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30万部超『ふしぎなキリスト教』でおなじみ、ふたりの社会学者が、痛快無比に語り尽くした「新・日本史」! 土器、古墳、ひらがな、源氏物語、日本刀、安土城、国学……なぜ日本人は、かくもユニークな文化を生み出せたのか? 日本史にまつわる疑問18個を真剣に議論することで、日本の特異さやおもしろさ、現代に生きる日本人の「由来」がどんどんわかる。それによって、私たちは自信を取り戻して元気になれる!
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Posted by ブクログ
18の歴史的なテーマに沿ってお二人が対談によって検証を深掘りする。ひとつひとつが簡単なテーマではないことに加え、前提として要求されている知識があり、日本の歴史を一定程度理解していないと付いていくことが難しい。然るに半分しか解らなくても通読の意義は大いにある、充実した内容。
・日本の歴史を多角的に分析。歴史的にみて天皇制が無くなるかもしれないタイミングはいくつかあったが亡くならなかった理由など非常に興味深い。このような解釈もあるんだね。視野が広がる
碩学の二人の対話は巧みなプレイヤーのジャズのように,お互いのフレーズを巧妙にアレンジしてさらに深い点にのめり込むといった,読んでいてぞくぞくするような場面が続出.例えば,幕藩体制の定義で,戦国時代が平和の裏に伏流している という表現は通常の歴史書には出てこない.さらに幕藩体制の政治原理に朱子学を持っ...続きを読むてきたがうまくいかず,儒教と仏教をうまくミックスした という説.江戸時代の武士の正統性を何に求めるか苦労したこと 等々.非常に楽しく読めた.
二人の非常に知的で好奇心溢れる対談が読むことができた。 改めて日本という国の特異性が浮き立つ議論だと思った。
「ふしぎなキリスト教」の社会学者二人が日本の歴史に語り合った内容をまとめた本。 歴史の流れに従って書かれているけれど、それぞれの時代の中での天皇の位置づけの変遷が興味深い。 「あさきゆめみし」だとか「世に棲む日日」を最近読んだっていうこともあるけれど。カミの子孫であったり、お飾りであったり、神輿にの...続きを読むせられたり。 学生の頃、歴史の授業で習った単語が出てくるけど、そういった点を線で結ぶ作業もしないとな。
元気と言えば、「元気ですか~」のあの赤いマフラーをした萌える闘魂が浮かんでくる。とはいっても本書にあの人は登場しない。日本人のルーツと価値観や行動様式はどうなのかと言ったことを探っていくことで「二十一世紀を生きる日本人、元気の源」を見ていこうという趣旨で書いたそうだ。 読んでいくと不思議に...続きを読む思っていたことが次々と出ている。日本の土器は、世界で一番古いのか、大きな古墳が造られたのか、貴族なるものが存在するのか、など。 新書の割には分厚いが、読み進むのに苦労はしない。『歴史上の出来事を、社会学の方法で、日本のいまと関連させるsディかtが出掘り下げた」とあるので、カビの生えた歴史にはならない。
不思議なキリスト教と同じようなスタイルの本。正統性の確保にいかに腐心してきたかという観点が一貫して底流に流れている。基本的には長く続いているものに依拠するのが日本で、唯一その文脈から外れるのが織田信長。信長が天下をとった日本をみてみたい。
『ふしぎなキリスト教』でおなじみの橋爪氏・大澤氏の対談。古代から幕末に至る日本史の特色を語りつくす。 興味深い内容が多いが、僕が特に印象に残った点をいくつか列挙したい。 1、武士とは馬を飼い、操る技術に習熟した人々であったという事。そのような人々が荷役や商人の護衛をしつつ実力をつけていった、という...続きを読む説。「馬」という動物を中心にす据えて武士を論じるというのは新しい視点だと感じた。 2、藤原薬子の乱は貴族が武器を取って戦った最後の戦いであること。承久の乱は天皇と武士が真っ向からぶつかった初めての戦いで、武士が勝利したという意味で画期的だった・・・等々。歴史に関する知識を増やすことができた。 3、信長のこと。安土城のデザインから、信長は天皇を安土に招くことを構想していたらしい。