野村進のレビュー一覧
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野村進さんは自分が学生の頃に、韓国関連の本で読んだ記憶があり、フィリピンが結び付かなかった。400年もスペインとアメリカに植民地にされた国。日本が戦国時代に接触したスペインは、本国からではなくフィリピンから侵略しに来たスペインだった。ルソン島、レイテ島は知識としては知っていたつもりだったが、フィリピンと連結していなかった。自分の爺さんの世代が、ゲリラ対策として、女子供を銃剣で刺して、井戸に落として、上から岩を投げ入れたりして虐殺した件は、改めて衝撃的だった。フィリピンの現代政治も面白いし、1980年代末に日本がどう報道したのかも知りたくなった。
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購入済み
人物インタビュー中心のノンフィクションライターの手法が余すところなく公開されている。
かなり昔に書かれたもので、いささか古い時代を感じさせすぎるところはあるが、
インタビュー関連は時代を経ても本質的に変わらないものであろうし、質の高い著書だった。 -
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ネタバレ予備知識はほぼゼロで読んだけど、丹波哲郎の真実はやっぱりわからず。
誰にでもフラットに接するのを美談にしていたけど、だったら出演作品にも定時出勤でセリフも準備するのが本当ではないのかと。
判明している限りで二人の女性を愛人にしていたけど、若年女性が趣味なのか、正妻では実現できない支配欲を満たすためなのか。「ポイッ」していないからといって許されるものなのかと
著者としては、あとがきで父親(シベリア抑留)と丹波を重ねていることから、丹波の人格形成に戦争の影響が大きいと考えていたものと推察します。
あと、幼年期の臨死と妹継子の死か。
エピソードの並べ方というか構成がうまい。葬儀からはじめて、時系列と作品の下にエピソードをぶら下げていき、最期を迎えさせる。エピローグに小ネタ
P32 妹 継子(3)死亡。丹波7歳
P89 『007』
丹波と浜美枝は吹き替えだったとは
若林映子さんのは地声なのかな
P131 『Gメン '75』と『太陽にほえろ!』でボスを演じた奈良岡朋子さんはもっと評価されていい
P133 >赤坂の一等地
場所自体はもともとがTBSの敷地。テレビの送信アンテナ、ゴルフ練習場、住宅展示場かなんか
P183
「(邦子を)肉体的にも恋人」
新人を見出したのかと思ったら、愛人だったのね
P353 邦子死去。34歳
P385 貞子死去
P395 ゴーストライター
一部は本当に書いていたらしい。ただ、程度が知りたくはあったけど
P407 『豚と軍艦』
本当に死んだ子犬を用意した。死んだというか殺したが正確だけど
P422
山瀬まみの態度は、普通マネージャーが止めないか?
あとがき
P442 著者の父が死体を井桁にして焼いたはなし
(25/02/11-19) -
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出雲はバリに似てるらしい。どっちも行ったことがないから、そうですかぁ、と受け入れるしかないけど、そう指摘されると似てる気がする。石見神楽という芸能があるらしく、それがそんじょそこらの郷土芸能じゃなくて、ジャニーズ(この本の発行時は問題発覚前)よりも石見神楽という老若男女が大多数とのこと。年越しは紅白よりも年越し神楽。YouTubeでみたけど、確かに子供の頃からこれを見て育ったら血が騒ぐかもしれない。
境港の鬼太郎ロード、かつてはただの廃れゆく商店街だったのに、水木さんに許可をとり、妖怪の銅像を作って並べたら、観光客がわんさか訪れ、いまじゃ上野動物園の年間来場者数より多いんだとか。妖怪の力、すごくない? -
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あるテーマを設定し、それについて調べ、人に話を聞き、最後にまとめる技術を詳解するのが本書のねらいである。」という明確なメッセージで始まります。
