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神楽坂つきみ茶屋
★★★★★講談社文庫、2021年最初の勝負作★★★★★ 突然、事故死した両親に代わって、神楽坂の割烹「つきみ茶屋」を継ごうと決意する剣士。 幼馴染の翔太とワインバーへ改装しようと夢見るが、ある晩、翔太が代々伝わる“禁断の盃”で酒を飲んでしまう。 すると、豹変。 「おいおい、鮪の脂身なんざぁ、生で食ったら死ぬぜ!」 食べかけの大トロを窓から投げ捨て、見たこともない料理を作り出す。 これはまさか…江戸時代の料理!? なんと、翔太に江戸時代の料理人・玄の魂が憑いてしまったらしい! 果たして翔太は元に戻れるのか?そして「つきみ茶屋」の行方は――。 面白さ、天下一品!笑って泣ける絶品グルメ小説第1弾! ※シリーズ第2巻は2021年5月発売予定 -
DTOPIA
恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズの舞台はボラ・ボラ島。ミスユニバースを巡ってMr.LA、Mr.ロンドン等十人の男たちが争う──時代を象徴する圧倒的傑作、誕生! 第172回芥川賞受賞作 安堂ホセは、物語の磁石を持っている。現実世界で排除された不都合で不穏でヤバい砂つぶてのような言葉を、暴力と倫理の磁石で吸い寄せ、反発させ、交渉させ、渦巻かせる。あらゆる倫理が覆され、暴力が吹き荒れている今、「暴力から暴を取りはずす旅」の物語が出現したことは、一つの事件だ。 読もう! 旅立とう! 旅によって運ばれるのは、あなた自身だ。 ──柳美里 いくつもの物語が交じり合い、壮大な展開が繰り広げられ、「失われた歴史」が復元されるラストに感動した。 ──高橋源一郎 強烈な皮肉とクールな文体。 私たちの眼差しを切り開く手術(オペ)のような小説。 どこへ連れていかれるのかわからず、ひと晩で読み終えた。 ──佐藤究 語りと構造、ストーリーの面白さの中に、資本主義や植民地主義、ウクライナ戦争やガザでの虐殺についての鋭い批判が、当然のように滑り込む。 極めて刺激的かつ、開放的。国境を越えて、世界にリコメンドしたい。 ──須藤輝彦 この小説を読むことは自らの感性を問い直すことである。 異性愛主義や人種という不適切なカテゴライズにあらがうための、必読の一作。 ──渡邉英理 典型的な物語に閉じ込められないための強烈な意志、ねじ伏せられない悪意と復讐がこれほどまでに徹底された作品はなかなかない ──水上文 -
だめになった僕
著者23年ぶりの書き下ろし長篇恋愛小説。 綾「私は初めて会った16年前から涼さんを愛し続けている」。涼「僕にかかわった者は、みんな死んでしまう。女も男も。僕が綾を愛しすぎているせいで」―― 音村綾(旧姓・上里)は30代半ば。現在は信州でペンション経営兼漫画家として活躍。夫・子ども・母と4人で暮している。 祥川涼。画家。40代後半。妻を失い、その後同棲していた女性とも別れ、現在は酒浸りの日々を送っている。 冒頭の「現在」では、綾のコミック発売記念サイン会のシーンの衝撃的事件から始まり、「1年前」「4年前」「8年前」「10年前」「12年前」「14年前」、そして二人が出会った「16年前」へと時をさかのぼり「現在」に戻る。謎とサスペンス、そしてストーカー小説の雰囲気も交えた〈究極の恋愛小説〉である。 この作品は、2001年に刊行された『もう切るわ』以来、23年ぶりの「書き下ろし」長篇! (底本 2024年10月発行作品) -
ひとでなし
作家人生の集大成 嫌な気分は何もかもノートにぶちまけて、言葉の部屋に閉じ込めなさい。 尊敬するセミ先生からそう教えられたのは、鬼村樹(イツキ)が小学五年生の梅雨時だった―― 「架空日記」を書きはじめた当初は、自分が書きつけたことばの持つ不思議な力に戸惑うばかりの樹だったが、やがて生きにくい現実にぶち当たるたびに、日記のなかに逃げ込み、日記のなかで生き延び、現実にあらがう術を身に着けていく。 そう、無力なイツキが、架空日記のなかでは、イッツキーにもなり、ニッキにもなり、イスキにもなり、タスキにもなり、さまざまな生を生き得るのだ。 より一層と酷薄さを増していく現実世界こそを、著者ならではのマジカルな言葉の力を駆使して「架空」に封じ込めようとする、文学的到達点。 -
飽くなき地景
