あらすじ
気まずさも、衝突も、痛みも超えて、人は何度も出会いなおせる。
「愛する勇気をもらえる一冊」 ――中江有里
イラストレーターの時子は、かつて共に仕事をした編集者のナリキョさんから、仕事の依頼をふたたび受ける。年を重ねて時子が得た感慨とは。(「出会いなおし」)
ほろ苦い思い出のある小学校の同窓会に出て知る、意外な事実。(「むすびめ」)
人々の出会いと別れ、そして再会を描く珠玉の六篇をおさめた短篇集。
解説・中江有里
※この電子書籍は2017年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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いろんな出会いなおし!!
ストーリーの内容にほのぼのしたり、構成に驚かされたり、ただただのめり込んだり。
楽しく、面白く、満足に読めた一冊だった。
いつかいい出会いなおしがあるといいな、って。
Posted by ブクログ
タイトルの通り、再会やもう一度会いたいという気持ちをテーマにした短編集。各短編につながりはなく独立しているっていうのも潔くて良い。最近は連作短編が多くて、最後の伏線回収もなんだか食傷気味で…とこれはこの本のレビューとは関係ない話。
つながりがないだけでなく、結構個性がバラけた作品を集めている、と言っても捨て作があるんではなく、全編通して全部好みっていう読者は少ないんじゃないかなと思える程度に嗜好性がバラけている。
「カブとセロリの塩昆布サラダ」と「テールライト」の振り幅はすごいなぁ、と思えるのだ。
かと思えば、表題作や「むすびめ」のような、ど真ん中にも正々堂々と突っ込んでくるし。
力量なければこんなことできないと思う。決して厚みのある本ではないけど、森絵都の力と技の融合(V3か!)堪能いたしました。
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森さんの本は読みやすくて好きです。普通の日常のそういうことあるよね〜が心地よく描かれてて読後スッキリするのが好きです。が、今回のはちょっと重めのもあって、すごく心に残りました❤️
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出会いと別れがテーマとなっている。じんわり心が温まる話もあれば、ちょっとホラーな話もあり。バラエティに富んでいて読み応えのある短編集だった。
テールライトが特に好き。タクシー運転士と乗客、川を挟んだそれぞれの村に住む男女、闘牛士と闘牛、次第に心がすれ違う外国の夫婦。どの話も切なかった。また出会いなおしたいと思える人との出会いは美しいと思った。
Posted by ブクログ
出会いと別れと、なんだか緊張感のある短編のひとつひとつ!
「カブとセロリの塩昆布サラダ」を買った主婦の、えっ?これ大根でしょ!と言うクレームに気を取られている間に、何気なく日常的に起こる発泡事件。あやうくスルーしてしまいそうなくらい、一億総平常心が浸透している!
そして最後の「青空」にはもう手に汗!息が詰まった!
めちゃくちゃ青い靴下買いたくなった!
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・出会いなおし
人は変わっていく
数年後の再会ていいよね
・カブとセロリの塩昆布サラダ
デパ地下で買ったカブのサラダが大根だった。
クレーマー扱い悲しい。
返金すればいいんでしょ。て態度いや
大根だったとわかってくれてよかった。
主婦がんばってるなぁ
・ママ
重いかなしみとからっぽのかなしみか…
ママは、なんだろみんなの心の良心?
最初の夫が頭おかしいか、息するように嘘つく人なのかと思った。
・むすびめ
子どものころに失敗しちゃったことをずっと気にしてたけど、同窓会でちゃんと聞けてすごい。
みんなは気にしてなくてよかった。
あと、パートナーだった男の子は、自分の理由で手を差し伸べられなかった事実がわかってよかった。
同窓会ていいなぁ。
やってみたい。
・テールライト
転生もの?て思ったら全部辛くて…
最後は幸せになると思ったのに。
どうか、どうか、どうか…
で全部終わるの切ない。救いがない。
・青空
どうしようもなく壊れてしまったもの、失われてしまったものはもう二度と取り戻せないけれど、ヒビのあいだから光を探して生きていくことはできるかもしれない
愛する妻が病死して、9歳の息子を義父母に預けようかと向う途中の高速道路で事故にあい走馬灯を見る
いい話だった
人を愛したい
出会いなおしたくなります。
表題作は題名から転生ものかなと思ったら、ひとつの人生の中で再び出会う話でした。
「出会いなおし」という題名は表題作だけのもので、他の話はそれぞれ別の題名がついていますが、どれも何かしら再会にまつわる話で統一感がありました(「カブとセロリの塩昆布サラダ」は再会の話ではないかな?でも似た感情を呼び起こすから不思議です)。
全部すごく良かったです。この本を読むと、長生きしたくなっちゃいます。取り返しのつかないことなんてほとんどないんじゃないかと前向きな気持ちになり、年を取るのが楽しみになります。森絵都先生のそういうところが本当に大好きです!
