太平洋を望む美しい景観の港町・鼻崎町。先祖代々からの住人と新たな入居者が混在するその町で生まれ育った久美香は、幼稚園の頃に交通事故に遭い、小学生になっても車椅子生活を送っている。一方、陶芸家のすみれは、久美香を広告塔に車椅子利用者を支援するブランドの立ち上げを思いつく。出だしは上々だったが、ある噂がネット上で流れ、徐々に歯車が狂い始め―。緊迫の心理ミステリー。
Posted by ブクログ 2022年12月20日
久しぶりの湊かなえさん。やっぱりおもしろい~~!
人の心の嫌な部分を言葉にするのがうますぎて怖い…
それにストーリーの完成度が高すぎる。
読み終わったあとの満足感すごい。
鼻崎町という地名に対する間抜け感の説明、笑った。
いちいち言語化するのがうまいんよな。
子どもは侮れない。ラストが小気味よくて好...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月10日
「翼を持って田舎に行くか、翼を持って田舎から出るか」
人間関係がリアルで、複雑で、もどかしくて、面白いと同時にすごくモヤモヤした
感情の書き方、伝え方すごくリアルで入り込めた
全員に共感する部分はありつつも、自分の好みで、
すみれ➡︎光希➡︎菜々子
の順で“苦手”だった。すみれの見下す感じ、やはり...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月31日
自意識過剰な人、身の丈に合わないハイスペックな生活をする人、細かいことばかり考えて神経質な人、才能ないのにあると思い込んで人にズバズバ言う人、家庭を掘り出し失踪する人、都会から来た人を嫌う田舎者など、イヤな人だらけの小説だ。でも、現実ってこんなもん。折り合いたくない人とも上手に折り合い巻き込まれたり...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月01日
最後まで飽きさせない作品で、びっくりした。
著者は人の心のドロドロとした部分を描くのが言葉巧みで、共感するところもあればあまりの悪意に恐れ慄くところもあった。
沙也加ちゃんの車椅子生活の久美ちゃんを大切に思っている様子が書かれた手紙が時々挟まれていて、どういう意図なんだろうと思ったが、最後久美ちゃん...続きを読む