現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義

現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義

957円 (税込)

4pt

3.8

終末論の地層――イスラーム教の古典的要素にさかのぼることのできる要素の上に、近代に入ってから流入した陰謀史観の要素と、現在に流入したオカルト思想の要素が、いわば地層のように堆積して、現代の終末論は成り立っている。そして、イスラーム教の古典終末論の要素にも、また積み重ねがある。イスラーム教はユダヤ教・キリスト教から続く「セム的一神教」のひとつである。ユダヤ教とキリスト教が発展させた終末論体系を基本的に継承しており、両宗教から受け継いだモチーフがかなり多い。その上に「コーラン」や「ハーディス集」によってイスラーム教独自の修正や潤色が加えられている。――本書より (講談社現代新書)

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現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2013年11月30日

    2001年のアメリカ同時多発テロの翌年に著された同時に至るアラブ、特にエジプトの社会思想についてまとめた書。第三次中東戦争後のアラブの思想界の苦境と、著者自身、偏りがあることを認めつつも、特にイスラーム教における現代の終末論をまとめているのが特徴。少なくともアラブ世界の一面を示しているのだと思います...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年01月20日

    人はほぼほぼ脳の中に現実を抱えている事を面白可笑しく論じている点は良いなぁ〜
    ただ、筆者が西洋に絡め取られていて現状肯定的に現支配者を擁護する形にしかなってないのが残念。
    まぁでも、これから研究者として名を成そうと出版に漕ぎつけた本なんだから当たり前か?
    人は自分を生きながらせる使命を松任する為に利...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年01月31日

    出口治明氏の著作の中で勧められていたことから興味を持ち、読んでみた。

    アラブ社会の根っこにある思想を、アラブ世界の著作物等を読み解く中で明らかにしていく。

    イスラーム主義=楽観的(理想的社会と現実のギャップを埋める必要性を認めない)で排外的(イスラーム的なものと外来的なものを区別し、後者にアラブ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年04月22日

    アラブ社会の現代史を簡単にまとめながら、二つに分かれていった思想の潮流を読み解く。
    非常に読みやすく、わかりやすかった。
    こうして二つに分かれた思想は理どちらも行き詰まり、終末論や陰謀史観が出現する。
    終末思想が人々の心をとらえたり、求められたりするようになった、要因を思想史として見る上でわかりやす...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年12月20日

    イスラム原理主義が生まれる過程はわかりやすく、
    イスラム社会とアメリカの対立を理解する上で、役立つ。
    現代でも「終末論」が絶大な影響力を持つことに驚きを感じたが、イスラム教の特性やノストラダムスの大予言を思い起こせば、納得できる。

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    Posted by ブクログ 2010年11月23日

    [ 内容 ]
    なぜ今、終末論なのか。
    なぜ「イスラームが解決」なのか。
    学術書からヒットソングまで渉猟し、苦難の歴史を見直しながら描く「アラブ世界」の現在。

    [ 目次 ]
    序 アラブ社会の現在(狭まる世界認識 悪化する世相)
    第1部 アラブの苦境(「一九六七」の衝撃―社会思想の分極化 「人民闘争」...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年01月07日

    著者の別の書籍が好きだったので。9・11事件直後の本のため内容は若干古いが、充分今にも通ずる。アラブ現代史の原点と言われる1967年6月に起きた第三次中東戦争をどうアラブの民が受け止めたか説明している。大まかに二つの流れがあり、一つがマルクス主義に基づく人民闘争論。提唱者は先の戦争の敗北をプチブルジ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年06月01日

    面白いは面白い。内容は詳細。
    だいたい流れも掴めたが、もう少し分析対象の期間を長くして、アラブの思想を概観できると良かった。

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    Posted by ブクログ 2011年02月10日

    イスラムの現在おかれている思想的現状を
    終末論にとり憑かれたものとして描いてしまった本。

    筆者の、「こんな風に書きたくないんだけどさぁ」っていう
    泣き言というか、うめきが聞こえてくる。

    現実はどうか知らない。
    これは興味深い資料となるけど、ちょっとこの書き方では
    紙幅の問題があるとしても、現実を...続きを読む

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