作品一覧

  • 日本の先史時代 旧石器・縄文・弥生・古墳時代を読みなおす
    3.6
    1巻1,034円 (税込)
    日本史の教科書で最初に出てくる、旧石器・縄文・弥生・古墳時代。三万六〇〇〇年に及ぶ先史の時代区分は、明治から戦後にかけて定着していった。しかし近年、考古学の発展や新資料の発掘に伴い、それぞれの時代の捉え方は大きく塗りかえられている。本書では、各時代の「移行期」に焦点を当て、先史の実像を描き出す。人びとの定住、農耕の開始、祭祀、「都市」の出現、前方後円墳の成立――。研究の最前線を一望する決定版。
  • 弥生時代の歴史
    4.0
    1巻935円 (税込)
    AMS炭素14年代測定に基づき、水田稲作の開始は従来よりも500年早かったとした国立歴史民俗博物館の研究発表は当時、社会的にも大きなセンセーションを巻き起こしました。発表時には当時の常識からあまりにもかけ離れていたために疑問を呈する研究者も数多くいましたが、その後、測定点数も4500点ほどまでにと飛躍的に増加を遂げ、現在では歴博説の正しさがほぼ確定されています。では、水田稲作の開始が500年早まると、日本列島の歴史はどのように書き換えられるのでしょうか。一言で言えば、「弥生式土器・水田稲作・鉄器の使用」という、長らく弥生文化の指標とされていた3点セットが崩れ、「弥生文化」という定義そのものがやり直しになったと言うことです。この3つは同時に導入されたものではなく、別々の時期に導入されたものでした。例えば鉄器は水田稲作が始まってから600年ほど経ってからようやく出現します。つまりそれ以前の耕作は、石器で行われていたのです。また水田稲作そのものの日本列島への浸透も非常に緩やかなものでした。水田稲作は伝来以来、長い間九州北部を出ることがなく、それ以外の地域は依然として縄文色の強い生活様式を保持していました。また東北北部のように、いったん稲作を取り入れた後でそれを放棄した地域もありました。関東南部で水田稲作が始まるのは、ようやく前3~2世紀になってからでした。とすると、これまで歴史の教科書で教えていたように、何世紀から何世紀までが縄文時代で、その後に弥生時代が来ると単純に言うことはできなくなります。水田農耕社会であるという弥生「時代」の定義は、ある時期までは日本列島のごくごく一部の地域にしか当てはめられなくなるからです。本書は、このような問題意識の元で「弥生文化」が日本列島に浸透していく歴史を「通史」として描く初めての本です。(講談社現代新書)

ユーザーレビュー

  • 弥生時代の歴史

    Posted by ブクログ

    炭素14年代測定の精度が向上し、結果、弥生時代の始まりが500年早まるということになったとのこと。
    しかしながら、従来の弥生情報の中で学説を唱えてこられた方々にはなかなか受け入れられない現実もあるとのこと。
    筆者は、500年早まったということを受け入れ、縄文から、弥生、古墳時代へ変遷していく日本の古代史をじっくりと事実を積み上げ、また、異説もきちんと紹介しながら、現時点の結論を導いている。
    従来から日本列島に住んでいた、「在来民」、在来民が水田稲作とも接するという「園耕民」という概念など、縄文文化と弥生文化の交流を日本列島に住まい当時の人々の社会のあり方が感じられ、とっても面白く読めました。

    0
    2017年04月27日
  • 弥生時代の歴史

    Posted by ブクログ

    紀元前10世紀にさかのぼる稲作文化の伝来と弥生時代の成立を最新の科学技術の成果をもとに読み直す。川の中流に集落を作っていた縄文文化の在来人と下流に集落を作った稲作文化の渡来人。その交流と時間をかけた東への伝播。村の成立。寒冷化と国の成立。銅鐸、銅矛の伝来と鉄の伝来。鉄を手に入れるために海を渡る弥生人。威信材の九州偏重から西日本全般への波及。広域文化圏の成立と倭国大乱。卑弥呼の擁立と前方後円墳の成立。

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    2015年09月01日
  • 日本の先史時代 旧石器・縄文・弥生・古墳時代を読みなおす

    Posted by ブクログ

    古墳時代にいたる日本の先史時代について、各「移行期」に焦点を当てることで時代を象徴する諸要素を明らかにし実像へと迫る内容。決して一様ではない文化の地域差も興味深いが、研究史と現在の論点の整理も読んでいて面白い。

    0
    2025年03月06日
  • 日本の先史時代 旧石器・縄文・弥生・古墳時代を読みなおす

    Posted by ブクログ

    イイクニ作ろうがイイハコになったと言われて久しいが、歴史も年々updateされている。
    歴史の教科書の最初の部分に関してはどうなんだろうと思い、この本を読み始めた。

    読み終えての所感を一言で表すと「考古学の入門書」と感じた。
    歴史と言ってもAge/Era/Periodと様々であるとか、時代の変わり目はどうであるといった議論からはじまる。
    また、日本各地の先史時代を見ていく、という観点も面白い。個人的には福岡平野の話が多かったので、非常に身近に感じた。

    0
    2022年03月10日
  • 日本の先史時代 旧石器・縄文・弥生・古墳時代を読みなおす

    Posted by ブクログ

    ヤマト政権以前の縄文・弥生・古墳時代及びそれぞれの境にある移行期について、これまでの研究や筆者の考えをまとめた本。興味深いが読み解くのが一苦労だった。

    0
    2021年10月12日

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