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Posted by ブクログ
「内戦=国内の権力闘争」という見取り図に、対外環境という電流を流し直す本だった。倭国大乱や邪馬台国・狗奴国戦の段階から、鉄資源や流通、そして魏・呉の勢力関係が陰に差し込み、以後の争乱も"内側だけで完結しない"ことを丁寧に配置していく。
丁未の乱(物部戦争)を宗教対立の物語だけで終わらせず、百済を介した先進文化導入と外交路線の衝突として見る整理は、通説を壊すというより、動機の層を厚くする方向で効く。
とりわけ壬申の乱は、皇位継承の争いに「白村江後の軍国体制」という圧を重ね、天智朝の強権化への反発として描ける点が刺激的だった。さらに不破道・鈴鹿山道の封鎖が勝敗を決めたという戦略面は、政治と軍事を"道・関・兵站"で接続する創作の手がかりになる。
概説ゆえ個別事件の一次史料深掘りは目的外だが、古代から中世黎明までの争乱を、外交・制度・動員の視点で縦に貫く補助線として、創作者にも研究読書の入口にも使いやすい一冊。権力闘争の「なぜ」に、外からの圧と内なる利害を同時に重ねたい人に届く。
Posted by ブクログ
神話の時代から後三年の役までの日本国内の内戦の歴史を概説しつつ、古代日本人が島の外に比べて比較的平和に事を収めてきた、しかし武士が政治の中心となって、ついには尚武の国へと変貌していった、と論じている。記録でも発掘調査でも凄惨な殲滅戦の形跡が見つからないとはいえ、古代日本人が筆者がいうほど平和的だったとはすぐには首肯できない。結果的には平和な人々だったかもしれないが、言葉や身なりのまったく違う連中が押し寄せて来なかったから平和でいたれただけなのではないか。元寇や黒船来航などで拒絶反応として尚武に傾いたのは人や社会として無理もなかったのでは、と思うのだが、どうだろう。
それはさておき、大河ドラマに道長が主人公になることはない、と後書きに書いた6年後の2024年大河ドラマの時代考証のオファーを受けた時の筆者の思いはいかばかりだったろうか。
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島国である日本は地政学的に外部からの攻撃を受けにくく、また外部への攻撃もしにくいという特色がある。加えて、天孫降臨以降の天皇を中心とした統治がなされ、ある意味絶対的な存在に歯向かう輩も現れにく状況でもあった。そのため、意外に思うが日本では内戦は少なく、あっても規模は小さく穏やかであったという。なるほどと思いながら読んだのだが、分かったのはここまで。専門的過ぎてついていけなった。自分の中で、古代の内戦(外部との戦争も含めて)は穏やかなものだったというが、明治以降の戦争は規模は大きいし、残虐性も増しているのはなぜかという疑問がわいた。著者も同じようなことを考えたようで、あとがきに書かれていたことに共感した。
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