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日本史の教科書で最初に出てくる、旧石器・縄文・弥生・古墳時代。三万六〇〇〇年に及ぶ先史の時代区分は、明治から戦後にかけて定着していった。しかし近年、考古学の発展や新資料の発掘に伴い、それぞれの時代の捉え方は大きく塗りかえられている。本書では、各時代の「移行期」に焦点を当て、先史の実像を描き出す。人びとの定住、農耕の開始、祭祀、「都市」の出現、前方後円墳の成立――。研究の最前線を一望する決定版。
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Posted by ブクログ
古墳時代にいたる日本の先史時代について、各「移行期」に焦点を当てることで時代を象徴する諸要素を明らかにし実像へと迫る内容。決して一様ではない文化の地域差も興味深いが、研究史と現在の論点の整理も読んでいて面白い。
イイクニ作ろうがイイハコになったと言われて久しいが、歴史も年々updateされている。 歴史の教科書の最初の部分に関してはどうなんだろうと思い、この本を読み始めた。 読み終えての所感を一言で表すと「考古学の入門書」と感じた。 歴史と言ってもAge/Era/Periodと様々であるとか、時代の変わり...続きを読む目はどうであるといった議論からはじまる。 また、日本各地の先史時代を見ていく、という観点も面白い。個人的には福岡平野の話が多かったので、非常に身近に感じた。
ヤマト政権以前の縄文・弥生・古墳時代及びそれぞれの境にある移行期について、これまでの研究や筆者の考えをまとめた本。興味深いが読み解くのが一苦労だった。
日本列島を北、中、南に分け、それぞれが生活条件に合わせて文化を発展させていったという構図は、一律な時代考証を解体し、新しい日本像を見せて面白い。
本書のような最新の研究状況をまとめた概説書を読むと、自分が〇〇十年前に日本史で習った知識をアップデートしなければと切実に思わされる。 水田稲作一つ例に取っても、玄界灘沿岸地域に始まったとされる稲作が九州・四国・本州全体で始まるまでに700年近い歳月がかかっているとのことだし、時代を画する様々な指...続きを読む標が地域圏によって大きな違いがあることを実感した。
縄文時代は狩猟採集で弥生時代は水田耕作が始まった―なんとなくの時代区分として覚えているのはこんな感じです。つまり調理器具としての縄文土器と、貯蔵具としての弥生土器の違いが紋様に現れているわけです。でも実際に時代を区切るのは難しく、とくに文字記録もなく全国が統一されていたわけではない先史時代の時代区分...続きを読むはもっと複雑です。 たとえば東北地方では、紀元前3世紀頃から水田耕作がはじまったとされますが、気候の寒冷化・乾燥化にともなって紀元前1世紀頃には再び狩猟採集生活に戻っています。この水田耕作が行なわれていた間を弥生時代と呼んで良いのか、専門家の間でも議論が分かれています。 同様に関東地方に水田耕作が入ってきたのは紀元前8世紀頃ですが、当初水田で栽培されていたのは粟や稗といった雑穀類でした。本格的な稲作が始まるまでの続縄文時代の移行期が600年程度あったと考えられており、弥生時代としての農本社会が形成されていくのはそれ以降となります。 そして狩猟採集や水田耕作といった食料供給面の変遷だけではなく、石器~青銅器~鉄器という耕作具・武器の素材だったり、土偶~埴輪への祭祀から埋葬の宗教観の変化というファクターからも、生活文化が移り変わっていったと考えられるわけで、より多面的に時代区分を検討できる余地が増えてきています。 それらを可能としているのが、考古学の研究手法が実証的に発展してきており、とくに科学分析のやり方が多様になってきたからでしょう。文理融合の最先端として、我々の祖先の暮らしぶりが明らかになってきていると言えます。
<目次> 序章 先史の時代区分~考古学はこう考える 第1章 土器の定着、人びとの暮らし~旧石器時代から縄文時代へ 第2章 農耕社会の成立~縄文時代から弥生時代へ 第3章 変化する社会と祭祀~弥生時代から古墳時代へ 終章 先史時代を生きた人びとの文化~列島各地の暮らし <内容> い...続きを読むわゆる「考古学」の時代を、それぞれの時代の境目を中心に論じた本。具体的な各学者の説をきちんと説明し、その違いも分かりやすく書かれている。さらに細長い日本列島の南北の違いが、文化の違いとなっているため終章では、列島各地の暮らしを簡単に示してくれた。自分は。授業の中で各時代の違い、時代の変遷を中心に教えているので、この本は示唆に富むものであった。
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