本書は、デーマを決めて、原稿を書くまでの前段と、ノンフィクションを人物、事件、テーマを3つに分けて、それぞれどう書くかを書くかを示す、後段の2つにわかれています。
巻末に参照したノンフィクション作品が掲載されていてちょっとうれしかったです。
気になったことは以下です。
■テーマを決める
・何かを書こうとするとき、誰もが一度は立ち止まり、しばし途方に暮れるのは、あらゆるテーマがすでに書き尽くされているのではないかと思えてくることだ。
・だが、ここで諦めるのは早すぎる。もはや書き尽くされたかに見えるテーマでも、全く新しい輝きを放つ可能性があるからだ。
・これを書かなければ、死んでも死にきれない。このことを書きさえすれば、いつ死んでもかまわない。そういう切実なテーマがある人は、書き手として幸せである。
■資料を集める
・取材のとき、絶対に避けたいのは、先方に「こいつは俺のことを何もしらないのだな」とか、「この人、まるで無知じゃないか」と思われることだ。
・資料収集に対する基本的な姿勢は、「貪欲に、幅広く」である。
■人に会う
・取材の始めから終わりまでで何が一番大切かと問われたならば、やはり、「誠実さ」と答える
・取材の準備 ①収集した資料にはすべて目を通しておく ②なぜその人物に会いたいのか、会って何を知りたいのかを、もう一度自分に問いかけて、明確な答えを出しておく ③質問を思いつくまま箇条書きにしておく
・取材当日、絶対にしてはいけないのは遅刻である。できれば30分前に、遅くとも15分前に約束の場所についていたい。
■話を聞く
・まず、この取材の目的を改めて説明する
・インタビューのコツ、相手と同じ大きさの声で話す。
・インタビューの序盤。初対面の相手の緊張をほぐし、気持ちよく話せるような雰囲気づくりを心掛ける。レコードも、ノートも持ち出すまでに注意をする。
・インタビューの中盤。原則として、相手が話しているときには、口をはさまない。わからないことがあったら、その場で訊く。沈黙を恐れない。
・インタビューの終盤。これは訊かないほうがいいのではという質問がある。でも必ず訊くことだ。むろん、相手の気持ちには充分に配慮して、慎重に言葉を選んでだが。
・ノート:A4の左だけをつかって、メモをとる。右はあけておく。
■原稿を書く
・原稿のよりどころは、あくまでも、自分の取材ノートである。あなた独自の作品はここからしか生まれない。
・索引を紙1枚でつくる
・チャートを紙1枚で作る
■後段:ノンフィクション
・ノンフィクションは、3種。人物、事件、テーマである。
・テーマは必ず1つに絞る
・ポイントは3つ、構想段階で考えておく。これよりも多くても少なくてもいけない
・ノンフィクションを成功させるには、適切な人物を早くみつけること
目次
プロローグ
第1章 テーマを決める
第2章 資料を集める
第3章 人に会う
第4章 話を聞く
第5章 原稿を書く
第6章 人物を書く
第7章 事件を書く
第8章 体験を書く
あとがき
本文で紹介したノンフィクション作品および主な参考文献
ISBN:9784062879408
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:254ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2008年04月20日 -
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★相対化のお手本★在日朝鮮・韓国人を描くのに、米国やベトナムにいる韓国人を描いた切り口が出色。まさに補助線が新しい視点を切り開いた。
大阪の公立小学校でのコリアンの民族教育(くしくも学校再編に伴いちょうど終わってしまった)がここまで行われていた驚きを筆頭に、我々の生活のすぐ横に別の世界がある。通名で生活する人を考えればなおさらだろう。
日本以外のコリアンを描くことでいったん相対化し、東京・荒川や兵庫・長田の在日、さらにはサッカーへと戻ってくる構成が秀逸だ。
