山極寿一のレビュー一覧

  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    二人とも動物に対して畏敬の念を抱いてるのがわかる。シジュウカラやゴリラと長くじっくりと向き合った二人だから世代が違っても様々なことに心から分かり合えるのですね。
    人の言葉が生まれた考察も興味深かった。

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    2025年11月19日
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」

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    激しく共感

    人間の住居は家族や共同体の信頼関係を反映する場所なのである。だから、人間の住居で雨をしのぐやれだけではなく、外からの視線を防ぐ壁がある。
    アフリカの奥地の熱帯雨林で訪問した村は、道沿いに家が立っていて、1番奥に村長の家、真ん中付近にバラザと呼ばれる集会所があった。法務局はまずこのバラザに立ち寄り、自分の素性や旅の目的をまず説明し、村長に挨拶することになっている。

    家の構造もそこで暮らす人々の人間関係を表していた。
    しかし現代の住居は人間関係を一切考慮していない。いくつかの住居のモデルがあって、それを個人が自分たちの生活設計に従って選ぶ。住居を作る側がそこで得られる利便性と夢を解

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    2025年11月16日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    鳥の研究者である鈴木さんと、ゴリラの研究者である山極さんの対談形式の本。
    まず本書の主旨とは違うが、お二人の研究スタイルにびっくりした。
    動物の研究って、人間↔︎動物の構造だと思ってた。主に人間が動物になにかアクションを起こし、その反応を観察するみたいな。
    それもあるけど、お二人は対象動物のコミュニティの中に自ら入り込み、一緒に生活することで観察をしている。とても衝撃を受けた。文化人類学のフィールドワークだなと思った。
    そしてこの姿勢こそが、大事なことなんだと思う。
    近年まで人間は他の動物よりも優れている、言語を扱えるから賢い、みたいな(キリスト教的な)考え方が根底にあったせいで、動物の研究っ

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    2025年11月05日
  • ゴリラが胸をたたくわけ

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    ゴリラがむねをたたくのは、「ほんとうに戦いの宣言なんだろうか。」そんなぎもんをいだいた山ぎわさんが、ゴリラとともに暮らし、かんさつして気づいたことを教えてくれる。

    ゴリラって、とても友好的で、平和をもとめているんだな。遊ぶ方法だって、すごくやさしい。大きなゴリラは自分の力をおさえて、小さなゴリラにあわせるんだって。

    人間は、ゴリラから学ぶべきことがたくさんあるなあ。

    100年以上前、人間がゴリラへまちがったイメージをもち、それを広めたせいで、たくさんのゴリラが殺されてきた。こうした人間のおろかなこういへの、ちょしゃのしずかないかりと、ゴリラへのあいを感じられた。

    「もし、19世紀の探検

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    2025年10月31日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    鳥になった研究者とゴリラになった研究者が、
    動物たちの言葉とコミュニケーション能力、
    そしてヒトの言葉の進化と現状についてをも語り合う。
    ・まえがき
    Part1 おしゃべりな動物たち Part2 動物たちの心
    Part3 言葉から見える、ヒトという動物
    Part4 暴走する言葉、置いてきぼりの身体
    ・あとがき
    参考文献有り。

    「言語」というキーワードで繋がる二人の研究者の対談集。
    お互いの知識を相手が理解し易いように述べているから、
    読む者にも分かり易い内容になっている。
    それでいて、自分たちの研究と対象についての語りは、熱い。
    それを受け入れて理解し合い、同調してゆくのも、微笑ましい。

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    2025年10月29日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    ただの動物たちの話では終わらなかった。

    前半は山極先生の研究対象であるゴリラや鈴木先生の研究対象であるシジュウカラなどの話で、純粋に動物たちのコミュニケーションの話で面白かった。
    後半、、というよりも最後1/4は現代人のコミュニケーションの問題点についてだった。ここですごくハッとさせられた。「共感がない」、「文脈がよめない」など、たしかにな~って思ったし、心当たりありまくり。言葉のコミュニケーションじゃない部分もよく観察してみよう。

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    2025年10月24日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    最後の方の、暴走する言葉についての話が衝撃でした。人間は、言葉に頼るあまり、ほんとうの「言葉」を失っているのかも!?と思いました。
    動物たちの言葉から私たちが学ぶことはとても多そうです。

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    2025年09月13日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    「鳥になりたかった男」と「ゴリラになりたかった男」の対談。
    それぞれの分野の知見を話し合うところから、最後には人の言語についての啓蒙のような話に及ぶ、壮大で聞き応えのある対談だった。
    環境に適応するために言語は進化した。
    人間だけではなく、すべての生物が、それぞれの置かれた環境で生き延びるべく進化している。
    しかし、人間は人間主体で世界を捉えている。
    「人間にできることが動物にもできるかな?」という目線での研究や実験がたくさんある。
    言葉を理解できるか?計算ができるか?と言うものが例えばそうだ。
    しかし人間は一つの生き物に過ぎず、人間だけが優れているわけではなく、優劣はない。
    私たちは犬が見て

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    2025年09月07日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    むちゃくちゃ面白かった
    二人の生物学者が言語を物差しに語り合う。
    対話形式なのも分かりやすい。
    ヒトも一つの生物として俯瞰してとらえ、考察するところか流石生物学者。
    私自身 子供の行動や飼っている犬のしぐさを思い浮かべながら読み進めました

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    2025年08月18日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    か〜な〜り〜前から
    読みたいなと思いつつ
    なかなか出会う事なく
    保留にしていた本
    (↑そんなんばっかり)

    初見でびっくり!という
    知識的な所は無かったけど
    おふたりそれぞれの
    知識や経験や諸々...が
    スパークしてる感じが
    とても良かった

    人間も「父親」になる
    というのは難しいように
    ゴリラも学んで経験して
    尊敬される「父親」に
    なるのだ...格好いい〜!