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6つの短編集。
友だちにおすすめされて読んだ。むすびめや青空は読みやすいと感じた一方で、テールランプは伝えたい事が難しいなと感じた。
テールランプの最後
相手を掌握することは出来ないと感じた。
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年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。
印象的な言い回しで1話目は文が閉じられる。
初めて仕事をした時と2回目に仕事をした時では全然印象が異なる「ナリキヨ」さんは、しかし、7年のときを経て、私の目にはどちらの彼もいるように見える。ひとは、ひとと会う時、話す時、きっとそのひとのすべてを一度で知ることはできないんだと思う。2度、3度と回を重ねるごとに印象が変わる場合もあれば、変わらない場合もあって、でも、すべてを知ることはたぶんきっとない。自分自身のことも完璧に分からないように、他者のこともきっと完璧にわかるなんてことはない。でも、それでいいのだと思った。
年を重ねて、何度も会って、何度も話していくうちに少しずつ知り合えばいい。そう思える作品だった。
Posted by ブクログ
人は人生の間、はたまた人生を超えて何度も出会い、別れ、再会をする。出会いなおすことで、他者が変わったように思うこともあるが本質は変わっていなくて、それは新たな一面を知ることなんだと思った。出会いなおすことが過去や今の自分の救いになっているお話が多くてよかった。
個人的に好きなのは「テールライト」。
Posted by ブクログ
出会いなおし、カブとセロリの塩昆布サラダ、ママ、むずびめ、テールライト、青空で構成されている出会い『出会い(人とのつながり)』にまつわる短編集。
結局のところ縁のある人はいつかどこかで出会う、再会するようになっているんだな~~と感じた。 『年を重ねるということは、同じ相手に、何回も、出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。』カブとセロリの塩昆布サラダとむすびめが中でもお気に入り。
Posted by ブクログ
人は人に何回も出会い直す。
これから先の未来が楽しみになるな
「わかりあうために必要な年月もある。
人は生きるほどに必ずしも過去から遠のいていくのではなく、時を経ることで初めて立ち返れる場所もある。」
「年を重ねるということは同じ相手に、何回も出会い直すということだ。会うたびに知らない顔を見せ人は立体的になる。」
解説
「人はそう簡単にわからない生き物。
たとえだんなに親しい相手だとしてもその一面しか見ていない、もしくは知らないのかもしれない。
他の面を見るためにはある程度時間がかかる。そのために人は同じ相手に出会い直しする必要がある。」
Posted by ブクログ
大好き森絵都さん!!!!
中学生の頃から読んでいるけど、変わらず心にスッと入ってくる文章と、話の切口。
カブの料理のレパートリーを見たときは思わず「うわ、こんな小説は初めてやわ...」と声に出して、ページをめくっても続いていた時は苦笑した。おもしろすぎる。
手汗が絶え間なく出るという友人の話を聞いた後に読んだ「むすびめ」でも苦笑してしまった、カウボーイの嫁、私もなりたい。
出会いなおし、という言葉をみて、谷川俊太郎を思い出した。「ほんとうに出会った者に別れはこない。」という言葉を。
もう会えない人を近くに感じたり、すごく変わった姿で出会いなおしたり、来世で出会えるかもしれないという希望を抱いたり。
ほんとうに出会えていたならいいな。大切に思ってしまうあの人と。
Posted by ブクログ
『出会いなおし』というタイトルから素敵な言葉。
人との出会いの不思議さをまだ感じれていないわたしだけど、、、あの出会いがなければ今の自分はない、と思える思い出はある。あの人のあの言葉がなければ、今のわたしの考え方価値観はなかったな〜って不意に思うから、そういうことだったんだ。
6編あったけど、どれもよかった…!!