「招く」というのは目上のものが自分より下の者に対して行う事。つまり信長は天皇を下に見ていた、という事。信長の天皇観は大いに議論されているが、この考えは面白い。 4、秀吉については、「いつ信長が死んでもいいように準備していた。だからあんなに早く動けた」と書いている。常にあらゆる場面を想定していた、ということは信孝や柴田勝家は秀吉の中では常に「敵」だったのか。そう考えると秀吉は恐ろしい男だ。 5、江戸時代は流動性のある社会だった?武士から商人、、商人から武士という階級を超えた移行はできなかっただ、同じ階級内の流動性はあったという。大抵の農民が一生に一度は江戸に行ったことがある、というのも驚きの説。 『ふしぎなキリスト教』もそうだが、この二人の対談は非常にわかりやすい。読みかけて挫折した『おどろきの中国』にももう一度挑戦しようかと検討している。
グローバル化が進む世の中で、日本ってそもそもどういうものか?を考えた時に参考になると思います。 縄文~明治維新まで、日本のガラパゴスっぷりがよくわかる対談でした。
【あくまで論として、自由対談として読まれるのがベターです】 「ふしぎなキリスト教」がベストセラーとなった社会学者の橋爪大三郎氏と大澤真幸氏のタッグが、今回は日本の歴史をテーマに対談形式で論じ合った本です。橋爪氏と大澤氏が、日本の歴史にまつわる18の疑問トピックについて、互いの領域の知識・アイデアを総...続きを読む動員して解剖していきます。話題は縄文・弥生時代から平安・戦国、そして江戸・明治時代までと、広くカバーされています。なぜ大きな古墳が作られたのか?なぜ日本には幕府が存在したか?なぜ信長は安土城を立てたか?など、選ばれているトピックもシンプル明快で、全編通して知的好奇心をくすぐるやりとりが進んでいきます。 対談形式の読みものとしては、終わりまでとても面白く読み通せました。特に、日本の歴史に対する視点の置き方、光の当て方が独特です。歴史を学ぶ時には正面から「何があったのか、そしてどうなったのか」を覚えたり理解するに留まることが多いですが、この対談のアプローチは「なぜそうなったのか、どういう位置づけと意味を持つのか」をヨコからナナメから切り崩していく印象で、新鮮に感じました。また、対談者お二人の知識や発想も型にはまらず、様々な一見関係のない考えや出来事を糸でつないでいく作業も非常に面白いです。 ただ、読まれる際には次の点を留意されると良いかと思います。 ・タイトルが「日本論」となっているように、話される内容すべての根拠やデータが明確・正確なわけではなく、むしろ内容の大半が対談者の知識に基づく推察や仮説、アイデアによるものです。仮説の上に仮説を乗せるような空中戦のような展開もありますので、正しい正確な歴史を本書に求めてしまうと、真偽の?の連続で、なかなか前に進めなくなるかもしれません。へー、そんなこともあるのか、ぐらいに力を抜いて読むのがベターです。(論、としたのは「ふしぎな〜」で一部誤りが多いと批判を受けたため?というのは邪推かもしれませんが) ・同じく、内容はとても面白いですが、読後、得たものが何かの役に立たつかといわれると少し微妙ではあります。トピックも本当に絞られていますので、当たり前ですが各時代を網羅したものではありません。また、「げんきな」とのタイトルですが、読み終わって、日本の価値観を知って活力を得る、というような感じはありませんでした。ハイコンテキストな葛藤の多い歴史を良くぞ紡いでつないで来たな、というしみじみとした思いは湧きましたが。 ・論調は基本言い切り型なので、わかりやすい反面、多少引っかかるところもありました。 例えば、冒頭まえがきで「歴史教員や歴史学者が歴史を理解していない」とバッサリ断言されていましたが、少なくとも私が中学から大学まで歴史を教わった方々は、大半がダイナミックで面白い時代や人々の数々を情熱を込めて教えてくれましたし、そこで興味関心が大きく膨らみました。確かに社会学のアプローチは新鮮ですが、敢えて歴史学者をことさら否定する必要はないのでは、、?と少し疑問でした。 以上、細かい点は色々あるものの、全体通して面白く読み進むことのできる一冊です。
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