新潮文庫作品一覧
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3.5国語の統一こそ一国の独立の標識なのだ。日本が近代国家となるためにも、一日も早くこの辞書を完成しなければならぬ……。子を失い、妻に先立たれながら、17年間を費し、遂に明治24年、大槻文彦はわが国初の近代的国語辞書『言海』を完成させた。〈近代国家・日本〉の確立に献身した一人の明治人の姿を、激動の時代に重ね合せて感動的に描き出す。大佛次郎賞・亀井勝一郎賞受賞。
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4.1親子間の溝はますます深くなっている。自室に籠もり、自殺すると脅して親を操るようになった息子。中学時代、母親の不用意な一言から人生を狂わせ、やがて覚醒剤から抜け出せなくなった娘。刃物を振り回し、毎月30万も浪費するひきこもりを作ったのは、親の強烈な学歴信仰だった……。数々の実例からどのような子育てが子供の心を潰すのかを徹底的に探る。現代日本の抱える病巣を抉る一冊。
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4.52016年、大阪市に日本初の民間小児ホスピス「TSURUMIこどもホスピス」が誕生した。ここは死を看取る場所ではない。難病の子供に苦しい治療を強いるのではなく、短い時間であっても治療から離れ、家族や友人と笑い合って生涯忘れえぬ思い出を作る手助けをする施設なのだ。設立に向けて奮闘した医師、看護師、保育士たち。そして自分の人生を守り生きるために声を上げた子供たちの感動の記録。
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3.8自らは病気の自覚のない、精神を病んだ人を説得して医療につなげてきた著者の許には、万策尽きて疲れ果てた親がやってくる。過度の教育圧力に潰れたエリートの息子、酒に溺れて親に刃物を向ける男、母親を奴隷扱いし、ゴミに埋もれて生活する娘……。究極の育児・教育の失敗ともいえる事例から見えてくることを分析し、その対策を検討する。現代人必読、衝撃のノンフィクション。
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4.0田中金脈追及のさなかにガンに冒され、わずか半年後、38歳の若さで世を去ったルポライター児玉隆也。田中退陣の導火線となった「淋しき越山会の女王」、水俣病裁判の根源を企業の成立過程にまでさかのぼって探った「チッソだけが、なぜ」をはじめ、児玉が地を這うような取材と、無名の人々への温かい眼差しとを武器に書き残した、数々のルポルタージュから珠玉の9編を収録する。
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4.537歳の迷える私=橋本治には、小林秀雄の『本居宣長』は過剰と孤立を恐れるなと諭す、じいちゃんの励ましだった。いまもその感動は圧倒的だ、ただ……。小林秀雄賞を受賞した55歳の私は改めて難解な作品の通読へ向かう。そして、真摯な愛情と決意で、小林の文章にねばり強く伴走するうち、ある「恵み」を受け取ったのだった。小林秀雄から現代日本人の宿命を遠望する革新的論考。
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4.5もしかして、ものすごい新種を見つけてしまったのでは!? 大雪の山だろうと激流の川だろうと、私はひたすら突き進む。そこに虫がいる限り――。チョウやカブトムシばかりが昆虫ではない。“化学兵器”を搭載したゴミムシ、集団行動により最強の生物となったアリ、メスにプレゼントを贈るクモなど身近にいる虫たちの驚きの秘密を「南方熊楠の再来?」と注目される気鋭の学者が軽快に解き明かす。(解説・ヤマザキマリ)
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3.0志ん生、談志、永六輔、渥美清に森繁久彌。たけし、昇太、松村邦洋……。芸界に飛び込んで半世紀。笑いに愛し愛された人々が輝く芸能の現場は、すべてこの目で見てきた。記憶に刻んだレジェンドたちの“珠玉の一言”を極秘エピソードと共にお届けする。どこから読んでも面白い。文庫書き下ろし秘話もたっぷり収録した決定版! 『私だけが知っている金言・笑言・名言録』1・2を合本し、改題。
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3.4自分はいったい誰の末裔なのか? ヒデミネ流、ルーツ探しの旅が始まる。役所で戸籍にあたり、家紋を調べ、祖先の土地を訪れ、専門家や親戚縁者の話に耳を傾ける。自分似の遠戚と出会ったり、源氏や平氏、さらには天皇家とつながったり……。日本中を東奔西走、「歴史とは?」「過去とは?」「自分って何者?」と問い続ける、じわり感動のノンフィクション。小林秀雄賞受賞。
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-「維新の三傑」でありながら、西南戦争を引き起こした賊軍の首魁。にもかかわらず、国民の間では圧倒的な人気を誇る。武士にして思想家、軍略家にして温情の人、農本主義者にして詩人でもあった。西郷隆盛ほど捉えにくい人物はいない。だからこそ、さまざまな西郷論が語られ続けてきた。その変遷はまた、時代を映す鏡でもある。同時代人の証言から、小説における描かれ方までを総ざらいする。
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3.8亡くなった夫に頭を撫でて欲しいと願った妻。亡き母の髪を泣きながら洗った美容師になりたての娘。お気に入りの洋服を着て何度も抱っこされた、小さな体の重さ……。故人を棺へと移す納棺式にひとつとして同じものはない。悲しく辛い時間。しかし、生と死のはざまのごく限られた時間に、家族は絆を結び直していく。4000人以上のお別れをお手伝いしてきたベテラン納棺師が出会った、家族の物語。
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3.0「大破局」を描いた作家小松左京は、夢の大阪万博に何を見たのか。 モンゴルの草原に憧れた司馬遼太郎のロマンと、本質的悲劇とは。笠智衆を選んだ名匠小津安二郎。その静かなる戦いと、いつかくる「最後の五分」に込めた知られざる覚悟とは……。鮮やかな着眼で巨匠たちの思考を読み解きつつ、日本の過去・現在・未来を浮かび上がらせていく。この国の大きな断面を明らかにする画期的評論!(解説・先崎彰容)
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