丹波哲郎 見事な生涯
  • 値引き

丹波哲郎 見事な生涯

2,200円 (税込)
1,100円 (税込) 12月11日まで

5pt

4.2

「人間、死ぬとなぁ、魂がぐぅーっと浮き上がっていくんだよ。それで、どんどんどんどん上昇していく。ところが、天井でぶつかって、一度反転するんだ。すると、ベッドの上には自分の骸(むくろ)がある」
「やがて、かなたに小さな光が見えてくる。その光に向かって、どんどんどんどん走っていく。どんどんどんどん走っていく。でも、息切れしないんだ。なぜか? ……死んでるから」

大俳優・丹波哲郎は「霊界の宣伝マン」を自称し、映画撮影の合間には、西田敏行ら共演者をつかまえて「あの世」について語りつづけた。中年期以降、霊界研究に入れ込み、ついに『大霊界』という映画を制作するほど「死後の世界」に没頭した。
「死ぬってのはなぁ、隣町に引っ越していくようなことなんだ。死ぬことをいつも考えていないと、人間、ちゃんとした仕事はできないぞ。おまえも、いつでも死ぬ覚悟、死ぬ準備をしといたほうが、自分も楽だろう」――

丹波は1922年(大正11年)、都内の資産家の家に生まれ、中央大学に進んだ。同世代の多くが戦地に送られ、生死の極限に立たされているとき、奇跡的に前線への出征を逃れ、内地で終戦を迎える。
その理由は、激しい吃音だった。
終戦後、俳優を志した丹波は、舞台俳優を経て映画デビューし、さらに鬼才・深作欣二らと組んでテレビドラマに進出して大成功を収めた。
高度成長期の東京をジェームス・ボンドが縦横に駆け抜ける1967年の映画『007は二度死ぬ』で日本の秘密組織トップ「タイガー・タナカ」を演じ、「日本を代表する国際俳優」と目されるようになる。
テレビドラマ「キイハンター」、「Gメン’75」で土曜午後9時の「顔」となり、抜群の存在感で「太陽にほえろ!」の石原裕次郎のライバルと目された。
『日本沈没』『砂の器』『八甲田山』『人間革命』など大作映画にも主役級として次々出演し、出演者リストの最後に名前が登場する「留めのスター」と言われた。
その丹波が、なぜそれほど霊界と死後の世界に夢中になったのか。
数々の名作ノンフィクションを発表してきた筆者が、5年以上に及ぶ取材をかけてその秘密に挑む。
丹波哲郎が抱えた、誰にも言えない「闇」とはなんだったのか。
若かりし頃に書かれた熱烈な手紙の数々。
そして、終生背負った「原罪」――。
「死は待ち遠しい」と言いつづけ、「霊界」「あの世」の素晴らしさを説きつづけた大俳優の到達した境地を解き明かすことで、生きること、そして人生を閉じることについて洞察する、最上の評伝文学。

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

丹波哲郎 見事な生涯 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    私にとっては、霊界の宣伝マンの印象がほとんどだった丹波哲郎。この本には俳優としての丹波哲郎と、周りの人々のかかわりがつぶさに書かれていて、非常に面白かった。おおらかで明るくて暖かな人柄に惹かれる。気の小さなところもあったとさかんに書かれているが、まあどうでもいいね。ショーン・コネリーや里見浩太朗、山

    0
    2025年04月19日

    Posted by ブクログ

    名優、スター、数多くの映画、テレビドラマに出演した丹波哲郎の評伝。華々しいキャリアの中、晩年の大霊界等の霊界宣伝活動の不可解さ。本書を読んでも解決はできず。

    ただし、俳優としてのオーラが凄まじいこと、幼い頃の妹の死の影響など、また俳優になる道も極めて偶然の要素が大きかったことなど、興味深く読むこと

    0
    2024年11月24日

    Posted by ブクログ

    映画やテレビで
    独特の存在感を放っていた
    名優の評伝。

    賛美だけではなく
    影の部分も描かれていて
    人間像が浮かび上がる。

    いまの芸能人とは
    ケタが違う。

    0
    2024年10月13日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    予備知識はほぼゼロで読んだけど、丹波哲郎の真実はやっぱりわからず。
    誰にでもフラットに接するのを美談にしていたけど、だったら出演作品にも定時出勤でセリフも準備するのが本当ではないのかと。

    判明している限りで二人の女性を愛人にしていたけど、若年女性が趣味なのか、正妻では実現できない支配欲を満たすため

    0
    2025年02月20日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    キイハンターとかGメンとかのボス役。霊界のことを語る豪放磊落なおじさん。というイメージしかなかった。存在感のある役者としての姿を見てみたいと思わせてくれる。

    0
    2024年11月03日

丹波哲郎 見事な生涯 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める ノンフィクション

ノンフィクション ランキング

野村進 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す