土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、多数のビルを建て、東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の「無銘」の美しさに幼いころから魅せられていた。家に伝わる宝を守り、文化に関わる仕事をしたいと志す治道だったが、祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、「無銘」が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが……。やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で「無銘」にまつわる事件が巻き起こる。刀に隠された一族の秘密と愛憎を描く美と血のノワール。 -
アーセナルにおいでよ
スタートアップ企業を立ち上げようと奮闘する4人の訳アリな若者たち。 『バッテリー』『NO.6』から連なる、著者4年ぶりの現代青春小説! 若者たちに、生きていく武器をちゃんと身につけてもらいたい。 そういう思いを込めて書きました。――あさのあつこ 今、注目の起業家たちからも、絶賛のコメントが寄せられました! 「社会を変えるのは常にはみ出しものたちだ。生きづらさを武器に戦う若者たちの、起業物語」 ――家入一真(株式会社CAMPFIRE 代表取締役) 「僕も、自分たちで生み出した、眩いばかりの閃光に人生を変えられた一人。これは初期衝動からしか生まれない奇跡の軌跡!」 ――片石貴展(株式会社yutori代表取締役) 「高校生が挑む、自分たちの居場所革命! 正解のない時代に、生きる希望をくれる一冊」 ――福田恵里(SHE株式会社代表取締役/CEO・CCO) 【あらすじ】 「おれ、今度、起業するんだ」 幼馴染で初恋の相手・甲斐から突然呼び出された高校3年生の千香は、その文章力と思索力を見込まれ、スタートアップのメンバーとしてスカウトされた。会社の名前は「アーセナル」。“武器庫”を意味するという。容姿にコンプレックスを持つ千香。中学生で不登校になった甲斐。詐欺に巻き込まれて逮捕歴のある陽太。バツイチのコトリ。それぞれの痛みを抱えたメンバーたちは、起業という一つの目標に向かい、生きる「武器」を手に入れていく。 ネットの中傷、不登校、詐欺など学校や社会に馴染めずドロップアウトした4人の若者たち、彼らが起業という一つの目標に向かい、奮闘し、生きる「武器」を手に入れていく、まさに現代に求められる、青春小説の新たなる傑作です。 【著者プロフィール】あさの・あつこ 岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991年『ほたる館物語』で作家デビュー。97年『バッテリー』で第35回野間児童文芸賞、99年『バッテリーII』で第39回日本児童文学者協会賞、2005年『バッテリーI~VI』で第54回小学館児童出版文化賞、11年『たまゆら』で第18回島清恋愛文学賞を受賞。他の著書に『NO.6』『ランナー』『火群のごとく』『透き通った風が吹いて』『野火、奔る』など多数。児童文学から時代小説まで様々なジャンルの書き手として、幅広い世代に親しまれている。 -
僕たちの保存
メモリ16KBの青春がよみがえる。サブカル満載、大人のロードノベル 語り手“ゲンさん”「胃袋だけは十年前と同じで老けてないのかな」 年上の友人・武上さん「クラウドってのは、なんなの。なんか、たまに聞くけど」 その引きこもりの甥シンスケ「昭和のオタクは、足だけは丈夫なんです」 人気漫画家の亀谷さん「すごくいい話ですね」 ――新幹線、自転車、バス、テスラに乗って、おかしな一行は旅に出る。 震災被害者の形見のMSXパソコンが過去と現在をつなぎ、思いもよらぬ光が未来を照らす。 イーロン・マスクやホリエモンにはならなかった、あのとき無数にいた「僕たち」の物語。 千葉雅也氏推薦! 「何かが残る。残らないものもある。忘れられたものが回帰する。歴史とは、「どのように保存するかの歴史」だとも言えるし、文学もそのメディアのひとつだ。長嶋有の新作は、情報とモノの置き場が劇的に変わっていったこの約半世紀、すなわち「パソコン以後の世界」の本質を、静かに描き出そうとする。」 -
何かの家
