民主主義とは何か

民主主義とは何か

979円 (税込)

4pt

トランプ大統領をはじめとする「ポピュリスト」の跋扈、旧社会主義諸国および中国など権威主義国家の台頭など、近年の世界の政治状況は、民主主義という制度の根幹を揺るがすかのような観を呈しています。日本の状況を見てみても、現行の政権が「民意」の正確な反映、すなわち「民主主義的な」政権だといわれると、頸をかしげる人も少なくないのではないでしょうか。はたして民主主義はもう時代遅れなのか? それとも、まだ活路はあるのか?
それを議論するためには、まず何よりも、民主主義とは、そもそもどのような制度なのかを「正しく」知らなければならないでしょう。今では自明視されている「民主主義」という制度ですが、人が創ったものである限りそれもまた歴史的な制度として、さまざまな紆余曲折を経て現在のようなものになったのであって、決して「自然」にこのようなになったわけでではないのです。
そこで本書では、ギリシア・アテナイにおける民主主義思想の「誕生」から、現代まで、民主主義という制度・思想の誕生以来、起こった様々な矛盾、それを巡って交わされた様々な思想家達の議論の跡をたどってゆきます。その中で、民主主義という「制度」の利点と弱点が人々にどのように認識され、またどのようにその問題点を「改良」しようとしたのか、あるいはその「改革」はなぜ失敗してしまったのかを辿ることにより、民主主義の「本質」とは何なのか、そしてその未来への可能性を考えてゆきます。
またあわせて、日本の民主主義の特質、その問題点についても分析してゆきます。
民主主義という思想・制度を知るための、平易な政治思想史の教科書としても最適です。

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民主主義とは何か のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年06月28日

    「ためになる新書」という意味では今まで読んだ中で一番と言ってもいい本。

    日本政治学会の理事長も務めるフランス政治思想の第一人者、宇野重規が民主主義の視点から政治思想史の流れを過不足なくまとめた良書。
    新書というジャンルは基本的に読み捨て前提で多読するものと思っているが、この本に関しては珍しく他の本...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月06日

    民主主義について書かれた本。

    民主主義は独裁と異なり、成長していくものである。何故ならば、民主政治において、人々は主体性を持ち、責任を感じながら、意思決定をしていくことが求められるからだ。著者は民主主義について明確な定義をしていない。しかし、民主主義に関しては肯定的な意見を持っているように思われる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月28日

    民主主義とは何か、を正面から考えまとめられた本です。結論としての「公開による透明性」「参加を通じての当事者意識」「判断に伴う責任」は、いずれも当たり前に見えてしまいますが、そこに至る様々な経緯、民主主義に対する厳しい現実と批判、解決への困難性を読むにつれ、それでもこの3つは大事にしなくてはならないも...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年12月24日

    そもそも政治にあまり興味がなかったが、あんまり政治に興味がなくてもいけないだろうと思ってこの本を読んでみた。民主主義とは何か、というタイトルから、民主主義というものについてざっくり何かが掴めるかと思ったが、この本を読んでわかったことは「難しい」ということであって、前以上に掴めなくなった。この本によっ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年12月15日

     「民主主義について過不足ない本を書いてみたい」という著者の思いが見事に実現した良書です。既に、2021年度の石橋湛山賞を受賞し、書評等でも高評価になっていますが首肯できる内容です(この一冊で、大学のテキストにもなるくらいコンパクトかつ親切なつくり)。政治思想史とも言え、古代ギリシャから現代までの考...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年11月04日

    タイトルの通り、民主主義とはなんなのか、その概説を記したものとして傑作です。間違いなくマスターピースの一つでしょう。学生から大人まで、初学者にお薦めです。

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    Posted by ブクログ 2021年10月09日

    民主主義について、古代ギリシアから現代までに至る変遷を、丁寧にまとめた本。その時代毎の人々の言説をもとに分析しているので、変遷がよく分かる。

    この本の「民主主義」を、橋場弦氏の「参加と責任のシステム」として捉えている。この考え方は明快で、普段からも意識したいものだと思った。

    難しかったが、もう一...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年09月26日

    とりあえず、受験生は読んでおこう。公民はもちろん、世界史や日本史、現代文や小論文、面接対策にも有効。

    民主主義を「参加と責任のシステム」と捉えて、その難しさと可能性を歴史的変遷を踏まえて明快に伝えてくれる。
    考えさせられるのは、どのようにすれば民主主義を信じられるようになるのか、ということ。一言で...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月24日

    面白かった。参加と責任のシステム。トクビィル、アーレント、レッシグなど、知ってる人が出てきたのが、安心して読めて良かった。ジェズスの反乱など、アメリカ法で学んだことが出てきたり、違う角度から複数回触れることで理解につながる、ということを感じれた。
    細かく分けて民主主義を実践してその結果を上に上に持ち...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月04日

    民主主義とは何か。に答える本。
    全員参加、直接議論に理想を掲げつつも、代議制、議院制といった一見民主ではない手法を迎えて今なおあるべき姿を模索している過程であるというのが読み終えた後の所感。民主主義が市井の民に政治の知識、意識要求するものであり、現実(そのような市井が稀有である)と相反するところから...続きを読む

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