戦後に在日の人に解放感をもたらし、さらに金日成は朝鮮基準でハンサムだということが、在日の人に朝鮮籍(北朝鮮籍ではない)を残させた。さらにそれが2世3世にも引き継がれているという指摘を読み、どうして在日の人がわざわざ不便な朝鮮籍のままでいるのが初めて知った。国籍とその国への支持は、必ずしも一体ではない。北朝鮮への帰国事業にしても、北部に何の縁もない済州島の人なども渡っていた(沖縄にルーツを持つブラジル移民が「ふるさと」として東北に移住するようなもの)というのに驚き、日本で受けた差別と朝鮮へのあこがれが複雑に交差している。
時系列では本書の後になるが、かつて大手メディアでは「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)」と書いていたのに、拉致が明らかになった2002~03年に表記が「北朝鮮」に変わった。なぜ「北朝鮮」ではダメなのか知らなかったが、そもそも国名に「北」は入っておらず、北朝鮮は韓国を認めていない立場だったと別の機会に知った。まさにこの表記にそのねじれが露わになっている。 -
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いやー、面白い。野村進にハズレなし。今回は、出雲の神々を訪ねる旅だ。神々と言っても色々ある。ひとつは、出雲大社に代表される出雲の神社への旅。家の周りにある荒神さんから美保関神社や八重垣神社、神魂神社と言った様々な神社へ参り、非日常の見えない世界を探る。次に、幽界の案内人たる水木しげるの縁にふれて、水木しげるロードを巡る旅。「負けている者はもう負けない」という敗者の生き方が語られる。最後に、石見地方で盛んな石見神楽への旅。他の地方では廃れる一方の伝統芸能が元気いっぱいで、小学生のあこがれるスターは神楽を舞うおっさんというのだから驚きだ。出雲世界には、目に見えないものを信じ共に生きる考えが今も生きている。
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ここに書いてあることはどんな人にも役立つことばかりである。
この本を簡単に言ってしまうと『ノンフィクションライターになりたい人向けにその方法を著者が詳細に書いたハウツー本』となってしまう。
しかし、ノンフィクションライターになりたいと思っていない人でもここに書いてある、対象に対する調査の方法やそれを発表する方法(話すなり、書くなりいずれでも)はどんな職業の人にとっても非常に役立つことだ。
特に社会人1年生には、仕事の調べ方や進め方、人と会ったときの相手との会話や事前の準備方法など非常に役立つと思う。また、社会人のベテランの人であっても、「ああ、こんなやり方もあるのか」と参考になることも多々ある。
社会人や大学生、高校生などすべての人におすすめ。 -
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2000年10月から2003年8月まで、著者は「千葉県精神科医療センター」で密着取材を行った。
救急といえば怪我や病気で瀕死の人を治療するものだとばかり思っていましたが、見た目ではわからない命の瀬戸際で戦っている人が、私が思っているよりもはるかに多くいることがこの本でわかりました。
精神病というと人里離れた場所にある精神病院の鍵のかかった個室に押し込め、そんな人間などいなかったかのようにしてしまう従来の対応から、今は、どう地域に戻して治療していくかを試行錯誤している状況のようです。
10年以上前の本ですが、多分今も劇的な状況の変化はないと思います。
精神病と一口で言っても、症状は様々です。妄想、幻聴、自分を責める人、周囲に対して攻撃する人。
外に表れる症状は様々でも、心の中は恐怖でいっぱいなのだそうです。
「やさしさもふれあいもない、競争と弱肉強食原理の支配する荒涼とした世界、その中の孤独で無力な自己」
この本はノンフィクションです。
でも、患者の名前は仮名ですし、患者が特定できないようにエピソードなども変えてあるそうです。
そのくらい神経を使って書かれたこの作品は、しかし決して情緒的なものではありません。
淡々と事実を(多少の変更はあるにせよ)書いているのに、対象を突き放してはいない文章に人としての温かみを感じるのです。
現代の生命倫理学を語る上で必須の言葉は「オートノミー」=「自律性」