その家には約束事がある。それは“決して一人で入ってはいけない”ということ――。 大学生の冬馬が夏休みに実家に帰省すると、父親から民俗学を学ぶ学生・雪穂のフィールドワークのためにある場所への案内役を頼まれる。そこは例の約束事がある家だった。目的地に向かう道中、雪穂は不思議な話をする。曰く、例の家には必ず誰か一人が囚われて、次の人が来ない限り永遠に出られなくなってしまう、というもので……。 ――これは、家にまつわるひと夏の物語。 -
猛獣ども
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「姦通」していた男女が熊に殺された—。 閑静な別荘地で起きた事件は、愛に傷ついた管理人の男女と、6組の夫婦に何をもたらしたのか。 愛の行方の複雑さを描く傑作長編! 「愛の行方」を書きながら、そもそも「愛」ってなんなのだろうとずっと考えていました。 自分にとって大切な小説になりました。 井上荒野 「このふたりは姦通していた」何度読んでも笑ってしまう。まるで私宛の手紙みたいだ。 —小林七帆 伽倻子と七帆はひと続きなのか? 結局俺は、伽倻子を愛したときから、ずっと同じことをしているだけなのか? —小松原慎一 そりゃあそうよね。男と女のことなんて、全部間違いみたいなものよね。 —柊レイカ ふたりはとんでもなくうまくいっている、幸せな夫婦なのだから、相手の挙動の変化には敏感なのだ。みどりはアトリエに忍び込むことになった。そして知った。 —神戸みどり テントの外には熊が、人食い熊がいるのだ。だが純一は、再び愛の体に没頭する。そう、愛に没頭するのだ。 —野々山純一 装丁 大久保伸子 装画 杉本さなえ -
若き見知らぬ者たち
★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 映画「若き見知らぬ者たち」 2024年10月公開予定 【出演】磯村勇斗×岸井ゆきの×福山翔大 【原案・脚本・監督】内山拓也 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 芥川賞候補「オン・ザ・プラネット」の著者が描き切る、鮮烈な人間ドラマ。 静かな怒りを、彩人は感じていた。 亡き父の借金。難病の母の介護。 先が見えない日々の中、昼も夜も働き続ける。 幾重もの困難に遭いながらも、弟や恋人、友人らの支えで、なんとか生活を送っていた。 だが、ある夜、思いもよらぬ暴力が降りかかる――。 目を背けたくなる痛みに対峙する、鮮烈な一作。〈文庫書下ろし〉 -
復讐の泥沼
『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作 『レモンと殺人鬼』 の著者が放つ新たな衝撃 企みに満ちた 戦慄のサイコサスペンス 彼を見殺しにした男達を私は許さない 純真な愛の果て! (あらすじ) 古民家カフェの崩壊事故に巻き込まれ、一緒にいた盛岡颯一を喪った日羽光は、彼を見捨てた医療従事者らしき二人の男を探す。なぜ彼らは颯一を助けようとしなかったのか、問いたださねば気が済まなかったのだ。やがて光は男のひとりの身許を特定して接触を図るが、彼は突如として何者かに銃殺されてしまう。一方、もうひとりの男・薬師も光の行方を捜していた。戦慄のサイコサスペンス! (著者プロフィール) くわがきあゆ 1987年生まれ、京都府出身。京都府立大学卒業。第8回「暮らしの小説大賞」を受賞し、『焼けた釘』(産業編集センター)で2021年にデビュー。2022年、『レモンと殺人鬼』(宝島社)で第21回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞。 -
モノ
モノレールに乗る人、モノレールを支える人。一本のレールがつなぐ人間ドラマを、お仕事小説の名手が、あたたかい筆致で描き出す。 2024年に開業60周年を迎えた「東京モノレール」を舞台に描く、日本初「モノレール小説」出発進行! 【本書の目次】 *清藤澄奈 三十五歳 総務部 *梅崎初巳 三十歳 運輸部、乗務区乗務員 *水村波衣 二十五歳 営業部、駅社員 *杉本滋利 四十歳 技術部、施設区線路 *『東京モノライフ』 *あとがき *おまけ 【著者メッセージ】 東京モノレールさんはおもしろいなと、前から思っていました。浜松町から羽田空港までモノレールを走らせる会社。 とてもわかりやすいです。でもそのなかには、運転士のかたがいて、駅員のかたがいて、保守のかたがいて、総務のかたがいるはずです。 その全員を書きたいなと、あらためて思いました。 ちょっとお話を聞かせてもらえたらうれしいんだけどなぁ。 東京モノレールさん。予想を遥かに超えてきました。神対応というものがもしあるなら、まさにそれでした。 望んだ人全員のお話を聞かせていただくことができ、望んだ以上のものを見せていただくことができました。 (本書「あとがき」より) カバーイラストレーション/古屋智子 -
