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Posted by ブクログ
縄文時代は狩猟採集で弥生時代は水田耕作が始まった―なんとなくの時代区分として覚えているのはこんな感じです。つまり調理器具としての縄文土器と、貯蔵具としての弥生土器の違いが紋様に現れているわけです。でも実際に時代を区切るのは難しく、とくに文字記録もなく全国が統一されていたわけではない先史時代の時代区分はもっと複雑です。
たとえば東北地方では、紀元前3世紀頃から水田耕作がはじまったとされますが、気候の寒冷化・乾燥化にともなって紀元前1世紀頃には再び狩猟採集生活に戻っています。この水田耕作が行なわれていた間を弥生時代と呼んで良いのか、専門家の間でも議論が分かれています。
同様に関東地方に水田耕作が入ってきたのは紀元前8世紀頃ですが、当初水田で栽培されていたのは粟や稗といった雑穀類でした。本格的な稲作が始まるまでの続縄文時代の移行期が600年程度あったと考えられており、弥生時代としての農本社会が形成されていくのはそれ以降となります。
そして狩猟採集や水田耕作といった食料供給面の変遷だけではなく、石器~青銅器~鉄器という耕作具・武器の素材だったり、土偶~埴輪への祭祀から埋葬の宗教観の変化というファクターからも、生活文化が移り変わっていったと考えられるわけで、より多面的に時代区分を検討できる余地が増えてきています。
それらを可能としているのが、考古学の研究手法が実証的に発展してきており、とくに科学分析のやり方が多様になってきたからでしょう。文理融合の最先端として、我々の祖先の暮らしぶりが明らかになってきていると言えます。
Posted by ブクログ
<目次>
序章 先史の時代区分~考古学はこう考える
第1章 土器の定着、人びとの暮らし~旧石器時代から縄文時代へ
第2章 農耕社会の成立~縄文時代から弥生時代へ
第3章 変化する社会と祭祀~弥生時代から古墳時代へ
終章 先史時代を生きた人びとの文化~列島各地の暮らし
<内容>
いわゆる「考古学」の時代を、それぞれの時代の境目を中心に論じた本。具体的な各学者の説をきちんと説明し、その違いも分かりやすく書かれている。さらに細長い日本列島の南北の違いが、文化の違いとなっているため終章では、列島各地の暮らしを簡単に示してくれた。自分は。授業の中で各時代の違い、時代の変遷を中心に教えているので、この本は示唆に富むものであった。
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