作品一覧 2024/04/24更新 丹波哲郎 見事な生涯 NEW 試し読み フォロー アジア 新しい物語 試し読み フォロー アジアの歩き方 試し読み フォロー 出雲世界紀行―生きているアジア、神々の祝祭―(新潮文庫) 試し読み フォロー 海の果ての祖国 南の島に「楽園」を求めた日本人 試し読み フォロー 解放老人 認知症の豊かな体験世界 試し読み フォロー 救急精神病棟 試し読み フォロー コリアン世界の旅 試し読み フォロー 島国チャイニーズ 試し読み フォロー 調べる技術・書く技術 試し読み フォロー 千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン―(新潮文庫) 試し読み フォロー ニッポンの現場 試し読み フォロー 日本領サイパン島の一万日 試し読み フォロー 脳の欲望 死なない身体 医学は神を超えるか 試し読み フォロー 脳を知りたい! 試し読み フォロー フィリピン新人民軍従軍記 試し読み フォロー 1~16件目 / 16件<<<1・・・・・・・・・>>> 野村進の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 調べる技術・書く技術 野村進 あるテーマを設定し、それについて調べ、人に話を聞き、最後にまとめる技術を詳解するのが本書のねらいである。」という明確なメッセージで始まります。 本書は、デーマを決めて、原稿を書くまでの前段と、ノンフィクションを人物、事件、テーマを3つに分けて、それぞれどう書くかを書くかを示す、後段の2つにわかれてい...続きを読むます。 巻末に参照したノンフィクション作品が掲載されていてちょっとうれしかったです。 気になったことは以下です。 ■テーマを決める ・何かを書こうとするとき、誰もが一度は立ち止まり、しばし途方に暮れるのは、あらゆるテーマがすでに書き尽くされているのではないかと思えてくることだ。 ・だが、ここで諦めるのは早すぎる。もはや書き尽くされたかに見えるテーマでも、全く新しい輝きを放つ可能性があるからだ。 ・これを書かなければ、死んでも死にきれない。このことを書きさえすれば、いつ死んでもかまわない。そういう切実なテーマがある人は、書き手として幸せである。 ■資料を集める ・取材のとき、絶対に避けたいのは、先方に「こいつは俺のことを何もしらないのだな」とか、「この人、まるで無知じゃないか」と思われることだ。 ・資料収集に対する基本的な姿勢は、「貪欲に、幅広く」である。 ■人に会う ・取材の始めから終わりまでで何が一番大切かと問われたならば、やはり、「誠実さ」と答える ・取材の準備 ①収集した資料にはすべて目を通しておく ②なぜその人物に会いたいのか、会って何を知りたいのかを、もう一度自分に問いかけて、明確な答えを出しておく ③質問を思いつくまま箇条書きにしておく ・取材当日、絶対にしてはいけないのは遅刻である。できれば30分前に、遅くとも15分前に約束の場所についていたい。 ■話を聞く ・まず、この取材の目的を改めて説明する ・インタビューのコツ、相手と同じ大きさの声で話す。 ・インタビューの序盤。初対面の相手の緊張をほぐし、気持ちよく話せるような雰囲気づくりを心掛ける。レコードも、ノートも持ち出すまでに注意をする。 ・インタビューの中盤。原則として、相手が話しているときには、口をはさまない。わからないことがあったら、その場で訊く。沈黙を恐れない。 ・インタビューの終盤。これは訊かないほうがいいのではという質問がある。でも必ず訊くことだ。むろん、相手の気持ちには充分に配慮して、慎重に言葉を選んでだが。 ・ノート:A4の左だけをつかって、メモをとる。右はあけておく。 ■原稿を書く ・原稿のよりどころは、あくまでも、自分の取材ノートである。あなた独自の作品はここからしか生まれない。 ・索引を紙1枚でつくる ・チャートを紙1枚で作る ■後段:ノンフィクション ・ノンフィクションは、3種。人物、事件、テーマである。 ・テーマは必ず1つに絞る ・ポイントは3つ、構想段階で考えておく。