フェイクドキュメンタリーQ
現在、チャンネル登録者数28万人超。ホラー好きの間で「今一番キている」とされる、モキュメンタリ―ホラーというジャンルを築いたパイオニア的存在。個人撮影した恐怖映像が偶然見つかったという設定で、未編集の動画を流すスタイルのジャンルである。見ている人が恐怖の疑似体験ができる所が人気を呼び、ファンが数多くの考察をしているという点も特徴である。 テレビ制作スタッフが、呪いのビデオを追い求め死んでしまった様子が映った動画、『封印されたフェイクドキュメンタリ―』は、再生回数81万回。他にも、防犯カメラに映る、エレベーターで失踪した女性の映像、ドライブ中に、カルト教団に拉致される映像などが人気である。現在19本の動画を出しており、いずれも、20~80万回再生数を誇り、圧倒的な人気を博しているチャンネルである。 「呪いのビデオの現在の行方」「エレベーターに映る女性は防犯カメラに向かって何を訴えていたのか」 今回の書籍は、この人行方不明のテーマのもと、チャンネル内で再生回数の多い、『封印されたフェイクドキュメンタリー』『-(basement)-BASEMENT』『フィルムインフェルノ』『Sanctuary』等をもとにしたホラー短編集。 テレビスタッフを呪った、「見たら死ぬ呪いのビデオ」の行方を新たに発掘する様子を描いたり、エレベーターで失踪した女性がカメラに向かって訴えていたことを明らかにしたりといった内容が明らかに!? 考察好きの方にとって、答え合わせの要素も含んだ短編集。 さらには、動画未公開の書下ろし作品も2作品収録。 -
明日町こんぺいとう商店街
巻末に特典イラスト付き! この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入口――。ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、短編を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな物語へといざないます。 -
小説 劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』
ゲーム累計2000万DL超え!アニメや音楽、コミカライズなど様々なジャンルで展開中のクロスメディアコンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』。 大人気『ウマ娘』から、劇場版ノベライズが登場! 「最強は、俺だ」――<トゥインクル・シリーズ>でのフジキセキの走りに衝撃を受け、レースの世界に飛び込んだジャングルポケット。トレーナーとともにデビューを果たしたジャングルポケットは、一生に一度しか走れない栄誉あるクラシック三冠レースに挑む。しかしそこに立ちふさがったのはアグネスタキオンやマンハッタンカフェといった同世代のライバルたちだった。新時代の扉を開く熱き戦いが、いま始まる――。 (c)2024 劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」製作委員会 (c)Kiyoko Yoshimura 2024 ※吉村清子さんの「吉」は、正しくは「つちよし」です。 -
spring
♛2025年 本屋大賞ノミネート! 構想・執筆10年―― 稀代のストーリーテラーが辿り着いた 最高到達点=長編バレエ小説 「俺は世界を戦慄せしめているか?」 自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家の萬春(よろず・はる)。 少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。 同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者―― それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。 彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。 一人の天才をめぐる傑作長編小説。 ♛読書メーター「読みたい本ランキング」月間1位(2024年2月2日〜3月3日/単行本部門) ♛今月の絶対はずさない!プラチナ本選出(「ダ・ヴィンチ」2024年5月号) ♛キノベス!2025 第10位 ♛第1回「あの本、読みました?」大賞第5位 ♛埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本第3位 史上初の直木賞&本屋大賞をW受賞した『蜜蜂と遠雷』や演劇主題の『チョコレートコスモス』など、 表現者を描いた作品で多くの読者の心を掴みつづける恩田陸の新たな代表作、誕生! ※電子書籍版には紙書籍版に収録されている「パラパラ漫画」と書き下ろし番外編二次元コードは付きません。 【目次】 I 跳ねる II 芽吹く III 湧き出す IV 春になる -
柳橋物語
「この物語、年代を問わず全ての女のためにあるのかもしれない。そして、本気で女を愛せる男たちのためにも」(あさのあつこ・巻末エッセイより)。「待っているわ・・・・・・」明日上方へ旅立つ男からの告白に幼い感傷で応えてしまったおせんが、その一途さゆえに歩むこととなった苛酷な生涯を描いた恋愛小説の傑作「柳橋物語」、万年補欠とも称すべき武家の四男としての人生を堂々とまい進する青年とその家族の物語「ひやめし物語」、あまりの世間しらずに幽霊たちもたじたじ・・・・・・講談調の滑稽譚「風流化物屋敷」。人間の諸相を巧みに、鮮烈に描き出した三篇を収録。(エッセイ/あさのあつこ、編・解説/竹添敦子) -
春のとなり
奈緒は、夫の仇を討つため、義父の文二郎と信州から江戸へやってきた。 ふたりは暮らしを立てようと、深川で薬屋を営むが、医者である文二郎の元には、貧しく医者代の払えない病人やけが人が次々と駆け込んでくるようになっていた。 そんなある日、深川の芸者・捨て丸が、惚れ薬を作ってほしいといってくる。 捨て丸の相手は、なんと有名な本草学者であった……。 奈緒たちは、藩の秘め事に巻き込まれながらも、市井の人々のたくましさと優しさに触れ 日々の暮らしを愛するようになるが――。 『貸本屋おせん』で、時代小説界に鮮やかにデビューした、期待の新鋭による飛翔の傑作長篇。 -
衝撃の1行で始まる3分間ミステリー
『このミステリーがすごい!』大賞 出身作家36名が競演! 3分で楽しめるショート・ミステリー集 私は五年後のあなたです 同期の男全員と寝てみたんだけど 犯人に復讐したい 意外な・とんでもない・魅力的な冒頭1行 (あらすじ) “「同期の男全員と寝てみたんだけど」”そう切り出した幼馴染の真意は?(新川帆立「深夜のファミレス同期会」)“私が家に帰ると、夫が私と不倫していた。”私がもうひとりいることを利用した殺人計画の顚末とは?(猫森夏希「私たちの殺意」)その他、密室内でアイスクリームに埋もれた死体の謎や、自分の進路を導いてくれる未来からの不可解な手紙の正体など、ショート・ミステリー全36編収録。 -
就活闘争 20XX
こんな地獄を乗り越えないと就職できない世の中、間違ってないか――? 20XX年の近未来、「ウルトラベビーブーム世代」の大学生たちが、今とは比べ物にならないほど激化した就職活動に挑む――。 主人公の太田亮介は、就職活動に熱が入っていない京都大学三回生。日本を牛耳る巨大企業「Z社」に入社するため、ようやく重い腰を上げて就活に臨むが……。 銃撃をかわしながら出身大学OBを探す「OB訪問」やSNSでの10万人フォロワー獲得をめざす「インターンシップ」、歴戦の就活猛者たちと激論をかわす「グループディスカッション」、そして多くの就活生が命を落とす「面接試験」。生死を賭けた選考に挑む就活生たちの悲劇を克明に描き、現代の新卒一括採用システムに一石を投じる、“就活エンターテインメント”登場! -
アンソロジー 舞台!
役を生きる俳優の輝き、世界観を作り出す舞台装置、息を潜めた客席の雰囲気。すべてが合わさって生まれる「舞台」は、同じものは二度と生まれない特別な空間です。きらびやかで華やかな非日常を楽しむ場所であると同時に、「誰かの人生を演じてみる」「そこに自分の人生を重ねてみる」意外に身近な場所なのかもしれません。自分という「役」を演じながら日々を過ごすわたしたちにとって、毎日が自分だけの「舞台」とも言えます。ミュージカル、バレエ、ストレート・プレイ、2・5次元……さまざまな舞台をテーマに描かれた五つの物語を収録した文庫オリジナル・アンソロジー、開幕です。/【目次】ここにいるぼくら=近藤史恵/宝石さがし=笹原千波/おかえり牛魔王=白尾 悠/ダンス・デッサン=雛倉さりえ/モコさんというひと=乾 ルカ/解説=三宅香帆 -
