【感想・ネタバレ】出会いなおしのレビュー

あらすじ

気まずさも、衝突も、痛みも超えて、人は何度も出会いなおせる。
「愛する勇気をもらえる一冊」 ――中江有里

イラストレーターの時子は、かつて共に仕事をした編集者のナリキョさんから、仕事の依頼をふたたび受ける。年を重ねて時子が得た感慨とは。(「出会いなおし」)
ほろ苦い思い出のある小学校の同窓会に出て知る、意外な事実。(「むすびめ」)

人々の出会いと別れ、そして再会を描く珠玉の六篇をおさめた短篇集。

解説・中江有里

※この電子書籍は2017年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集

・出会いなおし
人と何度も出会いなおす

時間が経てばそれぞれ色んな人生を歩んでいくなかで、自分の知っている相手ではなくなることもある。
それは悪いことではなく、同じ人に何度も出会い直し、そうして立体的になっていくんだと思った。


・カブとセロリ
顧客対応と重ねてしまった。
時には正直に、相手と向き合うことが大事だとおもった


・むすびめ
物事の感じ方は人それぞれ。些細なことでも深く傷ついたり後悔していることってあるよな、と。
それで勘違いしていることもある。
昔のこと、気にしていたこと、言いにくなったこと、今だと言葉にできることもある気がする。伝えられる人には伝えていこうかな。

・テールライト
さまざまな関係の相手のことを思い、祈る。
切なくなった。
最後の原発の話は特に。
幸せを手に入れると、いつかなくなるのではないかという不安が出るという点はとても共感。
大切な人が、どうか、幸せで過ごせますように、来世でも会えますように、または結ばれなくてもいいからどうか幸せで、、という願いが切ない。

・青空
すっきり、かつ少し切なく感じた。

短編集だが、全体を通して、人との出会いや人を想う気持ちが題材にされており、心があたたかくなったり切なくなった。
大切な人を大事に、願わくば長く一緒に幸せにいられますように。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルの通り、再会やもう一度会いたいという気持ちをテーマにした短編集。各短編につながりはなく独立しているっていうのも潔くて良い。最近は連作短編が多くて、最後の伏線回収もなんだか食傷気味で…とこれはこの本のレビューとは関係ない話。

つながりがないだけでなく、結構個性がバラけた作品を集めている、と言っても捨て作があるんではなく、全編通して全部好みっていう読者は少ないんじゃないかなと思える程度に嗜好性がバラけている。

「カブとセロリの塩昆布サラダ」と「テールライト」の振り幅はすごいなぁ、と思えるのだ。
かと思えば、表題作や「むすびめ」のような、ど真ん中にも正々堂々と突っ込んでくるし。

力量なければこんなことできないと思う。決して厚みのある本ではないけど、森絵都の力と技の融合(V3か!)堪能いたしました。

0
2025年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

出会いと別れと、なんだか緊張感のある短編のひとつひとつ!
「カブとセロリの塩昆布サラダ」を買った主婦の、えっ?これ大根でしょ!と言うクレームに気を取られている間に、何気なく日常的に起こる発泡事件。あやうくスルーしてしまいそうなくらい、一億総平常心が浸透している!
そして最後の「青空」にはもう手に汗!息が詰まった!
めちゃくちゃ青い靴下買いたくなった!

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2024年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

友人におススメされておきながら、長いこと積読リストに入れていた作品です。

出会いなおす、というテーマでの短編集でした。
人生は今だけじゃない。自分も相手もいろんな経験を経て出会いなおすことで、より豊かな関係を作り出せるって素敵だなと思いました。
「再会」より「出会いなおし」という言い方がぴったり。

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2024年08月27日

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