ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

ビジネス・実用
693円 (税込)

3pt

野生のゴリラを知ることは、ヒトが何者か、自らを知ること――アフリカの熱帯雨林でゴリラと暮らした霊長類学者と、その言葉なき世界の気配を感じ取ろうとする小説家。京都大学の山極研究室で、野生のサルやシカが生息する屋久島の原生林の中で、現代に生きるヒトの本性をめぐり、二人の深い対話は続けられた。知のジャングルで、ゴリラから人間の姿がいきいきと浮かび上がる稀有な一冊。

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ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    か〜な〜り〜前から
    読みたいなと思いつつ
    なかなか出会う事なく
    保留にしていた本
    (↑そんなんばっかり)

    初見でびっくり!という
    知識的な所は無かったけど
    おふたりそれぞれの
    知識や経験や諸々...が
    スパークしてる感じが
    とても良かった

    人間も「父親」になる
    というのは難しいように
    ゴリラも学んで経験して
    尊敬される「父親」に
    なるのだ...格好いい〜!

    人様にもおすすめしたい本!

    0
    2025年07月22日

    Posted by ブクログ

    生まれた時から、言葉が当たり前にある環境だから、言葉ですべての物事を定義してしまうこと自体の意味や、不可解さについて考えたことなかったな
    言葉遣いなど、言葉に達者な人でありたいなあとは思っていたけれど、そのマイナス面についてもあるのね、やっぱり物事って全て両面性がある。。当たり前って危険ね

    普段よく人間で(笑)話題になる恋愛、結婚、親子関係その他、人間も動物の一種と考えるとなんだか単純化された

    今は特に戦争について考えさせられることが多いから、争いのテーマの部分も納得しながら読みました

    共存、想像力は私にとって永遠のテーマ!

    戦争が存在する理由:言葉 死者 共感性 (トーテム 農耕社会 科学 アイデンティティ 宗教)

    ーそれがなぜ本性のように語られるかというと、人間が言葉によって比喩の能力を手に入れたから。
    ーその簡単さが不気味です。簡単であればあるほど、こちらの都合によっていくらでも操作できる。誇張もできるし、嘘もつける。

    ーA=B.B=A コップという言葉とコップそのもの、テロリストとイスラム教徒
    本来間違っている理論をすんなり通してしまう通路
    ーもともと違うものを、同じ価値基準でまとめ上げる〜言葉を使うというのは、世界を切り取って、当てはめて、非常に効率的に自分の都合のいいように整理しなおすってこと

    ー現代の人間は、その一体感が進むあまり、集団の中に自分を没入させて尽くすような意識に行きついてしまいました。他者のためとは違う、集団のため。これは動物には絶対にない心の在り方です。


    言葉の網ですくい切れないものが溢れている世界に、つい最近まで人間は他の動物と一緒に暮らしていた。言葉に頼れば頼るほど、僕たちの世界はそれ以前に獲得した豊かな世界から離れていく。それは生物としての人間にとってあまりにももったいない損失なのではないか。〜長い進化の歴史を通じて鍛え上げてきた感性の中に言葉を調和させることで、より幸福な世界を手にすることができるのではないか〜
    それぞれの生物に与えられた時間があり、それをあるがままに生きるのが生命の営みというものだ。それぞれの生物は持って生まれた能力に従って世界を構築している。〜

    0
    2022年03月14日

    Posted by ブクログ

    タイトルや表紙からは、ゴリラの生態やコミュニケーションに関する本のように見えるかもしれないが、それに留まるものではない。

    言葉を使わないコミュニケーションを実践してきた山極氏。言葉で表せないものを言葉で伝えるという難題に常に取り組む小川氏。霊長類学者と小説家が、言葉という接点を通じて、人類の来し方行く末を考える対談である。

    人間はどういうわけで自然界から逸脱してきたのか。特に、人間が言葉を得たことの功罪について考えさせられる。

    0
    2022年01月10日

    Posted by ブクログ

    非常に面白かった。
    ゴリラや他の霊長類との比較でヒトを知る、と要約してしまうとつまらないのだが、いろいろ考えさせられながら、ユーモアもありつつ叙情的な対談。

    言葉というのは、長い進化の歴史の中ではまだ新しいからどこか安っぽいんだとか

    樹上生活の哺乳類がコウモリとサルに分かれ、飛ぶ方を選ばなかったサルは、鳥になりたかったという思いがあり、同じ祖先から分かれた我々は、その思いを受け継いで、今も飛ぶことに憧れるのではないかとか

