あらすじ
子供から老人までが熱狂する神楽、「荒神様有り」と記された不思議な不動産広告。神話を信じて卵を食べない町や、なぜか観光客が絶えない謎の町。出雲・石見・境港。旅するうちに見えてきたのは……。目に見えない存在を信じる暮らしや、伝統を支える持続可能な知恵、遠く東南アジアにまでつながる文化の〈地下茎〉だった。そして旅は、温かい涙が流れるクライマックスへ。『どこにでも神様』改題。(解説・志川節子)
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Posted by ブクログ
出雲はバリに似てるらしい。どっちも行ったことがないから、そうですかぁ、と受け入れるしかないけど、そう指摘されると似てる気がする。石見神楽という芸能があるらしく、それがそんじょそこらの郷土芸能じゃなくて、ジャニーズ(この本の発行時は問題発覚前)よりも石見神楽という老若男女が大多数とのこと。年越しは紅白よりも年越し神楽。YouTubeでみたけど、確かに子供の頃からこれを見て育ったら血が騒ぐかもしれない。
境港の鬼太郎ロード、かつてはただの廃れゆく商店街だったのに、水木さんに許可をとり、妖怪の銅像を作って並べたら、観光客がわんさか訪れ、いまじゃ上野動物園の年間来場者数より多いんだとか。妖怪の力、すごくない?
Posted by ブクログ
いやー、面白い。野村進にハズレなし。今回は、出雲の神々を訪ねる旅だ。神々と言っても色々ある。ひとつは、出雲大社に代表される出雲の神社への旅。家の周りにある荒神さんから美保関神社や八重垣神社、神魂神社と言った様々な神社へ参り、非日常の見えない世界を探る。次に、幽界の案内人たる水木しげるの縁にふれて、水木しげるロードを巡る旅。「負けている者はもう負けない」という敗者の生き方が語られる。最後に、石見地方で盛んな石見神楽への旅。他の地方では廃れる一方の伝統芸能が元気いっぱいで、小学生のあこがれるスターは神楽を舞うおっさんというのだから驚きだ。出雲世界には、目に見えないものを信じ共に生きる考えが今も生きている。
Posted by ブクログ
神道はすべてのものには神様が宿っている、だからなんでも大事にしようぜって言っているのでしょう。この寛容で寛大な考え方は非常に重要で、これからもっともっと見直されなくちゃいけないと思いますよ
水木しげる先生は、ただの妖怪漫画家じゃない。神や精霊といった目には見えないものを具象化しました