユダヤ人のニッシムくんとパレスチナ人のアリくんの2人の対話形式。時々、ねこちゃんも登場して楽しく読めます。宗教の解説のところは私には難しくて2度読みしました。パレスチナ問題の大枠を理解できとても良かったです。知識の整理ができただけでなく、ハッとさせられる記述がありました。以下、記します。
・宗教は人間の最善の部分を引き出すように作られているはずだけど、時として、人間の一番邪悪な部分「憎しみ」を引き出しちゃう
・民族意識なんて、血やDNAの問題じゃなくて、教育や環境によって作られちゃう
・民族紛争解決のポイントは、「憎しみや恨みを忘れて、テロと報復の連鎖を断ち切ること」と、「隔離や分離をしないで他民族が平和に融合した社会を目指すこと」
本書を知ったのは、確か昨年。(20年も前に出版されているのですが)読もうと思ったもののそのままで。ヒボさんのレビューで、“いつ読むの、今でしょ!”となって、読むことができました。きっかけを、ありがとうございました。合わて“続”もあることを知り、少しずつ読んでいます。
Posted by ブクログ
この本のエピローグの部分を読んでいた時、少しだけ涙ぐみそうになりました。
ユダヤ人の少年とパレスチナ人の少年が、それぞれの歴史や宗教を辿る一冊。紀元前から9.11の影響についてまでの歴史がまとめられています。タイトルには「まんが」とありますが、まんがというよりかは挿絵くらいの理解の方が近いでしょうか。
少年二人の対話と、解説役のねこの説明を中心に進んでいき語り口は平易で読みやすかった。それに近現代の歴史だけでなく神話や紀元前、三大宗教の話もあり、パレスチナに関する情報も網羅されていて、これ一冊で2023年のイスラエルとガザの問題の根源にあるものはある程度理解できるのではないかと思います。
神話から9.11までたどっていくため、情報量が非常に多くかったので自分には一読ですべてを理解するのはちょっと難しかったです。ただ先に書いた通り平易で読みやすい語り口なので、なにかわからないことや、忘れたことがあれば気楽に読み返すことができるのもいいと思いました。
オスロ合意というのは、名前はなんとなく知っていたけどこの本を読んで、この時のパレスチナの人たちの希望を想像してしまいました。そして2024年5月現在のイスラエル・ガザの現状を見ていると、このオスロ合意のときにもっと何かできたことはなかったのか、と少し思ってしまう。
報復の連鎖と絶望で過激派に走るガザの若者たち。ホロコースト以降、自衛のため強硬になっていくイスラエルの右派たち。そしてつくられたヨルダン川西岸とガザの壁は、進撃の巨人よろしく、人間を壁の中に閉じ込め天井のない監獄を完成させてしまいました。
この本は、最後に二人の少年に関する意外な事実が明らかになり閉じられます。自分はこのフィクションの部分の希望と美しさと、日々流される現実のあまりの救いなさに苦しくなったのだと思います。
今回のイスラエルの侵攻が終わった時、世界各国は何を思い、イスラエルは何が変わるのか。過去にも、いま起こっていることにも何も関われないけど、そのことを注視することだけは忘れないでいたいと思います。
Posted by ブクログ
最近良く聞くパレスチナ問題というものについて、恥ずかしながら本当に全く分かっていなかったのですが…
まんがならまだいけるか、と思い読み始めたところ、やはり絵が多いのとそれに伴って文量が少ないもんで、するっと読める。んですがだからといってボリュームが少ないなんてことはなく。
それこそ聖書の時代、紀元前から続くまさに歴史! というようなストーリーが展開されてまして、この問題、こんな根深いもんだったのかと。
また、まんがパレスチナ問題、というタイトルのまんがの部分。ストーリーについてもエピローグで意外な展開を見せてまして、そこに作者の思いのようなものも感じられ、そこもまた感慨深かった。
パレスチナ問題についてだけでなく、そもそも歴史ってジャンルはこんな面白かったのか、という気付きがあり、ちょっと学び直してみようかなぁなんて気になりました。
次は続〜の方も読んでみようかと思います。
Posted by ブクログ
4日間の戦闘休止…
そんなさなか、ようやくちゃんと学ぼうとしている。
あるワイドショーで「ガザでの戦闘について自分には何ができると思うか」というアンケートをとったところ、48%が「歴史を学ぶ」と回答したという。過去に読んできた本でイスラエル・パレスチナ問題に触れたものはあったが、正直説明できる自信がない。
歴史すらしっかり学べていなかったことになる。
タイトルの「まんが」はコマで分けられたものではなく、各ページイラストを使って解説していくスタイル。
ユダヤ人のニッシムとパレスチナ人のアリ少年、エルサレムに住むネコがタイムトラベルをしながら解説役にまわり、時にはその時代の代表者も話に加わったりする。
この2人と1匹がとにかく優秀!
解説は簡潔明瞭でありながらきめ細やかであるため、出来事が順番にインプットされていく!「日本一わかりやすい」と帯に書いてあったけど、自分も忘れた時にはまた本書を読み返せば良いと思っている。
アリ君はちょっぴり激情型だけど、美辞麗句でごまかすよりもあれくらい赤裸々な方が逆に信用できる。「これが彼らの本音なのかな」って。
古代エジプト王朝が各地の部族を征服・統合してもファラオは彼らの部族神を抹殺しなかった。
しかしユダヤ人は自分たちの神(ヤハベ)以外を認めず、遂にはモーゼと共にエジプトを脱出した。ニッシム少年曰く、ユダヤ教には選民意識がありユダヤ人でなければヤハベの恩恵は受けられないとのこと。
上記を知るまでユダヤ人を悲劇的な民族の代表格みたいに思っていたけど、パレスチナ人も相当理不尽な目に遭っている。
第一次大戦が終わりイギリスがユダヤ人を無制限でパレスチナに移民させて以降、パレスチナ人はヨルダン川西岸やガザ地区で難民生活を強いられている。挙句の果てにはイスラエル入植地を守るという名目で、パレスチナ側に大きな壁まで造られてしまった。(流れがアメリカ先住民と入植者みたいで、どこでも似たようなことが起こるんだな…)
隣国同士の少年を解説役にあてた理由が、この辺でよく分かった。
「テロリストを作るのは貧困じゃないんだよ。絶望なんだ」
「(民族的憎しみが)まるで歴史的事実で、人の力ではどうにもならないもののように思われてる。だから、世界のどこかで民族紛争が起きると、[中略]民族を引き離すことしか考えない」
平和への鍵は各民族が共存できる世の中。
エジプトの多神教社会も他の神を受け入れ、中には習合させたりもした。スペインのイスラム王国である後ウマイヤ朝でも国民の60%は異教徒だったという。
風通しをよくすることで人も国も豊かになるというのに、何故わざわざ絶望させる方を選ぶのか。
鍵の形は分かっているのに誰も先へ進もうとはしない。
歴史はある程度学べたが、何故足踏みするのか疑問が後を引いている。ここは<続>に託そう。
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