    家族、社会、性、様々なことについて。
    お二人の語り口も実にいい。

    0
    2021年11月10日

    Posted by ブクログ

    人間とゴリラまた他の動物たちとの様々な比較をしている本書はとても面白かった。言葉があることによって文学が生まれたりして文化的に豊かになった部分もあるけれど、本能を超えた残虐性が生まれたり、曖昧さが許容されなくなってきたり言葉以外の手段が弱くなったりということもある。使い方を考えていきたいし言葉だけを絶対視しないようにしたい。

    0
    2026年03月28日

    Posted by ブクログ

    ゴリラについて知りたいなって思って手にとった本。気がついたら人間の本来のあるべき姿、について考えさせられてた。自然に求めるのではなく、私たちが謙虚にならなくてはいけない。

    0
    2025年09月15日

    Posted by ブクログ

    昔、立花隆の「サル学の現在」を読んで、人類の先祖がチンパンジーのように残忍ではなく、ゴリラのように穏やかな性格だったら我々はもっと平和な歴史を刻んだだろうなと思っていた。どうやら、僕の考え違いだったようだ。山際先生は集団間の暴力の理由を言葉、死者の利用、共感性としている。ユヴァル・ノア・ハラリ「サンオピエンス全史」言う処の認知革命が原因なんだな。

    山際先生の近親相姦のタブーの起原説に納得した。育てる経験が性的な関心を抑制する。そのインセスト・タブーがあるからこそ娘を他の家に差し出すことができる。また、類人猿のメスは親元を離れて繁殖するとある。
    ここでレヴィ・ストロースの云う「女の交換」が発生する。構造主義者は女の交換ありきで考えているけれど、親と子供が過ごす時間、またメスが独立して作る関係性があってのことだと思う。
    橋本治「源氏供養」のことも思い出す。紫の上にとって光源氏は父親のような保護者だったはず。とんでもない裏切りだよね。

    メスにとっての前のオスの子供を今のオスが殺す子殺しは立花隆の本で知っていた。ゴリラにも見られるという。人間の目から残酷だと考えるのは不遜かもしれない。メスは何故子供を殺したオスを受け入れるのかという見方もそういう風にゴリラは認識しているか判らないともある。しかし、知能の高いゴリラがそう認識しないなんてあるんだろうか。

    最後は山際先生と小川さんの屋久島探索。小川さんが森の中を歩くようという作家感が語られる。変なサル、人類はどんどん変なことになっちゃっているなあ。
    そんなことを考えさせられる読書だったと思う。

    0
    2024年06月12日

    Posted by ブクログ

    ゴリラを通して人間を推し量る良著だと思う。

    驚いたのは、ゴリラも同種の子どもを殺す行為をすることがあること。しかもそれは、ひょっとしたら人間がゴリラの生息地を追いやったことに起因するかもしれないこと。

    つくづく人間は何のために生きているのかと疑問に思う。自分たちだけさえよければいいという考えの、単なる傲慢な種だとしか思えない。

    戦争や殺人が絶えない。人種差別も未だにある。どうしたら人間の傲慢さを打ち消すことができるのだろう。無理だろうな。

    それならまだ、うつ病に苦しんで生きている自分の方が害がなくていいのかもしれない

    0
    2023年04月22日

    Posted by ブクログ

    ゴリラについて作家と霊長類学者が語り合う。言葉を持たない霊長類を研究するには、彼らの活動を言語化しなければならない。その過程でいろいろな発見がなされるわけであるが、作家の想像力と学者の観察力が出合い、ゴリラを介在して二人が見出したものを言語化していくのを読むのは有益であり、楽しい。

    0
    2022年07月09日

    Posted by ブクログ

    霊長類学者山際寿一と作家小川洋子の対談集。山際さんは京都大学学長になる人を巻き込む言い方が出きる人だなと感じ入った。小川さんは対話する人のこれまでの経験や記憶のかけらをうまく言葉にさせる力がある人だなと思った。山際さんの人だけが持つ家族を結びつけるものを愛と叫ばせたのは、小川さんの力だなと思い、吉本の対幻想を思い起こさせた。ゴリラの子殺しの話は結局原因が自分の子供を残したい雄の欲望の発露なのか、人に生息域を狭められたことによる反動なのか結論が出ていない。なんとも陰鬱な話だがゴリラもチンパンジーも子殺しをするなら、人間の児童虐待も動物としての性なのかとも思ってしまった。さまざまな感慨を生む刺激に満ちた対談である。

    0
    2022年02月24日

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