山極寿一のレビュー一覧

  • 「サル化」する人間社会

    Posted by ブクログ

    猿は勝敗をつける。上下関係組織をもつそうです。それに対してゴリラは、勝敗を付けずに喧嘩してもお互いを理解して和解するそうです。組織も対等だそうです。

    0
    2017年06月11日
  • 「サル化」する人間社会

    Posted by ブクログ

     タイトルに異議ありw
     主にゴリラの社会について書かれている本である。
     人類の起源から分化しているサルやゴリラの社会を見れば、人の社会の起源も見られるのではないかという観点である。

     驚いたのは、酷く社会的な生き物であるゴリラのことだった。
     ゴリラには争いは無い。
     優劣をつけないのだ。
     喧嘩が発生した場合、第三者のゴリラが登場し、互いに冷静になりなさいというように仲裁する。(サルの場合は強い方のサルに加勢し、強いサルの権力を保とうとするようだ)
     生殖行為は雌からの誘いからのみ発生する。
     女子からの誘いはセクシーであり、もう、男子は断れないらしい。
     そして男子だけの群れを作り、

    0
    2015年08月07日
  • 「サル化」する人間社会

    Posted by ブクログ

    共通の祖先であるヒト科の仲間であるゴリラの生態を知り、非ヒト科のサル等と比較することにより、ゴリラとサルとヒトの違い、特に家族・集団・上下関係さらにコミュニケーション行動に関してその違いを明らかにしてくれる本です。▼▼▼言語が人間の食料革命(運搬→肉食→火による調理→農耕牧畜)に伴って生まれたという説も面白い。▼ゴリラは群れの中で序列をつくらない。反対にヒト科ではない多くのサルは勝ち負けの世界をつくり、ヒエラルキーを構築。▼人間社会は、両方の部分を備えている。そして、ゴリラ的な性格から、加速的にサル社会化している。▼人間が人間らしさを保つために必要な家族をないがしろにして、個人主義が突き進んで

    0
    2015年05月24日
  • 「サル化」する人間社会

    Posted by ブクログ

    食べ物の分配行動を生み出した「家族」は人間を人間たらしめる機能を持つ。ここでいう人間性とは向社会性。見返りの無い奉仕、もらったものは返す互酬性、帰属意識。こうしたものが家族と食卓を囲むことによって培われてきた。
    「共食」から「個食」へと、現代社会は個人主義への道を歩み続ける。「サル的」な競争社会へと人間が変化することに警鐘を鳴らす。ゴリラ研究の第一人者がゴリラの家族社会から人間の本来の姿を示唆しようとする本。

    0
    2015年01月18日
  • 「サル化」する人間社会

    Posted by ブクログ

    タイトルからもっと社会学的な本をイメージしていたのだが、良い意味で裏切られた。著者はアフリカでのゴリラ研究のフィールドワーク経験が豊富で(あのダイアン・フォッシーとも関わりがあったらしい)、それを元にした比較行動学的内容が9割を占め、より一層私好みの本であった。

    著者の研究に基づいたゴリラの生態について詳しく述べ、また超序列社会のサルを引き合いに出しながら両者の違いを比較、そこから、最終章では、人間社会を優劣のない平和主義のゴリラとサル社会との中間くらいと位置づけ、サル化している、と警鐘を鳴らして締めくくられている。
    ははあ、だからこのタイトルなのかと納得できたものの、個人的には、著者の研究

    0
    2014年11月27日
  • スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方

    Posted by ブクログ

    人間は自然の一部、生物であるということは
    とても大事なことだと思う。
    そして、人間を人間たらしめてきたもの・ことに
    目を向けることも。

    0
    2025年11月06日
  • スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方

    Posted by ブクログ

    デジタル化の弊害を、人間の生物的な形質を踏まえながら語る本でした。

    ちょっとタイトル詐欺感は否めないです。これはこれで面白いですが…

    スマホを捨てたいのは何故か、前提となっている要因は何か、対策としてはどうすべきか、対策の結果としてどのような社会や子育てを思い描くべきか…などが書いてあるかと期待しましたが、それは全く無いです。