「自分自身について考える能力であり、人生の自分自身による計画を設計し、修正し、追求する能力」と定義されています。
千葉県精神科医療センター院長の計見医師は精神病に対して「開かれた医療」であるべきだという。
“開放化の「共に、外へ」という指向は、まちがいなく正しい。精神病患者が各々の地域で、差別や偏見を受けずに暮らせるようになることにこそ、精神医療の不変の目標があるからだ。”
精神科と心療内科の違い。
心の問題と脳の機能。
患者の抱える心の苦しみ。
それは、人間だからこそ持ち得る苦しみなのだから、見てみぬふりでなかったことにすることは出来ない。 -
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在日朝鮮人、在日韓国人の方々は自分の周りにもけっこうな割合でいるらしい。
らしいというのは、在日の人は外見や言動は日本人とほとんど変わらないし、日本名で日常を過ごしている人が多いのでわからないからだ。
ある日突然、今まで日本人だと思っていた友達に、「実は在日朝鮮人なんだ」と告白されたら、どう返答するだろう。
たぶん「日本人でも在日でも、俺たちの関係は何も変わんないよ」みたいなことを言うんじゃないだろうか。
でも、その答えでは在日の方は、日本人と在日の間に横たわる大きな溝を感じて、失望するのだという。
現在日本にいる在日朝鮮、韓国人の多くは働き口を求めて戦後に日本に渡ってきた人たちとその子孫らしい。戦前戦中に日本人から差別を受けた世代は、日本は憎悪の対象だから、早々に帰国していった。だから今いる在日の方々は語弊のある言い方だが、そんなに日本を恨んでいない。だいたい国籍は北朝鮮や韓国でも、生まれた時から日本にいる世代も多いわけで、メンタリティは朝鮮でも、暮らしや行動規範はどっぷり日本という状況にいる。
さらにややこしいのが、在日の中でも韓国系と朝鮮系は仲が悪いし、韓国の中でも出身地によって露骨な差別があるらしい。当たり前といえばそうなのだが、在日と一口に言っても、いろんな事情の人がいる。
また在日中国人は、そんなに在日であるということを隠したりしないので、在日韓国、朝鮮の方々とは一線を画す。思うに、一時期ではあるけれども、朝鮮半島が日本の支配下にあったことが影響しているんじゃないだろうか。
で、最後まで読んだけれど、先ほどのカミングアウトの告白に対して、どう返答すれればいいの?という答えはわからなかった。正解なんてないのかもしれない。
この本が「コリアン世界の旅」となっているのは、日本、韓国、北朝鮮だけではなく、アメリカやベトナムのコリアン世界も取材しているから。それぞれの国の事情が違っていて、在日(在米、在越)コリアンを比較できて興味深い。知らないことだらけで、もっともっと知りたくなった。
ものすごくざっくりした感想だけど、日本人と韓国、北朝鮮の人は在日の方々を軸にして仲良くなれると思う。
在日の方が国籍を隠すのは、やはり日本にまだ差別意識があり、日本人として見られたほうが都合がいいという部分があるのは否定できない。その意味でもヘイトスピーチなんていうものは早く法律で禁止してもらいたいと思う。あれを表現の自由とか言ってるから日本は人権後進国とみなされてるわけで、侮辱罪でも、名誉棄損でも、殺人教唆でもなんでもいいから、法律で禁止すべきだと思う。 -
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アメリカとフィリピンに留学をしてた際に、韓国人が異常に多く親密な友達も出来たので韓国のことをもっと知りたいと思い手に取った。
在日である、にしきのあきらさんのお話。
また、みんな大好きな焼肉についてのお話など。
全国二万軒以上の焼肉屋さんの九割が在日か帰化者かその子孫が経営していると言われている。
当時、日本が韓国を占領し差別していた際に、乞食のように生きてきた在日は、日本人が食べない牛の内臓を拾って食べたり買ったりするようになった。こうして焼肉は職業として始められたのではなく、彼らの生きるための食生活から始まった。実際に当時焼肉屋で働くことは恥でもあったそうだ。
日本と朝鮮との歴史を学ぶ際も、友好の歴史も学ぶべきだ。古墳時代の交流や朝鮮通信使とか、一緒に助け合いをしてきたということも忘れないようにと。
