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Posted by ブクログ
出会いなおしたい、と思った。
でもきっと出会っている時のあの時の空気はもうもたらされない。
重ねた年月は酷く重厚な高い壁で、絶対にそれは越えられない。
だからこそ、出会いなおしたい。
あなたを忘れて過ごした年月のなかでの
積み重ねた間違いや喜怒哀楽の果てで
例えばそれぞれの経験値のようなものがあれば
30が40になったわたしと
50が55になったあなたは
もはや全く別人格で、もう惹かれ合わないかもしれないけど、それはそれできっと温かく柔らかく解される感覚になると思う。
根拠はなくて、なんとなくだけどそう思う。
そして一方で、いま出会っていて
言葉を交わす間柄のあなたも
いつかきっと別れの時がくるかもしれない。
永遠なんてそうそうないものなので。
その時、またいつかの出会いなおしが尊いものになるように、今この時の、わたしとあなたを全うしたい。
出会いなおしたくなります。
表題作は題名から転生ものかなと思ったら、ひとつの人生の中で再び出会う話でした。
「出会いなおし」という題名は表題作だけのもので、他の話はそれぞれ別の題名がついていますが、どれも何かしら再会にまつわる話で統一感がありました(「カブとセロリの塩昆布サラダ」は再会の話ではないかな?でも似た感情を呼び起こすから不思議です)。
全部すごく良かったです。この本を読むと、長生きしたくなっちゃいます。取り返しのつかないことなんてほとんどないんじゃないかと前向きな気持ちになり、年を取るのが楽しみになります。森絵都先生のそういうところが本当に大好きです!
Posted by ブクログ
SNOW SHOVELINGでシークレットブックを購入し、入っていたのがこの本だった。
特に分かりやすくて気に入ったのは表題の出会いなおしと、むすびめ。
自分って出会う人によって形成されていくし、その出会う人も私や、別の人によって時間と共に形成されてって。
だから何年か後に会ったら、全く違うその人に出会えるんだなって思った。ヘラクレイトスの人は同じ川に二度と入ることはできないって言葉のとおり。
まさに今大学も卒業間近になって、
昔は毎日顔を合わせていた中高の同級生や、元アルバイト先の人に再開すると変わったな、悪く言えば変わっちゃったなって思うこともあるんだよね。
でもそれは私だってそう。
でも、その「変わっちゃった」という一言で終わらせると、その人の数年間を見ないことにもなってしまう。
「なんでそんなふうに変わったんだろう」
「その数年間で何があったんだろう」
と興味を持って接すると、その人は昔の友達じゃなくて、今のその人として見えてくる。
変わったことを疎ましく思うんじゃなくて、変化した旧友を知ろうとすること、興味を持つこと、が大事なんだなって感じたな。
歳をとって、同じ人に出会い直せるという見方は素敵だし、再会の形が豊かになると思った。
Posted by ブクログ
人生を考えるとき、ふいに宇宙を1人で飛び回る星を思い浮かべることがある。
長い人生・広大な宇宙の中で、星も人も孤独だ。それでも宇宙を漂っている限り、他者との出会い、別離は何度でも訪れる。その出会いは、激しい衝突かもしれない。一瞬だけ限りなく近づいてまた離れていく近接遭遇かもしれないし、あるいはその後何万年もかけた再会なのかもしれない。双子星のように違いに美しい螺旋を描きながら飛んでいくことにもなるのかもしれない。そして出会うたびに万有引力でお互いに影響を及ぼし合っていく。
重力の大きさや進む速度によっても、時間の流れは変わる。濃密な期間を過ごしたりそうではない期間もあったりと、宇宙も人生も密度というものはどうも一様ではないみたいだ。
宇宙も人生も、なかなか思うようには行かない。不慮の事故もあれば思いがけない幸運もある。カオスに満ちた世界だからこそ、人生はおもしろいのかもしれない。
Posted by ブクログ
「年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出合い直すということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。路上のかげろうと同化していくナリキヨさんの後ろ姿を見送りながら、私は泣きたいくらいに強く、面白い、面白いと思いつづけたのだった。」
久しぶりの森絵都作品
短編集で空き時間に読むのに最適のボリュームだった
ここ最近少し重い内容のものが多かったので、ほっこりするストーリーが読みたかった。
何作読んでも瀬尾まいこ作品や一穂ミチ作品のように、セリフやストーリーの文章でリラックスしたり、落ち着く感じがして読後感が良かった。
大切な人や心に残った人と再会することを心待ちにしてその関係性を大切にしよう、だったり新しい人と出会うことを楽しみにすることができる本だった。
他の作品も読みたい。
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小説・文芸
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