    0
    2025年08月28日
  • 老いの思考法

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    老いの思考法
    (How to Think About Aging)

    著者:山極寿一
    発行:2025年3月27日
    文藝春秋
    語り下ろし(「あとがき」と下記の二節を除く)
    初出:
    「人間の老年期とは何か」(『高校生と考える 21世紀の突破口』2023年、左右社。「思春期とは何か ゴリラからの提言」を改題、改稿)
    「自然の時間を取り戻す」(『現代思想』2024年1月号、青土社。「人間と動物の境界はどこにあるのか?人間は時間を止めて文明を作った」を改題、改稿)
    「あとがき」をのぞき、他は語り下ろし

    ご存じ山極寿一さんは、霊長類学者であり、人類学者でもある。とはいえ、ゴリゴリの理系学者ではなく、哲学

    0
    2025年07月12日
  • 争いばかりの人間たちへ

    Posted by ブクログ

    熱帯雨林を追われる形で草原に出た人類。
    そこで肉食動物から逃げる・群れで助け合うことで共感力・認知力を身につけてきた。
    その時点ではまだ同類での傷つけ合いは無く、コミュニティで守り合う生活だった。それが変わったのは定住・農耕が始まってからで、守るべきものが自分たちの縄張り・土地に変わっていった。
    それから同類での傷つけ合いになった。

    と言うところまでは納得感あり。
    でもその対処方法は?シェアとコモンズを増やすと言ったってどうしたら良いのよ、というのが正直な感想。

    0
    2025年05月05日
  • 老いの思考法

    Posted by ブクログ

    ゴリラ研究から日本人の老いについて書かれていて、人間と異なる点は相手に共感し、相手のことを想像して、行動するコンパッションにあるといいます。

     また、良い老いの3条件に、松下電気創業者の松下幸之助氏のリーダーの3条件を上げていました(愛嬌があること、運が良さそうに見えること、背中で語ること)。

     その内の運が良さそうに見えることとは、皆んなに惜しみなく分け与える振る舞いこそが、運の良さそうな人に現れる資質であり、自分が持っているものにこだわらないという境地こそひとつの老いの力という言葉に、余裕があるのは様々な経験を積んで生まれた境地なのかなと思いました。

    0
    2025年04月07日
  • 動物たちは何をしゃべっているのか?

    Posted by ブクログ

    対話の中で気づきが散りばめられていた。言葉だけで伝わることは少ない。暗黙知があるから多くのことが伝わる。なので、言語から情報を読み取るには、非言語の体験の豊かさが大事なのかなと思った。

    0
    2025年03月31日
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」

    Posted by ブクログ

    ゴリラを通して見えてくる人間の姿。サルやゴリラを知ることは人間の体や心に秘められている歴史を知ることにつながると筆者は書いている。ゴリラは私たちの本来あるべき姿なのかもしれない。経済的な概念によって、多くの敵意や孤独があふれる現代において、私たちが忘れていることを気づかせてくれる。

    0
    2025年03月05日
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

    Posted by ブクログ

    全体的に横文字が広く多く使われていた印象。
    それなのに文学代表の平野啓一郎さんの文章はスッと入るし、本人の半生を知れてファンとして棚ぼたでした。
    最後の人類学代表の山極寿一さんの話は為になった。猿になる前に村に定住しようかなと思った

    0
    2024年09月27日
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」

    Posted by ブクログ

    元京都大学総長にして類人猿研究者でもある著者。ゴリラの話は半分くらいで、あとは自身の京大での取り組み紹介。
    ゴリラ研究のためにゴリラの集団に入って一緒に過ごした、というエピソードはびっくりした。
    小さな猿は食事を単独で摂るが、類人猿はヒトのように集団で食事し、コミュニケーションの一つの手段となっている。