私、産まなくていいですか
鎌倉の海辺のホテルで、ウエディングプランナーとして働く美春。一つ年上の夫・朋希の40歳の誕生日に、ライカのカメラを奮発したことから二人の仲がぎくしゃくしはじめる。結婚するときに、子供はいらないと充分確認し合ったはずなのに、将来のために子供のことを考えたいと言い出したのだ。それからは母親の手術をきっかけに、不妊治療中の姉夫婦とも不仲になるなど、朋希との隔たりは一向に修復できないまま。そのあげく、二人は子どものことが原因で離婚に至るのだった……「独身夫婦」/結婚12年。夫が突然家を出ていき、義母と息子、友人カップルたちと鎌倉の古民家に同居することになり……「拡張家族」/再婚同士、45歳で結婚した花葉はどうしても二人のDNAをこの世に残したくなり、最新技術を求めて海外へ……「海外受精」──妊娠と出産をめぐって“女性の選択”を問いかける小説集! -
ブロークン・ブリテンに聞け 社会・政治時評クロニクル2018-2023
EU離脱、コロナ禍、エリザベス女王逝去。混迷する「五年一昔」の記録 ポスト・ブレグジットの英国もどうなるかわからないが、ポスト・エリザベス女王の英国も同じくらい不透明ーーそう記してから3年。EU離脱、女王逝去を経た「今」を伝える時評を文庫化に際し数多く収録。多様性とともに分断が進み、転換点を迎えつつある英国の姿が日本にも重なる、「地べたの社会学」決定版! 果たしてこれでいいのか、と誰もが思っている。 ではどうすればいいのか、と共に思考する一冊。 武田砂鉄(ライター) 英国の地べたから世界を見つめる傑作時評集、増補決定版! 「何かが壊れている」とみんな思っている。 この国が「ブロークン」の元凶に手をつける方向に動き出すとすれば、2024年はブリテンの修復が始まる年になるかもしれない。 英国だけでなく、世界が「ブロークン」の状態から抜け出すために、この記録が何らかのヒントになればと願っている。(本書より) -
アルゴリズムの乙女たち
第2回次世代作家文芸賞特別賞受賞作! 競プロ部を生まれ変わらせたいーー大学生の愛奈は、部長の小百合に誘われて競技プログラミング部に入部した。プログラミングスキルを競い合う団体競技で、目標はなんと全国大会出場!小百合ともう一人の部員・凉子とともに厳しい練習を重ねる愛奈。しかし三人の前には高すぎる壁が立ちはだかり……。 紡がれていく英数字と記号にこんなにも心躍るのか。 いまだかつてない「競プロ小説」が誕生! 第一章 出会い 第二章 乙女たちの始動 第三章 ブレイクスルーを求めて 第四章 強敵 第五章 Blue Water, Blue Sky 第六章 天高く乙女肥ゆる秋 第七章 試練の向こう側 第八章 ラスト・デイズ 終 章 -
蜘蛛
【『NEEDY GIRL OVERDOSE』作者にゃるらが贈る、美しくどこまでも墜落していく青春小説】 ───────────────────────────────────────── 現代、東京。 少女は「かな」という名前だ。 絶望にはまだ届かないほどほどの孤独を感じている。 巨大SNSぽけったーで知り合ったアニメアイコンたちと、 行き場のないオタクとの自堕落なオフ会を続ける日々。 ある少女との出会いが「かな」の人生に彩りをもたらす。 彼女はすべてが儚く、美しく、天からの贈り物のようだった。 その美しい少女は、「あめ」と名乗った── ───────────────────────────────────────── 誰かに求められる、何者かになりたい。 何者かになれるのではないか? そう思ったことはありますか? 1人でもそんな人がいるのであれば、 この物語はあなたのために存在します。 -
国歌を作った男
21世紀前夜にアメリカで大ヒットしたゲーム「ヴィハーラ」。 新作が出るたびに人々を熱狂させ、夢中にさせた国民的ゲームの裏側にいたのは、一人の孤独な男、ジョン・アイヴァネンコ。 友人は少なく、幼い頃からプログラミングと音楽に親しみ、たった五年生のときに「ヴィハーラ1」をつくりあげた。 その彼がアメリカンドリームを掴むまでに一体何があったのか、そしてそれでも拭い去れなかった孤独の影にあったものとは。 やがて「国歌」とまで謳われるほど膨れ上がった「ヴィハーラ」音楽の作曲者。 その生涯を描いた一遍をはじめ、13篇を収録。 宮内悠介のつくりあげる世界は、美しいだけでなく温かい。 笑いと涙、驚きに満ちた短編集。 -