    人様にもおすすめしたい本!

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    2025年07月22日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    ゴリラの生態を研究している山際氏とシジュウガラの言葉を研究している鈴木俊貴氏という若い学者の会話。哺乳類と鳥類と全く遠い分類に属するこれらの動物の共通点もあり、そこが面白いところ。喋っているだけではなく、彼らに意識があるのか、まで追究している研究は興味深い。ゴリラもシジュウガラも思ったより頭が良いようだ。歌うこと、踊ることは人間と彼らが共通している点で、言葉を抜きにしても共鳴・共感・協調のためのコミュニケーションをしているということは確かにそのとおりなのだと感じた。山際氏がルワンダのゴリラ・タイタスと26年ぶりに会った際に、「グッフーム」とゴリラの言葉で語りかけるとタイタスの顔が急に子供っぽく

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    2025年07月21日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    私たちは自然や生き物という隣人を知らなさすぎる。自然科学分野の専門家たちの眼差しは時に言葉より鋭く刺さる。むかしばなし「ききみみずきん」の現代版がここにある。

    ヒトという動物が類人猿の中でどのように進化してきたか、その中でどうコミュニケーションを取ってきたかを知ると、インターネットを介しての「ことば」に振り回されるのは本末転倒な気がした。現実と実体験を素にしかヒトは生きられないし共生も不可能なのだと感じた。

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    2025年07月01日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    人間は過去や未来のことがしゃべれる 
    ゴリラが大好きな山極先生と、シジュウカラが大好きな鈴木先生の対談本。好きなものを話している人の話を聞いていると、すごくパワーをもらえるなって、昨今の推しブームですごく感じるのだけど、そんな感じで、お二人の対談は愛にあふれてて楽しかった。動物たちも会話をしているが、人間は現在目の前にない過去や未来のことなど話せる、というのが印象的。人間が動物や自然を支配してはいけない。彼らの世界を知ろう。

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    2025年12月05日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    『僕には鳥の言葉がわかる』からこちらへ。

    言語に留まらず、動物のコミュニケーション、果てはAIのようなテクノロジーとの付き合い方関する議論まで展開していく様子に、また新たな世界が見えた。たのし。

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    2025年06月20日
  • 京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ

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    単行本でも読み終わったものを
    今一度読んでみたい、
    と思っていたものが文庫本になるのは
    嬉しいことの一つです

    読みながら
    ああ この部分はしっかり残っているぞ
    おっ こんなことも書かれてあったんだ
    そのいずれもが 楽しい

    むろん 著者の山極寿一さんの懐の深さが
    そうさせてくれるのですが

    日本の知性の代表的なお一人
    再読、再々読を楽しくさせてくださる
    山極寿一さんです

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    2025年06月06日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

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    霊長類は木の上から地上に降りてきて、(聴覚ではなく)視覚的コミュニケーションの動物になった。そこが鳥類との分岐点だった(かも)。
    言葉の効率性のために情報を欠落させる一方で、ストーリー化する力で補完している。
    のほほん読んでたら最後の50ページくらいとんでもないところに帰着した。研究者のセッションお見事。研究者リスペクト。

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    2025年05月11日
  • スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方

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    子育てに行き詰まってる今、いろいろと考えさせられる内容でした。共感という言葉からはじまり、人間関係の構築の仕方から。
    最後は、山極先生から、未来の子どもたちへの期待も感じられ、気持ちよく読み終える事ができました。

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    2025年02月23日
  • 京大変人講座

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    ネタバレ

    良書。
    常識を疑え。安心、安全と言われたらそれは嘘。
    官僚育成機関の東大、変わり者の京大。
    地球43億年に対し、現在は数千年の稀な安定した気候の時期。そこに生きる我々。未来永劫などない。安定などそもそも存在しないのだと思わされた。
    そこそこに生きよう。

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    2025年01月25日
  • 京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ

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    サルとゴリラと人間の共通性と違いみたいな。ゴリラの生態調査のためアフリカでフィールドワークを行った著者の泥臭い人心掌握術。やっぱりご飯を一緒に食べるというのは関係をつくる上でとても大事なことなんだな。食べ物を分け合うのはゴリラなどの類人猿と人間だけみたいな話がとても面白い。調査のために協力してもらうアフリカ現地の人との関係の築き方、様々なエピソードも興味深い。

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    2024年11月02日
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」

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    著者は、霊長類学者としてゴリラ研究の権威である。
    今西錦司氏が創始した日本の霊長類研究は、「猿になりかわって彼らの社会や歴史を記録せよ」つまり、猿の群れの中に入り込み、自らが猿のような暮らしを味わい、コミュニケーションの輪に参加して、彼らの社会の仕組みを理解せよ、という。
    研究のために観察をする著者に、最初は逃げたり攻撃してきたゴリラたちも、しばらくすると著者を敵視しなくなり、群れの中で観察することを許すようになったという。それでも、ゴリラは人間の行動に常に目を配り、彼らの気にさわることをすると必ず叱って行動を改めさせたという。そうやって、自分達のルールを教えていくのだろう。
    ゴリラの研究をす

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    2024年08月09日