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誰も見ない書類をひたすら作成するだけの仕事、無意味な仕事を増やすだけの上司、偉い人の虚栄心を満たすためだけの秘書、嘘を嘘で塗り固めた広告、価値がないとわかっている商品を広める広報……私たちはなぜ「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」に苦しみ続けるのか? なぜブルシット・ジョブは増え続けるのか? なぜブルシット・ジョブは高給で、社会的価値の高い仕事ほど報酬が低いのか? 世界的ベストセラー、デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』の訳者による本格講義!
【目次】
第0講 「クソどうでもいい仕事」の発見
第1講 ブルシット・ジョブの宇宙
第2講 ブルシット・ジョブってなんだろう?
第3講 ブルシット・ジョブはなぜ苦しいのか?
第4講 資本主義と「仕事のための仕事」
第5講 ネオリベラリズムと官僚制
第6講 ブルシット・ジョブが増殖する構造
第7講 「エッセンシャル・ワークの逆説」について
第8講 ブルシット・ジョブとベーシックインカム
おわりに わたしたちには「想像力」がある
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Posted by ブクログ
グレーバーの『ブルシット・ジョブ』の翻訳者による解説本。
この本を読んでいると、真面目くさったバカバカしい社会や学校、職場を鼻で笑って中指を突き立てたくなる。そんなアナーキーな気分にさせてくれる、実に人類学らしい本だ。
終章のベーシック・インカム論はその極地。
ベーシック・インカムを導入すれば、生活に困らなくなった人々はやりたくない仕事はやらなくなる。その結果、世の中は下手くそな詩人や画家、ミュージシャンで溢れかえるだろう。だが、それでいいじゃないか?
ここまで行くとさすがに極端だし手放しには賛同しがたい。しかし、ブルシットな現状に絶望せずに、ありえる他の形を想像しようぜ、という主張はAIやらで大きく世界が変わりそうな今だからこそ有意義な主張だろう。それに、個人のレベルではそっちの世界に移住する人もすでに増えてる気がする。
Posted by ブクログ
グレーバーの「ブルシット・ジョブ」の翻訳者による解説本のような、大学の講義のような一冊。
本体がちょっと冗長でわかりにくかったところを、整理して、日本的な実例交えながら説明されているので、より分かりやすい。
主には「仕事とは」ということになるんだろうけど、そこに関連して経済とは、生産するとは、人間とは、いろいろな要素が混ざり合って一言では言い表せない哲学、思想にたどり着く。
これを読んでから、または読みながら、本体をひらいた方が好いかも。
講義を受けているように、理解が深まります。
さらにいうと、これより先に、ほぼ日の「ブルシット・ジョブについて学ぼう」を検索して読んでおくと入りやすいと思います。
Posted by ブクログ
Audible版。デヴィッド・グレーバーの原著『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』の再生時間が18時間40分と長いので、訳者によるこの要約本を聴いた。評価を見る限り、「面白い」のは原著だけど、日本人目線が入ったこちらの方がたぶん「わかりやすい」んだと思う。
この世の仕事はほぼ2種類。ブルシット・ジョブとシット・ジョブ。
ブルシット・ジョブは「仕事の内容がクソ」。組織内の儀式や権力維持、「労働=苦労」という価値観、そして生きるための給料を得るために、「こんな仕事なくなっても世の中の誰も困らないな」と思いながら、自分の貴重な時間をドブに捨てて忙しいふりをしなければならない仕事。「取り巻き」「鉄砲玉」「繕い屋」「書類作成人」「タスクマスター」の5つに類型される。
シット・ジョブは「仕事の待遇がクソ」。社会に必要不可欠なのに、仕事内容はおおむね過酷で、給料が安く社会的地位も低い仕事。「社会の役に立つ(=やりがいがある)」仕事は、それ自体が報酬の一部とみなされやすい。
ジョブを捨てた自分自身のことを省みて色々思うところあり。
【キーワード】
ケインズの予言(週15時間労働の未来)
マルクス主義(「搾取」の対象の変容)
ネオリベラリズム(「経済的効率化」の変容)
PPI(Private-Public Inversion、公私混同)
UBI(ユニバーサル・ベーシックインカム)
【目次】
第0講 「クソどうでもいい仕事」の発見
第1講 ブルシット・ジョブの宇宙
第2講 ブルシット・ジョブってなんだろう?