チワワ・シンドローム
「弱くなりたいと思うのって、そんなに悪いことですか?」 若い世代から厚い信頼を集める著者が、〈弱さ〉アピールのはびこる 現代のリアルを優しくあぶり出す会心の一作! ■あらすじ ある日、知らない間に “チワワのピンバッジ” が付けられていたという 呟きがネットに溢れた。その数、なんと800人以上! 主人公・琴美の想い人も、被害者のひとりだった。 〈チワワテロ〉と呼ばれるこの奇妙な事件の直後、彼は姿を消してしまった。 「僕のことはもう信じないで」とメッセージを残して――。 どうして彼は姿を消したのか? 琴美は、親友で「全肯定インフルエンサー」のミアとともに、 彼の失踪とチワワテロの謎を追いはじめる。 炎上時代の本音に迫るリアルタイムストーリー! -
皇帝陛下の御料理番
険しい山間で猫又妖怪とひっそりと暮らす少女・紫乃は、ある日川から流れてきた美しい男――皇帝・凱嵐を助ける。 「御膳所で働くか、この場で斬って捨てられるか……どちらでも好きな方を選ぶが良い」 紫乃の料理に惚れ込んだ凱嵐に強引に連れ去られた先は、皇帝が住まう豪奢な天栄宮。紫乃は、皇帝の口に合わない食事を作れば首を刎ねられると噂の御膳所の「料理番」に任命されてしまう! 礼儀作法も知らない紫乃に周囲は反発するが、次第に彼女の料理で宮廷は変わっていき――!? 「第8回カクヨムWeb小説コンテスト」カクヨムプロ作家部門《特別賞》を受賞した、成り上がり宮廷グルメ物語! -
御社のチャラ男
コロナ禍直前の2020年初頭に刊行され、各紙誌書評で絶賛された著者の“会社員”小説史上最高傑作ともいえる『御社のチャラ男』が、ついに文庫化! いませんか? こんなひと。 どこにでもいる、軽くて世渡り上手なチャラ男。 わかっていますか、本当の彼のこと。 組織に属する「私たち」の実態にせまる“会社員”小説の傑作! ジョルジュ食品はオイル、ビネガーなどの商品を扱う地方の小さな会社だ。 社長のコネでやってきた三芳部長は、社内でひそかにチャラ男と呼ばれている。 自分には自分がないと悟る三芳と、彼のまわりの人々が彼を語ることで見えてくる、この社会に生きる私たちの現実。 すべての働くひとに贈る傑作“会社員”小説。 「どこか滑稽な書名に騙されてはいけない。ここに描かれるのは、組織なるものの実態であり、現代社会の問題や病理であり、働いて生きていくという営みの本質である。ジョルジュ食品という、地方の小さな会社を舞台にして。よりによって、チャラ男を軸に据えて。(略)頁を閉じたとき、きっと誰もが、濃密な塊を受け取ることになる。言葉で容易に説明できないその塊は、読者個々の体内を長い時間掛けてさまよう。本作で得たものと、私たちは共に生きていく」(木内昇「解説」より) -
げんじものがたり
“今”の京都の声でよみがえる、源氏物語! 「紫式部が隣でおしゃべりしているかのように綴られる、 若き日の「光君」の物語に、ぐっと引き込まれました」 ―本上まなみ(俳優・エッセイスト) 「桐壺」帖から「葵」帖までの9帖を原文に忠実に訳した、 作家・いしいしんじによる平安京の大ベストセラー恋愛物語。 光源氏が誕生する「桐壺」帖から、のちに最愛の女性となる紫の上が登場する「若紫」帖を経て、 正妻・葵の上のもののけによる死が描かれる「葵」帖(源氏23歳頃)まで、 9帖を抄訳して収録。光(ひかる)君(くん)の若き日の成長譚と、さまざまな姫君たちとの華麗な恋愛絵巻が描かれます。 源氏物語に詳しい人はもちろん、読むことを敬遠してきた人へ。 令和に蘇る平安の宮中恋愛劇を、ゆるりとお楽しみください。 -
おわかれはモーツァルト
盲目のピアニストが殺人事件の容疑者に? 友人のピンチに天才ピアニスト・岬洋介が駆けつける! 累計175万部突破の“音楽ミステリー”シリーズ! 友人のピアニスト・榊場を助けるため、岬洋介が活躍する『おわかれはモーツァルト』が待望の文庫化です。 盲目ながらショパン・コンクールで2位に入賞したピアニストの榊場隆平は、クラシック界の話題を独占し人気を集めていた。しかし、「榊場の盲目は芝居ではないか」と絡んでいたフリーライターが銃殺され、榊場は一転犯人として疑われることに。そんな友の窮地を救うべく、榊場と同様、ショパン・コンクールのファイナルに名を連ねたあの男がやって来て……。 -
