山極寿一のレビュー一覧
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様々な知識と広い見識を持つ2人の多岐にわたるテーマの対談はどの話題を取っても好奇心が擽られ読みながらワクワクする。
ミーティングでは相手を役職名ではなく必ず「さん」付けで呼ぶ。呼び方一つでその場の空気が明らかに変わる。
リーダーとは自分がいなくても周りがうまく動くようにセッティングする人の事。getting things done by others.
リーダーは周りの人の適性や能力を的確に判断し、チームワークを先導して目的に向かってみんなをまとめる。リーダー自身は目立たなくていい。
本当は強いんだけど、それを抑えている事が出来る。これが愛嬌。ゴリラのリーダー。
ロビン・ダンバー「人間の -
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適度な歯応えの良書。
オビには東大(遺伝人類学)vs東大(霊長類学)とあるけれど、東大のアンチテーゼとしての京大のスタンスがありつつ、自然人類学と文化人類学の知が交わっていけば良いと、両者が切望する。
知識だけでなく感じる所のある一冊だった。
さて、人類学と言うと、類人猿の研究かな、とかサルがホモ・サピエンスになった話かな、という遠い遠い昔を連想させる。
けれど、ゴリラやチンパンジー、オランウータンがどのように分岐し、どのような特徴を有するか。
それは、ヒトとどのような関係があるのか。
こういった視点は、今、ここにいる私たちの生活の何かを解き明かすかもしれない。
個人的には、金髪碧眼はど -
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相手が何をしたいのか
相手が今何をしてほしいと思っているのか
自分が何を望まれているのかを
汲み取り、いま自分はどういう態度をとるべきかを
その場の状況に応じて応える。
巷にあふれかえっている
どこやらのビジネス書に書かれているような言葉ですが…
この察知能力をゴリラたちが持ち合わせている
いや、ゴリラたちにこそ
私たち今の人間たちは学ぶべきではないか
というのが、この本で山際さんが伝えたいことです
実際にゴリラたちが暮らしている「現場」の
野山に分け入って徹底したフィールドワークをしてこられた
山際教授だからこそ、伝えたいメッセージが
そこかしこにちりばめられた一冊です
勝ち負けがな -
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タイトルに異議ありw
主にゴリラの社会について書かれている本である。
人類の起源から分化しているサルやゴリラの社会を見れば、人の社会の起源も見られるのではないかという観点である。
驚いたのは、酷く社会的な生き物であるゴリラのことだった。
ゴリラには争いは無い。
優劣をつけないのだ。
喧嘩が発生した場合、第三者のゴリラが登場し、互いに冷静になりなさいというように仲裁する。(サルの場合は強い方のサルに加勢し、強いサルの権力を保とうとするようだ)
生殖行為は雌からの誘いからのみ発生する。
女子からの誘いはセクシーであり、もう、男子は断れないらしい。
そして男子だけの群れを作り、 -
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共通の祖先であるヒト科の仲間であるゴリラの生態を知り、非ヒト科のサル等と比較することにより、ゴリラとサルとヒトの違い、特に家族・集団・上下関係さらにコミュニケーション行動に関してその違いを明らかにしてくれる本です。▼▼▼言語が人間の食料革命(運搬→肉食→火による調理→農耕牧畜)に伴って生まれたという説も面白い。▼ゴリラは群れの中で序列をつくらない。反対にヒト科ではない多くのサルは勝ち負けの世界をつくり、ヒエラルキーを構築。▼人間社会は、両方の部分を備えている。そして、ゴリラ的な性格から、加速的にサル社会化している。▼人間が人間らしさを保つために必要な家族をないがしろにして、個人主義が突き進んで
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タイトルからもっと社会学的な本をイメージしていたのだが、良い意味で裏切られた。著者はアフリカでのゴリラ研究のフィールドワーク経験が豊富で(あのダイアン・フォッシーとも関わりがあったらしい)、それを元にした比較行動学的内容が9割を占め、より一層私好みの本であった。
著者の研究に基づいたゴリラの生態について詳しく述べ、また超序列社会のサルを引き合いに出しながら両者の違いを比較、そこから、最終章では、人間社会を優劣のない平和主義のゴリラとサル社会との中間くらいと位置づけ、サル化している、と警鐘を鳴らして締めくくられている。
ははあ、だからこのタイトルなのかと納得できたものの、個人的には、著者の研究 -
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ネタバレサルやチンパンジー、ゴリラなどの霊長類や類人猿における集団生活の特徴や、人の進化の過程における特徴から、現代の希薄な人間関係、社会問題、戦争について論じる本。
印象に残った内容は、人の集団間での争いは、人間特有の文化や文明が登場してから顕著に増えてきた、と言う内容。
人は、信頼を前提とした共生社会を作りながら進化をしてきた経緯がある。
集団間の戦いについては、遥か昔に首長制がはじまったことや、定住、所有の概念が深まり、その運用が拡がったことが影響しているとのこと。
人が共生社会を作りながら進化してきた点を知り、人は捨てたものでは無いと思えた。自分は、人は戦いが本能にあり、共生や信頼と言う -
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ネタバレ老いの思考法
(How to Think About Aging)
著者:山極寿一
発行:2025年3月27日
文藝春秋
語り下ろし(「あとがき」と下記の二節を除く)
初出:
「人間の老年期とは何か」(『高校生と考える 21世紀の突破口』2023年、左右社。「思春期とは何か ゴリラからの提言」を改題、改稿)
「自然の時間を取り戻す」(『現代思想』2024年1月号、青土社。「人間と動物の境界はどこにあるのか?人間は時間を止めて文明を作った」を改題、改稿)
「あとがき」をのぞき、他は語り下ろし
ご存じ山極寿一さんは、霊長類学者であり、人類学者でもある。とはいえ、ゴリゴリの理系学者ではなく、哲学 -
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ゴリラ研究から日本人の老いについて書かれていて、人間と異なる点は相手に共感し、相手のことを想像して、行動するコンパッションにあるといいます。
また、良い老いの3条件に、松下電気創業者の松下幸之助氏のリーダーの3条件を上げていました(愛嬌があること、運が良さそうに見えること、背中で語ること)。
その内の運が良さそうに見えることとは、皆んなに惜しみなく分け与える振る舞いこそが、運の良さそうな人に現れる資質であり、自分が持っているものにこだわらないという境地こそひとつの老いの力という言葉に、余裕があるのは様々な経験を積んで生まれた境地なのかなと思いました。 -