これよりも多くても少なくてもいけない ・ノンフィクションを成功させるには、適切な人物を早くみつけること 目次 プロローグ 第1章 テーマを決める 第2章 資料を集める 第3章 人に会う 第4章 話を聞く 第5章 原稿を書く 第6章 人物を書く 第7章 事件を書く 第8章 体験を書く あとがき 本文で紹介したノンフィクション作品および主な参考文献 ISBN:9784062879408 出版社:講談社 判型:新書 ページ数:254ページ 定価:900円(本体) 発行年月日:2008年04月20日 Posted by ブクログ コリアン世界の旅 野村進 ★相対化のお手本★在日朝鮮・韓国人を描くのに、米国やベトナムにいる韓国人を描いた切り口が出色。まさに補助線が新しい視点を切り開いた。 大阪の公立小学校でのコリアンの民族教育(くしくも学校再編に伴いちょうど終わってしまった)がここまで行われていた驚きを筆頭に、我々の生活のすぐ横に別の世界がある。通名で...続きを読む生活する人を考えればなおさらだろう。 日本以外のコリアンを描くことでいったん相対化し、東京・荒川や兵庫・長田の在日、さらにはサッカーへと戻ってくる構成が秀逸だ。 戦後に在日の人に解放感をもたらし、さらに金日成は朝鮮基準でハンサムだということが、在日の人に朝鮮籍(北朝鮮籍ではない)を残させた。さらにそれが2世3世にも引き継がれているという指摘を読み、どうして在日の人がわざわざ不便な朝鮮籍のままでいるのが初めて知った。国籍とその国への支持は、必ずしも一体ではない。北朝鮮への帰国事業にしても、北部に何の縁もない済州島の人なども渡っていた(沖縄にルーツを持つブラジル移民が「ふるさと」として東北に移住するようなもの)というのに驚き、日本で受けた差別と朝鮮へのあこがれが複雑に交差している。 時系列では本書の後になるが、かつて大手メディアでは「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)」と書いていたのに、拉致が明らかになった2002~03年に表記が「北朝鮮」に変わった。なぜ「北朝鮮」ではダメなのか知らなかったが、そもそも国名に「北」は入っておらず、北朝鮮は韓国を認めていない立場だったと別の機会に知った。まさにこの表記にそのねじれが露わになっている。 Posted by ブクログ 出雲世界紀行―生きているアジア、神々の祝祭―(新潮文庫) 野村進 いやー、面白い。野村進にハズレなし。今回は、出雲の神々を訪ねる旅だ。神々と言っても色々ある。ひとつは、出雲大社に代表される出雲の神社への旅。家の周りにある荒神さんから美保関神社や八重垣神社、神魂神社と言った様々な神社へ参り、非日常の見えない世界を探る。次に、幽界の案内人たる水木しげるの縁にふれて、水...続きを読む木しげるロードを巡る旅。「負けている者はもう負けない」という敗者の生き方が語られる。最後に、石見地方で盛んな石見神楽への旅。他の地方では廃れる一方の伝統芸能が元気いっぱいで、小学生のあこがれるスターは神楽を舞うおっさんというのだから驚きだ。出雲世界には、目に見えないものを信じ共に生きる考えが今も生きている。 Posted by ブクログ 調べる技術・書く技術 野村進 仕事の参考になればと読んでみたが、これは単なるライティング技術の参考書ではない。事実を追い求めること、それを他者に正確に伝えること、そして正確さの中に自分の思いを込めること、これらの大切さが筆者の経験と多くの名ノンフィクション作品に基づき解説されている。 知の重みをあらためて感じる。 Posted by ブクログ 調べる技術・書く技術 野村進 ここに書いてあることはどんな人にも役立つことばかりである。 この本を簡単に言ってしまうと『ノンフィクションライターになりたい人向けにその方法を著者が詳細に書いたハウツー本』となってしまう。 しかし、ノンフィクションライターになりたいと思っていない人でもここに書いてある、対象に対する調査の方法やそれを...続きを読む発表する方法(話すなり、書くなりいずれでも)はどんな職業の人にとっても非常に役立つことだ。 特に社会人1年生には、仕事の調べ方や進め方、人と会ったときの相手との会話や事前の準備方法など非常に役立つと思う。また、社会人のベテランの人であっても、「ああ、こんなやり方もあるのか」と参考になることも多々ある。 社会人や大学生、高校生などすべての人におすすめ。 Posted by ブクログ 野村進のレビューをもっと見る