推理大戦
日本のある富豪が発見したという「聖遺物」。 世界的にも貴重なその「聖遺物」を手に入れるため、世界中のカトリックそして正教会は、威信と誇りをかけ「名探偵」を探し始めた。 いったい、なぜ? それは、「聖遺物争奪」のために行われる、前代未聞の「推理ゲーム」に勝利するため。 アメリカ、ウクライナ、日本、ブラジル――。選ばれた強者たちは、全員が全員、論理という武器だけでなく「特殊能力」を所有する超人的な名探偵ばかりだった。つまり、全員が最強。しかし勝者は、たったひとりだけ。 つまり、真の名探偵も、たったひとり――。 世界最強の名探偵は、誰だ? -
ミナヅキトウカの思考実験
水崎大学数学科に通う神前裕人(かんざきひろと)は、ひょんなことから殺人事件の現場に遭遇。被疑者として警察署に連行されてしまう。嫌疑をかけられたままの状態に不安を感じた裕人は、刑事の促しに応じる形で、自身が通う大学の怪異研究会に足を運ぶことに。そこでオカルトマニアの水無月透華(みなづきとうか)との出会いを果たした裕人の日常は、その日を境に一変。透華に振り回されながら、さまざまな事件の現場に足を踏み入れていくことに…。 街中で突如燃える女、棺の内側から響く物音、目だけくり抜かれた死体…怪異の仕業とも取れる事件の真相を、「思考実験」をもとに導き出す超常×解決ミステリー! 装画:wataboku -
紫式部は今日も憂鬱 令和言葉で読む『紫式部日記』
『エモい古語辞典』の著者最新作 2024年大河で話題!「紫式部日記」を令和言葉で超訳 1000年前も現代も、悩むことは皆同じだった―― シングルマザー兼ひきこもり作家の紫式部は、ある日後宮で働くことに。 「『源氏物語』のファンです!」と話しかけてくれる人がいたらいいなと思っていたら、 同僚の令嬢たちは氷のように冷たくて、完全にアウェイ。 現代人からしてもやる気が急低下しそうな職場で、紫式部はどう生きたのか。 “天然キャラを演じる”という処世術を編み出したり、 「出家したい」と愚痴ったり。 日本史で一番有名な女性の中の一人なのに、とても身近な感覚を持った人だとわかります。 そんな日々を綴った『紫式部日記』は、お仕事成長譚としても、 引っ込み思案な女子の内面を覗き見られる面白い手記としても読めます。 本書では、原文を30代OL風の言葉でわかりやすく訳し、 かわいらしい猫のキャラクターが平安文化を解説。 かわもとまいさんによる美麗なイラストを40点以上掲載し、 古典になじみのない方も楽しく読めるようになっています。 また、以下の用途でも本書を役立ていただけます。 ◆2024年大河の副読本として ◆日本史や古文の世界に親しむ導入として ◆加持祈祷や宮廷儀式など当時のリアル記録が満載!創作の参考にも 「口語にしてみたら、まるでカフェで隣から聞こえてきたOLたちの愚痴のようで、紫式部がますます身近に感じられたのですが、いかがでしょうか」(あとがきより) 【目次】 第一章 初マタ中宮様とバタバタ藤原家 第二章 出産レポ 第三章 産後はパーティ三昧 第四章 帝が土御門邸にやってきた 第五章 誕生五〇日パーティは大波乱 第六章 中宮様、宮中へ帰る 第七章 平安京ガールズコレクション(五節の舞姫) 第八章 年の暮れに大事件勃発 第九章 女房たちについていろいろ言いたい 第一〇章 私もたいがいなんですが 第一一章 浮かれてはいられないお年頃 第一二章 中宮様、二児の母になる -
るん(笑)
結婚式場に勤める土屋は、38度の熱が続いていた。解熱剤を飲もうとすると妻の真弓に「免疫力の気持ち、なぜ考えてあげない」と責められる(「三十八度通り」)。真弓の母は、全身が末期の「蟠り」で病院のベッドに横になっていた。すぐに退院させられ、今後はその病気を「るん(笑)」と呼ぶ治療法を始めることになる(「千羽びらき」)。真弓の甥の真は、近くの山が昔の地図にはないと知り、登りはじめた。山頂付近で、かわいい新生物を発見する。それは、いまは存在しないネコかもしれなかった(「猫の舌と宇宙耳」)――スピリチュアルと科学が逆転した、架空の日本で繰り広げられる不条理劇。日本SF大賞を二度受賞した奇才が放つ、あなたの常識が崩壊する連作小説。
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