山極寿一の作品一覧
「山極寿一」の「動物たちは何をしゃべっているのか?」「ゴリラ・イルカの仲間を信じる力」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ゴリラは堂々と誇り高く見えます。人間に近いから余計に悠々と感じるのかもしれない。
コンゴの森でゴリラを追い、その群れの一員となった(?)山極寿一先生。ゴリラのマナーを身に着けた先生がその目で人間社会を見たら、なんともぎこちなく感じたそう。
社会性を身に着けたことで独自に進化した人間。自然から離れ、いろいろな技術を急速に発展させてきたけれど、何かがそのスピードに追いついていない。
立ち止まって考えてるヒマなく波に乗ってきたけど、そろそろ一回「ちょっとまった!」というタイミングなのかも。
特に子どもたち。自然を取り上げられ、簡単にのめり込める機械の刺激を与えられている現状が、なんだかSFの話のようにも思えてきます。
人間はずいぶん遠いところまて来てしまったんだなぁ。
Posted by ブクログ
鳥とゴリラの言語・コミュニケーションのあり方を知ることで、人間本位の世界の捉え方を見直させられる。鳥とゴリラの言語を人間言語との共通性をもって感嘆するのみならず、そこから人間が科学的進歩の過程で失ってしまった身体性にも目を向ける事になる。デジタル化、AI依存が著しく進む社会の中で人間としてどうあるか。それは個人で完結する意識ではなく他者との身体的な繋がりをいかに意識的に持てるかが問われている。技術の進歩を否定するのではなく、身体的繋がりをより豊かにするための手段として活用していくことも指摘されている。ちょうど自分自身が現代社会に感じている違和感や寂しさのようなものがここに書かれていた。
Posted by ブクログ
両名とも中学校の教科書(光村図書)にも文章が掲載されている山極寿一さんと鈴木俊貴さんとの対談の本。
お二方の実際のフィールドワークや研究の話から、言語における共通性や考えを知ることができ、大変いい学びになった。
お二人の追究する姿勢が大変参考になった。
人間は視覚優位のコミュニケーションなのではないかと言う山際さんの話が興味深かった。鳥は3次元を移動することができる。そのため鳴声を使った聴覚重視のコミュニケーションになるわけだ。一方、人間は、進化の過程で、ジャングルからサバンナに移ったので、視覚的な情報が優位になった。
だから本来は、対面でのコミュニケーションが大切であるはずなのに、それができていない。文明の発展、AI、そう言ったものに人間がついていないのではないかという話がとても面白かった。
それぞれの環境に適応してきた生物のコミュニケーション手段を知ることで人間の現在地が浮き彫りになるし、第一線でフィールドワークを続ける両氏の姿勢そのものが、めちゃくちゃ刺激になる一冊だ。
Posted by ブクログ
基本的には人間は、性善説が支配的であると思う。御二方の対談は非常に興味深いものであろうということは、本書が視界に入った時に瞬時に察しがついた。
本書は、霊長類学の権威である山極氏と獣医・海獣哺乳類学者である田島氏との対談を編集している。
一般的に、サルの社会は序列化されているが、山極氏によれば、ゴリラの世界は、徹底的な対等社会であると言う。
少なからず映画等の影響を受けて歪曲されていたので、これは、衝撃的だった。
ちなみに、獰猛で野蛮なイメージを増幅させるいわゆるドラミング(立ち上がって、胸をドンドン叩く行為。)は、『これ以上近づいたら喧嘩になるから、お互い離れようぜ。』等の平和的解決へのサインらしい。ゴリラは、極めて紳士的な森の住人ではないか。
ゴリラだけでなく、田島氏が紹介するザトウクジラの例も、心を熱くする。
カナダの研究チームによると、シャチに襲われているコクジラの親子を助けるべく、ザトウクジラが盾となって間に入って、守っていたようだ。
さらに驚くべきは、シャチに襲われて海に落ちたアザラシをザトウクジラが助けて、数十分泳いで避難させた事例である。
これらの事例は、ごく限られたものであるが、ゴリラもザトウクジラも、立派に心を宿していると言えるだろう。
ここで、鯨類の区分けについてであるが、一般的に体長が4メートルを臨界値として、クジラなのかイルカなのかを決定しているに過ぎないことに注意されたい。
本書を通じて、言葉を持たないゴリラやイルカ等も、利他の心をもって社会生活を営んでいることを知った。
筆者が言うように、我々は、彼らに見習うべく言葉に依存するだけでなく、たとえば、従来無駄とされていた時間等について向き合っていく時期に来ているだろう。
『人間は、家族や仲間と協力し合い、支え合うことを喜びとする生き物である。』という原点に立ち返れば、テクノストレス等にエネルギーを浪費する現実から脱却できる明るい未来が待っているはずだ。