感情タグBEST3
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日本にいる中国の人を割と良い面からとらえていた。武先生を思い出した。先生のように、日本でしっかり生きて行こうと、日本にある程度愛着を感じてがんばっている中国の人だって多いのだ。
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まえがきは、東北へボランティアに行った中国人留学生の女の子の話から。
多くの中国人が日本から逃げ出したとき、ボランティアにまで行った人がいたのだ。おにぎりを三角に握れるようになったという。
今の31、2歳以下の中国人は一人っ子政策のため、ほとんど一人っ子。
親の愛情も期待も一身に受けている。そのため人付き合いはやや苦手だという。
日本よりも儒教的感覚が生きている中国では、親に電話口で泣いて帰国するように言われたら、逆らえないのだそう。
劇団四季の中国人俳優。
日本で大学教授になる中国人。
中国人芥川賞作家の誕生。
留学生は反日か。
北国の中国人妻たち。
神戸中華同文学校。
女たちの池袋チャイナタウン。
といった章立てで、具体的に。
ものすごい努力をして才能を開花させた人や、留学生のために尽力する人々など、感動させられます。
日本にある中国学校が、日本の昔の村の学校をモデルにしているとは。これがいじめも学級崩壊もなくて、いいんですよ~。
日本人の中国へのイメージは、かなり悪くなっている現実。
だが日本に住んでいる中国人は、もともと希望を抱いて日本にやってきたので、親日的だった。
孤独に苦しむケースもあるが、満足している人も多い。
日本のイメージは東京のような都会なので、日本人と結婚した女性は田舎暮らしに失望し、離婚すると不法滞在者になってしまう場合があるとか。
広大な中国では、民族ごとに顔立ちも言葉も文化も違い、同じ民族同士しか結婚しない。
日本に来るのは、中国内を移動するのとある意味、大して差がない。
韓国と違って単一民族ではなく、改姓を強要された史実もない。そのため、帰化も、名前を日本的にすることにも抵抗がないという。
戦前や戦中の日本軍の行為はもちろんよく思ってはいないが、終戦の時に中国は敗戦国の側ではなかった。
今の反日運動も、じつは政府への不満を発散している面がある。政府への暴動だともっと弾圧されるので、こういう形でやっているそう。
文化大革命と天安門事件などで苦労してきた世代は、日本の良さをよくわかっているのだ。
ただ、今の中国政府は、外国に住んでいるキャリアの高い学者らを優遇することにして帰国を促しているので、今日本にいる優れた人物が遠からず帰ってしまう可能性があるそう。
日本人と中国人はお互いに信用しきれないと恐れている部分がある。
知らないことは怖いので、知ることによって少しでも理解が深まればという熱い思いが伝わります。
著者は1956年東京都生まれ。
「コリアン世界の旅」でノンフィクション賞を受賞。
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新聞の書評に何度も登場していたので、とても印象的で手に取った。
正直、わたしは中国を好きか嫌いかでいえば「好きじゃない」になる。でもこの「好きじゃない」は周囲に影響されてると前から思っていた。
なんでなんだろ?と。
この本を読んで、少し、わかったような気がした。
読みやすいので、気負わずに手に取ってみてほしい一冊。
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日本で様々な職業につく、在日中国人の方にインタビューした一冊。
つくづく思うのは、国も人を作るけれど、人も人を作るのだということ。
日本人が全員礼儀正しい訳ではないし、中国人が全員金銭欲が強いわけではない。その人にくっついている「国」や「肩書き」も大切だけど、ちゃんと人を見なければ。わかってはいるけれど、身近にいないから…という方はぜひ!
中国人に対して偏見のある人も、是非読んで欲しい。
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単純に良い!きめ細やかな取材。
在日中国人が感じていること、日本にどう馴染んでいるのか、もしくはどう馴染みきれていないのかがたくさん書かれている。
神戸の中華同文を取材してるのは良かったなー。中華同文の子(日本人)とよく話すけど、日本文化をきっちり理解した上で、中国文化を自らの体に染み込ませている。自国の文化をよくよく知った上で、他国の文化を知ってこそ多文化共生!
Posted by ブクログ
「コリアン世界の旅」で在日の人々の声を拾った著者が在日中国人の実情を豊富な取材を基に探った本である。
反日感情が中国で、嫌中感情が日本で高まるのと比例するように年々中国から日本にやってくる人数は増えている。
劇団四季も、文壇も、保育園でももちろん働き手として日本社会は中国の人に頼っている。様々な感情を抱きながら日本に住むという選択をする中国人。その人たちの顔をどれだけ見ているだろうか、そして声を聴いているだろうか。他人の状況を慮ることが減ってきた日本社会にあって、なんとか適応しようと頑張る中国人の姿に胸がうたれる。
今旬の本。
楊逸の小説をぜひ読みたくなった。