第3講 ブルシット・ジョブはなぜ苦しいのか?
第4講 資本主義と「仕事のための仕事」
第5講 ネオリベラリズムと官僚制
第6講 ブルシット・ジョブが増殖する構造
第7講 「エッセンシャル・ワークの逆説」について
第8講 ブルシット・ジョブとベーシックインカム
おわりに わたしたちには「想像力」がある
【原著の目次】
序章 ブルシット・ジョブ現象について
第1章 ブルシット・ジョブとはなにか?
第2章 どんな種類のブルシット・ジョブがあるのか?
第3章 なぜ、ブルシット・ジョブをしている人間は、きまって自分が不幸だと述べるのか?(精神的暴力について、第1部)
第4章 ブルシット・ジョブに就いているとはどのようなことか?(精神的暴力について、第2部)
第5章 なぜブルシット・ジョブが増殖しているのか?
第6章 なぜ、ひとつの社会としてのわたしたちは、無意味な雇用の増大に反対しないのか?
第7章 ブルシット・ジョブの政治的影響とはどのようなものか、そしてこの状況に対してなにをなしうるのか?
Posted by ブクログ
『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』酒井隆史著
前々から介護や教育など、人を支えるエッセンシャルワーカーの給料が低く、ITなどホワイトカラーが高いことに違和感はあった。管理職など、無駄な仕事を生む仕事。自分の精神を殺しながらの仕事。その裏には醸成された仕事には価値がある、教育やケアはやりがいがあるという思想が生み出されている。正直この思想に動かされて、働くのは合わないのに働いて精神を病んだとも言えると感じている。相互にケアし健康で豊かで、不安や恐怖・ストレスから解放される未来は来るのだろうか。その一助をグレバーから学ぶことができる。
Posted by ブクログ
自分は、本書ではブルシット・ジョブとよばれるような仕事に就いている。普段の仕事自体は比較的ストレスなく進められているが、繁忙期で退勤時間が0時を回ったりする時に、「こんな時間までするほど価値があるような仕事ではないよな…」と思ってしまう。
ここでいう価値は「社会的な価値」と「自分にとっての価値」両方の意味を指す。自分の仕事はおもに調書作成で、上長に自分のした仕事を正しく伝えるために発生する仕事であり、それ自体に直接的な価値はない。
また、自分はお金を稼ぐために仕事をしているという意識が強くて、仕事それ自体にやりがいや価値はあまり感じられていない。
本書(というかグレーバーの著書)でのBSJの定義は、『完璧に無意味で、不必要で、有害でさえある雇用の形態』と、邦訳にけっこう強い言葉を使っている。
自分は自分の仕事を無意味とも不必要とも、ましてや有害とは思っちゃいないが、自分みたいな感覚でいまいち納得できずに仕事している人は相当多いんじゃないかと思う。
資本主義が行き詰まりつつある今の社会に必要不可欠な本であると思った。
BSJは無能な上司や身勝手な経営層が生み出すと思われがちだが、極端な一部を除いてそうではないと思う。
徹底的な競争主義、数字至上主義が生み出した過剰な経営管理が仕事をつくっている。10の成果を生むために1の仕事をすればよかったところが、仕事を記録するための1、仕事を裏側から管理するための1、仕事をサポートするための1が足されていき、実際になされている仕事は4あるみたいなことが多々ある。こういったことが上司の理不尽な要求ではなく、会社のマニュアルとして行われている現状がある。
人は管理できうるものを管理したがるし、時間労働制の中では経営者は使用人をいかに効率的に使うかを考えてしまう。急進的に加速する資本主義からすこし距離を取り、あたらしい形を模索することが必要だと強く思う。
Posted by ブクログ
ブルシット・ジョブそのものを読んでないのだが(価格で二の足を踏んでいた)、その概要がとてもわかり易く説明されていた。
全く関係ないのだが、この概念の理解と共感にとても役に立った概念が『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日記』の「人間病」と称された概念で、なんというか、学びというのはリレーショナルなんだなと改めて思った。
過剰な自律であり、分不相応な自己抑制であり、良く在ろうとするご気分と、良く在るべきだという社会的な同調圧が、ブルシット・ジョブを生んでいる。
そこで語られる「良さ」が本当に「良さ」なのか、誰も議論されず、誰からも疑われぬままに。
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