動物たちは何をしゃべっているのか?

動物たちは何をしゃべっているのか?

1,870円 (税込)

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つい最近まで、動物には複雑な思考はないとされ、研究もほとんどされてこなかった。ところが近年、動物の認知やコミュニケーションに関する研究が進むと、驚くべきことが分かってきた。例えば、小鳥のシジュウカラは仲間にウソをついてエサを得るそうだ。ほかにも、サバンナモンキーは、見つけた天敵によって異なる鳴き声を発して警告を促すという。動物たちは何を考え、どんなおしゃべりをしているのか? シジュウカラの言葉を解明した気鋭の研究者・鈴木俊貴と、ゴリラになりたくて群れの中で過ごした霊長類学者にして京大前総長の山極寿一が、最新の知見をこれでもかと語り合う。話はヒトの言葉の起源、ヒトという生物の特徴、そして現代社会批評へと及ぶ。そして、その果てに見えた、ヒトの言語にしかない特徴は?

■内容紹介■
Part1 おしゃべりな動物たち
動物たちも会話する/ミツバチの「言葉」/動物の言葉の研究は難しい/言葉は環境への適応によって生まれた/シジュウカラの言葉の起源とは?/文法も適応によって生まれたetc.

Part2 動物たちの心
音楽、ダンス、言葉/シジュウカラの言葉にも文法があった/ルー大柴がヒントになった/とどめの一押し「マージ」/言葉の進化と文化/共感するイヌ/動物の意識/シジュウカラになりたい/人と話すミツオシエetc.

Part3 言葉から見える、ヒトという動物
アイコン、インデックス、シンボル/言葉を話すための条件/動物も数が分かる?/動物たちの文化/多産化と言葉の進化/人間の言葉も育児からはじまった?/音楽と踊りの同時進化/俳句と音楽的な言葉/意味の発生/霊長類のケンカの流儀/文脈を読むということetc.

Part4 暴走する言葉、置いてきぼりの身体
鳥とヒトとの共通点/鳥とたもとを分かったヒト/文字からこぼれ落ちるもの/ヒトの脳は縮んでいる/動物はストーリーを持たない/Twitterが炎上する理由/言葉では表現できないこと/バーチャルがリアルを侵す/新たな社交/人間とはどういう動物なのか?etc.

■著者略歴■
山極寿一(やまぎわじゅいち)
1952年生まれ。霊長類学者。
総合地球環境学研究所所長。京大前総長。ゴリラ研究の世界的権威。著書に『家族進化論』(東京大学出版会)、『暴力はどこからきたか(NHKブックス)、『ゴリラからの警告』(毎日新聞出版)、『京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ』(朝日選書)など。

鈴木俊貴(すずきとしたか)
1983年生まれ。動物言語学者。
東京大学先端科学技術研究センター准教授。シジュウカラ科に属する鳥類の行動研究を専門とし、特に鳴き声の意味や文法構造の解明を目指している。2022年8月、国際学会で「動物言語学」の創設を提唱した。本書が初の著書となる。

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動物たちは何をしゃべっているのか? のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「鳥になりたかった男」と「ゴリラになりたかった男」の対談。
    それぞれの分野の知見を話し合うところから、最後には人の言語についての啓蒙のような話に及ぶ、壮大で聞き応えのある対談だった。
    環境に適応するために言語は進化した。
    人間だけではなく、すべての生物が、それぞれの置かれた環境で生き延びるべく進化し

    1
    2025年09月07日

    Posted by ブクログ

    二人とも動物に対して畏敬の念を抱いてるのがわかる。シジュウカラやゴリラと長くじっくりと向き合った二人だから世代が違っても様々なことに心から分かり合えるのですね。
    人の言葉が生まれた考察も興味深かった。

    0
    2025年11月19日

    Posted by ブクログ

    鳥の研究者である鈴木さんと、ゴリラの研究者である山極さんの対談形式の本。
    まず本書の主旨とは違うが、お二人の研究スタイルにびっくりした。
    動物の研究って、人間↔︎動物の構造だと思ってた。主に人間が動物になにかアクションを起こし、その反応を観察するみたいな。
    それもあるけど、お二人は対象動物のコミュニ

    0
    2025年11月05日

    Posted by ブクログ

    鳥になった研究者とゴリラになった研究者が、
    動物たちの言葉とコミュニケーション能力、
    そしてヒトの言葉の進化と現状についてをも語り合う。
    ・まえがき
    Part1 おしゃべりな動物たち Part2 動物たちの心
    Part3 言葉から見える、ヒトという動物
    Part4 暴走する言葉、置いてきぼりの身体

    0
    2025年10月29日

    Posted by ブクログ

    ただの動物たちの話では終わらなかった。

    前半は山極先生の研究対象であるゴリラや鈴木先生の研究対象であるシジュウカラなどの話で、純粋に動物たちのコミュニケーションの話で面白かった。
    後半、、というよりも最後1/4は現代人のコミュニケーションの問題点についてだった。ここですごくハッとさせられた。「共感

    0
    2025年10月24日

    Posted by ブクログ

    最後の方の、暴走する言葉についての話が衝撃でした。人間は、言葉に頼るあまり、ほんとうの「言葉」を失っているのかも!?と思いました。
    動物たちの言葉から私たちが学ぶことはとても多そうです。

    0
    2025年09月13日

    Posted by ブクログ

    むちゃくちゃ面白かった
    二人の生物学者が言語を物差しに語り合う。
    対話形式なのも分かりやすい。
    ヒトも一つの生物として俯瞰してとらえ、考察するところか流石生物学者。
    私自身 子供の行動や飼っている犬のしぐさを思い浮かべながら読み進めました

    0
    2025年08月18日

    Posted by ブクログ

    ゴリラの生態を研究している山際氏とシジュウガラの言葉を研究している鈴木俊貴氏という若い学者の会話。哺乳類と鳥類と全く遠い分類に属するこれらの動物の共通点もあり、そこが面白いところ。喋っているだけではなく、彼らに意識があるのか、まで追究している研究は興味深い。ゴリラもシジュウガラも思ったより頭が良いよ

    0
    2025年07月21日

    Posted by ブクログ

    私たちは自然や生き物という隣人を知らなさすぎる。自然科学分野の専門家たちの眼差しは時に言葉より鋭く刺さる。むかしばなし「ききみみずきん」の現代版がここにある。

    ヒトという動物が類人猿の中でどのように進化してきたか、その中でどうコミュニケーションを取ってきたかを知ると、インターネットを介しての「こと

    0
    2025年07月01日

    Posted by ブクログ

    人間は過去や未来のことがしゃべれる 
    ゴリラが大好きな山極先生と、シジュウカラが大好きな鈴木先生の対談本。好きなものを話している人の話を聞いていると、すごくパワーをもらえるなって、昨今の推しブームですごく感じるのだけど、そんな感じで、お二人の対談は愛にあふれてて楽しかった。動物たちも会話をしているが

    0
    2025年12月05日

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