実際にアメリカに行った際にコリアンタウンがたくさんあることに疑問を感じた。
その理由は、朝鮮戦争時で得た大打撃で難民と化す韓国人がたくさん現れ戦争の当事者でもあったアメリカは、その際に韓国人に食料や物資を惜しみなく与え彼らには救世主と映った。また当時朴軍事政権下で言論の自由も抑えられた国民には、更にその美国幻想(アメリカ)への憧れイメージが増し移民するひとが増えていった。
在米コリアンはアメリカの移民の中で最も資金があり教育水準が高かった。なぜなら美国幻想(アメリカ)とも言われるほどの国にいける彼らの多くは移住後に商売をすぐに始めれるための資金をも携えていた人のみだからだ。また直後のベトナム戦争も米への移民の増加に拍車をかけた。サイゴン陥落による南ベトナム政権の崩壊は韓国人の中でも朝鮮戦争時に北から逃げてきた「越南者」と呼ばれる人に同じ悪夢を蘇らせた。在米コリアンの二割がこうした越南者が占めているそうだ。この人たちはアメリカに来る前から商売をしていたそうだ。当時北から逃れた際に韓国でも商売をゼロから始めた経験があるので困難な状況下で生き抜くすべを知っている。だが、現実は幻想大国ではなかった。アメリカでも差別を受け給料も大変安い。
読み終えた上で思ったことは、日本では嫌韓という言葉もありニュースでは韓国人の悪いことばかり聞くが、確かにそういった悪い部分もあるが実際に歴史から色々と学び、自ら情報を手にし判断した上でメディアに洗脳されず自分で判断する力もつために韓国についての本をもっと読みたいと思った。 -
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まえがきは、東北へボランティアに行った中国人留学生の女の子の話から。
多くの中国人が日本から逃げ出したとき、ボランティアにまで行った人がいたのだ。おにぎりを三角に握れるようになったという。
今の31、2歳以下の中国人は一人っ子政策のため、ほとんど一人っ子。
親の愛情も期待も一身に受けている。そのため人付き合いはやや苦手だという。
日本よりも儒教的感覚が生きている中国では、親に電話口で泣いて帰国するように言われたら、逆らえないのだそう。
劇団四季の中国人俳優。
日本で大学教授になる中国人。
中国人芥川賞作家の誕生。
留学生は反日か。
北国の中国人妻たち。
神戸中華同文学校。
女たちの池袋チャイナタウン。
といった章立てで、具体的に。
ものすごい努力をして才能を開花させた人や、留学生のために尽力する人々など、感動させられます。
日本にある中国学校が、日本の昔の村の学校をモデルにしているとは。これがいじめも学級崩壊もなくて、いいんですよ~。
日本人の中国へのイメージは、かなり悪くなっている現実。
だが日本に住んでいる中国人は、もともと希望を抱いて日本にやってきたので、親日的だった。
孤独に苦しむケースもあるが、満足している人も多い。
日本のイメージは東京のような都会なので、日本人と結婚した女性は田舎暮らしに失望し、離婚すると不法滞在者になってしまう場合があるとか。
広大な中国では、民族ごとに顔立ちも言葉も文化も違い、同じ民族同士しか結婚しない。
日本に来るのは、中国内を移動するのとある意味、大して差がない。
韓国と違って単一民族ではなく、改姓を強要された史実もない。そのため、帰化も、名前を日本的にすることにも抵抗がないという。
戦前や戦中の日本軍の行為はもちろんよく思ってはいないが、終戦の時に中国は敗戦国の側ではなかった。
今の反日運動も、じつは政府への不満を発散している面がある。政府への暴動だともっと弾圧されるので、こういう形でやっているそう。
文化大革命と天安門事件などで苦労してきた世代は、日本の良さをよくわかっているのだ。
ただ、今の中国政府は、外国に住んでいるキャリアの高い学者らを優遇することにして帰国を促しているので、今日本にいる優れた人物が遠からず帰ってしまう可能性があるそう。
日本人と中国人はお互いに信用しきれないと恐れている部分がある。
知らないことは怖いので、知ることによって少しでも理解が深まればという熱い思いが伝わります。
著者は1956年東京都生まれ。
「コリアン世界の旅」でノンフィクション賞を受賞。