野村進のレビュー一覧
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ノンフィクション作家がインタビューの仕方や文章の書き方を自分の経験から教えてくれている。
まず、なるほどと思ったのは、なぜチャップリンがあれ程までにインパクトがあったのか!それはステッキの活用であり、もしそれがなかったら普通の喜劇役者と変わらなかったのでは。つまり、そこが差別化のポイントであり、普段の企画にも通じるヒントだと思う。一方で自分は何が出来るのか!も重要だとのこと。これも何をしたいのかと同様に今一度確認することが大切だと思う。
数多くのインタビューをしている経験からか第一印象はあとで振り返ると人物の本質に近いときが多いという言葉を読むと日頃から身だしなみ含めて気をつけないといけな -
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ネタバレ『調べる技術・書く技術』というタイトルだが、内容は、著者である野村 進さんの生き様だった。
調べる技術・書く技術 >> ノンフィクションライターは、伝えたい、もしくは伝えられるべき事実を持つ他者と、その事実を知りたい、もしくは知るべき読者とを結びつける「仲介者」徹すべきではないか。
人は、知らないことを知ることによって、自分自身を見つめ直し、あるべき姿を模索し始めるのではないだろうか。伝えたい、伝えられるべきことが、より正確な事実に基づいて、知りたい、知るべき読者に伝わることによって、読者はもちろん、その読者が所属する家族、コミュニティ、社会に何らかの良い変化が起こる。そこに -
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救急の精神病院?そんなの有るのか?
と言う興味と疑問から手に取った一冊。
精神病院を扱ったものは、高校時代に「ルポ・精神病棟」という文庫本(たしか朝日新聞社だったと思う)を読んで以来である。この本には、当時の劣悪な精神病院の実態が描かれていて、少なからず衝撃を受けたんだが、この「救急精神病棟」はどうだろうか。
日本で始めて救急の精神病患者を専門に受け入れる病院を3年にわたって取材した本書だが、様々な問題を提起しており、なかなかに興味深く読めた。
ここに入院している患者たち、その治療にあたる医師や看護師の姿を通して、現代の精神病医療に関する問題点を投げかけてくる。
医療に携わる医師の問題、精 -
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調べる事・書く事について、技術とマインドの両面から、全く書くことに興味のない自分でもかなり深く理解できる。さらに、「教養人とは?」「良い生き方とは?」ということまで教えてくれる本だった。
学びは3つ。
①取材・インタビューの方法
これから社会人になるにあたって、私自身多くの人に会って話すという機会が増えてくる。彼らからいかにいい情報を引き出すかという意味では、インタビュー術はとても重要だと感じた。
印象に残ったのは、
A.事前の情報集めの重要性とその方法
「貪欲に、幅広く」情報を集めることで、相手をいらだたせることなく、身を乗り出して話させることが出来る。また、情報集めの方法としての、本から -
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出版されたのが2002年、さらに題材として挙げている人たちのところを著者が訪問したのが、だいたい1990年代後半。その時代性を考えると既に「新しい物語」と呼ぶには無理があるけど、当時も今も大して変わらないところも散見されます。
10人ほどの「アジア在住の日本人」をピックアップしてますが、基本的には「大会社の社員としてアジアに派遣されている人」ではなく、「何かの拍子でその国やその土地が気に入ったり気になったりしたので、そこで商売始めちゃった人」たちばかり。当時で既に現地在住30年なんて人も出てくるので、アジアに飛び出した日本人の先駆けに焦点を当てていると言っても、言い過ぎではないでしょう。
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ネタバレ「コリアン世界の旅」で在日の人々の声を拾った著者が在日中国人の実情を豊富な取材を基に探った本である。
反日感情が中国で、嫌中感情が日本で高まるのと比例するように年々中国から日本にやってくる人数は増えている。
劇団四季も、文壇も、保育園でももちろん働き手として日本社会は中国の人に頼っている。様々な感情を抱きながら日本に住むという選択をする中国人。その人たちの顔をどれだけ見ているだろうか、そして声を聴いているだろうか。他人の状況を慮ることが減ってきた日本社会にあって、なんとか適応しようと頑張る中国人の姿に胸がうたれる。
今旬の本。
楊逸の小説をぜひ読みたくなった。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
食、危険回避の方法、常識の違い、日本との関わり、ボーダレス化するいまの姿など、アジアの「真実」が見えてくる。
[ 目次 ]
プロローグ 旅立つ前に
第1章 ディープ・アジアの旅
第2章 されど渡る世間に鬼はなし
第3章 意地でも同じものを食ってやる
第4章 私のアジア事始め
第5章 “アジアはひとつ”なんてわけないだろ
第6章 どれがいったい“日本”なんだ
第7章 それぞれのアジア
第8章 定住する日本人
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