強いて言うなら『むすびめ』
たかが小学生時代の思い出だけど、その後の人生を左右するくらい人の記憶に残ってしまう。わたしもあるな、小学生時代の思い出。なんなら、幼稚園の時から背が高いのに背の低い男の子にいじめられてたから、気が弱くなった(笑)
表題作の『出会いなおし』の「年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる」いう言葉。人はそう簡単にわからない、自分のことだってわからない、人と人は関わることで意外な自分を知る。わたしもこれから出会いなおして、自分のこともっと知りたいな〜
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出会いと別れ、再会を描く短編6編。
人は歳を重ね出会いなおすことで自分も相手も新しい一面が見えてくる。
歳を重ねる楽しみ方がひとつ発見できてうれしい。
他とテイストが違うカブの話、尋常でない主人公の心の動き、そして怒涛のレシピ、また読み返そうと思う。
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春、出会いと別れの季節。何度経験しても別れは辛い。心が締め付けられる。他の解決策もない。別れる。それ自体を受け入れ、ぐちゃぐちゃした気持ちを整理する以外、選択肢がないことに、悔しくて苛立ちも覚える。けど、別れるということは再会する可能性もあるわけで。次再会した時が楽しみだなっていう考えを教えてくれる作品
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意外にも表題作以外が好き。
ママ
ムーミンのママに会いたくなるときは、私にもある。
森さんの描写によって、あったような気持ちになれた。
むすびめ
子供だったからこその切ない記憶も雪解けするときがくることも、
そうだよなぁと、心にずっと溶け込む。そんな森さんの小説が好き。
テールライト
想像力をくすぐられる。楽しかった笑
Posted by ブクログ
ええっと、とりあえずまず「テールライト」のオチはどこにあるのでしょうか。意欲作かと思いましたが、ちょっとスッキリしなくてもやもやしています。
が、そのほかの話は本当に素敵でした。「出会いなおし」という表題作のタイトルは本自体のタイトルとしても実に適切で、短編集でありながらテーマが一貫して没入しやすかったです。
作品ごとにまさに人生(牛生?)模様様々で面白いですが、「カブとセロリ~」の語り口が大好きです。ちょっと狂気じみてますけど、それでもほっこりさせられてしまうのは、森先生の作品ならではでしょうね。
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歳を重ねるたびに、出会いと別れを繰り返し、人は変化していく。あの頃のままでと期待する気持ちもあるが、お互いの知らない一面を知ることも素敵だなと思わせてくれる。カブとセロリの塩昆布サラダ」は他の話と一味違い、怒りや不気味さも含まれていて面白かった。
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短編6個、どれも身近な話で楽しく読めた。
だいぶ独特な瞬間の切り取りでものによってはあまりはまんないものもあったけど、好きだったのは「出会いなおし」「むすびめ」
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まさにこの本と出会いなおし。
昔読んだことをすっかり忘れて読みました。
短編小説集ですが、どの物語もすぐに記憶の奥底にあったのを思い出しました。
不思議な巡り合わせや人の変化の物語。
十数年前に読んだと思われますが
やっぱりどの物語も今と昔の印象が全然違うもので
歳を重ねるって自分の捉え方や価値観がこんなに変わるんだなと感じました。
若い時はとにかく不安定な面が大きい。
昔読んだ本を改めて読んで昔との変化を感じるのも
自分にとって大切な価値観や成長を見出せる術になるということを体感できました。
Posted by ブクログ
森さんの短編集。再読。
何をテーマにまとめられたのかなと色々考えてはみたが、タイトルとのつながりがピンとこない作品もいくつかあった。
特にタクシー運転手と客、闘牛士と牛、その後の夫婦の話はなんだかよくわからなかったかなぁ。
人は時を経て出合い直すことで見えることもあるし、自分の感情について向き合い直すことで見えることもあるし、みたいなことかなぁ。
Posted by ブクログ
年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。
出会いや別れを描いた短編集。表題作はよかった。他は少し物足りなさを感じる作品もあり。
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大好きな森さんの文章なので、味わいながら読みました。くすりと笑う序盤から少し不思議な感覚の後半へ、さまざまたちなテイストの出合い直しの物語でした。
Posted by ブクログ
人と、自分と、出会いなおす。
人も自分も、質を変えてゆくものなんだなぁ。
森さんの紡ぐ本書の言葉が、
これまでの、そしてこれからの、
自分の出会いと別れを肯定してくれる気がした。
振り返ってみると、
大切な人と時間を経てからふたたび会うとき、
過去も今も重なる部分をその人の中に感じると、
とても愛おしくあたたかく感じることがあるなぁ。
変わっているけど、変わっていない、という感じ。
出会いも、別れも予測できないものだから、
気負いすぎずに、人も自分も大切にして生きようと思った。
Posted by ブクログ
友人におススメされておきながら、長いこと積読リストに入れていた作品です。
出会いなおす、というテーマでの短編集でした。
人生は今だけじゃない。自分も相手もいろんな経験を経て出会いなおすことで、より豊かな関係を作り出せるって素敵だなと思いました。
「再会」より「出会いなおし」という言い方がぴったり。。
Posted by ブクログ
この作家さん、私にしてみれば結構当たり外れの振れが大きいのだけど、今度はこの一冊の中でそんな感じ。
良かったのは、次の3つ。
「出会いなおし」…ずっと無邪気に無防備に人の温かさにも気づかずそれを当たり前と思って生きてきてしまい、漸く今となって他人がどう思うのかを気になり出したりしているもんで、若い時から“敵から身を守るような目”で生きていかざるを得なかった人が『年をとるって、面白い』って言うのを聞くのはなかなか羨ましかったのでした。
「カブとセロリの塩昆布サラダ」…ひとつ間違えば少しずれたおばさんの話になるところを藤木くんが二切れ目を食べてくれたお蔭でいい話になった。
「むすびめ」…30人31脚、あったよねぇ。15年振りに話が出来て良かったねぇ。
「テールライト」…個々の話は別に悪くないのだけど、4つの話がひとつのタイトルの下に並べられると???ていう感じ。
「ママ」とか「青空」は何となく苦手。