    0
    2024年08月13日
  • 「言葉」が暴走する時代の処世術

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・対面のコミュニケーションには言葉だけでなくノンバーバルな部分で補っているものがたくさんある。今はSNSに代表されるようなテキストメッセージの誕生によってノンバーバルを削ぎ落とした単なる言葉がコミュニケーションに使われている。
    ・単なる言葉は文脈や意図すらも割愛してしまうことがあるから言葉が暴走してしまう。
    ・生の会話をもっと大切にしようというのがこの本の趣旨であった。

    以下覚書
    ・目の前で起こっている状況よりもスマホの画面越しに見た世界にリアリティを感じてしまう。要するに当事者性が失われている。
    ・言葉は使われた前後関係やどの作品に使われたのかで意味が変わってくるが、最近は意味を画一的に捉

    0
    2024年06月03日
  • 京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ふむふむと読んでいたのに、途中からお酒が飲めないと駄目なんだなあ…な感想になりそうだった。

    「相手への過剰な信頼は相手を悪者にする危険性をつくり出してしまう」
    身近な人に対して無意識に行いそう。気に止めたい。

    0
    2024年02月07日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ゴリラの専門家(霊長類学者)の山極寿一さんと、小説家の小川洋子が、ひたすら対談する。対談集なので、徹底的に突き詰めるというより、ふわっと終わった感がある。学者は、霊長類のゴリラの特性から、人間との共通点、違う点、なぜ違いが出たかについて語る。小説家は、なぜ人間界にだけが戦争や暴力や強姦が起きるのかを考えている。山極さんは『言語』、それによるメタファー、そして死の記憶等の、他の動物にはない人間特有の特性だとする。それは人間が文明を築き上げた源でもあり、それがまた、戦争、暴力をも引き起こす源でもあるのか。個人的には、ゴリラの子殺しの話が興味深い。自分の子どもを殺した男ともつながれる。それは死の記憶

    0
    2023年08月19日
  • 虫とゴリラ

    Posted by ブクログ

    『動物たちは何をしゃべっているのか?』というシジュウカラの言語を研究している鈴木俊貴さんとゴリラ研究家の山極さんの共著がこの度出版されると聞き、山極さん関連でこちらの対談本を思い出し読んでみた次第。

    まず、タイトルと装丁が良い。とてもシンプルでド直球。
    そして出だしのプロローグから対談がいきなり始まっている。助走無しのスタートダッシュ。
    それでいてストイックに生物学的な話だけが語られるかと思えば、社会論、教育論、日本人論などに話が及ぶ。タイトルに反して、人間について語ってることの方が多い。最早何でもあり。

    虫やゴリラに関する知識を通して、我々人間を見つめ直す対談。ご年配のお二人だからか、「

    0
    2023年08月01日
  • ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」

    Posted by ブクログ

    霊長類学者である著者からの提言ともいえる1冊。書いた当時は京都大学の総長でもあったようだ。
    人間とゴリラを対比させ、人間のよいところは継承し、ゴリラのよいところは取り入れ、これからの社会をよりよくしたいという思いがよくわかる。
    特に、争いを避けるゴリラを例に出し、平和への思いを強く伝えている。

    0
    2023年07月24日
  • 京大というジャングルでゴリラ学者が考えたこと

    Posted by ブクログ

    本人としては期せずして、国内トップ大学の総長となってからの教育への取組を攫った内容の本著。

    大学総長の業務の内実に触れることもそうそうないだろうから興味の導線としてはありがたいものだったが、
    霊長類学者の側面との折り合いがどっちつかずというか、
    率直にそちらのあれこれを知りたい衝動のほうが勝る読者の方が多かろうとも思い、ひとまず他の著作を漁ってみようとは考える。

    0
    2023年07月23日